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コンタクトセンター運営のポイント 第89回:SVの役割とは?人材不足でも良いSVを育てるためのポイント

その89 SV(スーパーバイザー)に期待する役割とは

コールセンターの中でも、特に重要なポジションだと言われているのがSV(スーパーバイザー)です。一方で、SVは負担がかかりやすくストレスが溜まりやすい職業だとも言われています。今回は、コールセンターにおけるSVの仕事はどんなものか、どのような役割を期待すべきか、SVに能力を発揮してもらうためにはどうすれば良いかについてご紹介します。

コールセンターのSVとはどんな仕事か?

コールセンターの現場を取りまとめる立場のSVは、コールセンターの応対品質を左右する存在だと言われています。では具体的に、SVはどのような仕事を担当するのでしょうか?

主な仕事内容

SVはおよそ10~20人のオペレーターのチームを持ち、オペレーターがきちんと仕事をこなせるように統括します。主な業務内容は、新人オペレーターのサポート、エスカレーションによる二次対応、コールのモニタリングなどのオペレーションの監視、特に難しい対応などの特殊対応、オペレーターの評価などです。規模の小さいコールセンターでは、採用された直後のオペレーターの研修や、コールセンターマネージャーの役割を兼任することもあります。

具体的にどの程度の業務を担当するのかはコールセンターによって差がありますが、SVは現場を回すためにさまざまな業務を担っており、SVの働きによってチームのパフォーマンスが大きく左右されます。コールセンターの品質を決める要素として、SVがどのような働き方をするかはかなり大きいと言えます。

SVはストレスのかかりやすい仕事

このように、SVはコールセンター品質の要とも言える存在ですが、その分コールセンター業務の負担もSVに集中しがちです。コールセンターのオペレーターは、特にストレスの多い職業のひとつだと言われています。その大きな原因となっているのが、コールセンターの重要な仕事のひとつであるクレーム対応です。企業の顔として対応に当たるオペレーターには常に負担がかかるため、離職率の高さが多くのコールセンターにとって課題となっています。

そんなオペレーターを束ねるSVは、オペレーターが対応しきれないコールの二次対応を行ったり、オペレーターのミスによって怒らせてしまった顧客に対応したりと、特にストレスの強い業務を引き受けることになります。そのため、SVの業務をこなせる人材は少なく、多くのコールセンターでSVが人材不足となっています。

一方で、顧客応対というコールセンターの仕事にやりがいを感じ、誇りをもってSV業務に取り組めるSVもいます。本人にそのような資質があることはもちろん、コールセンターとしてSVをサポートする環境が整っていることも重要です。

SVにどんな役割を期待するべきか?

SVはオペレーターを管理する立場でありながら、顧客にも対応する現場スタッフでもあります。そのため、SVには顧客応対スキルと管理スキルの双方が求められます。満足にクレーム対応ができない、あるいは明らかに避けるSVはオペレーターの信頼を得にくく、チームを管理できないSVはコールセンターの目標を達成できません。

ただし、その双方を備えた「完璧なSV」を期待することは難しいでしょう。どちらかを重視しなければならないとしたら、管理スキルのほうを重視するのがおすすめです。もう少し具体的に言えば、オペレーターに信頼されやすい、人柄が良くて周りのことをよく見られるような人材がSVに適しています。

実際に、SVをやりたいと思うオペレーター経験者がおらず、仕方がなく経験はないが快活で面倒見のいい人材をSVに採用したところ、そのSVを中心に一体感のあるチームができ上がったという事例があります。そのSVは経験がないためにクレーム対応などオペレーター業務が上手いわけではありませんでしたが、困った人がいれば必ず声をかけ、積極的に電話を代わっていたところ、オペレーターの信頼を得ていったそうです。

SVに気持ちよく能力を発揮してもらうための3つのポイント

コールセンターが応対品質を上げるためには、SVにSVとしての役割を期待するだけでなく、能力を発揮してもらうためにサポートすることが重要です。以下、3つのポイントについてご紹介します。

適切な人材を採用する

SVの仕事が原因で応対品質が落ちることもあるからこそ、どのような人材を採用するかが重要です。面接では、上記でもご紹介したように、技術的な面よりも人間的な面を見るようにしましょう。技術的な面は、後から改善可能だからです。また、ロジカルな思考ができるかどうかもSVに必要な素養です。たとえば、業務を改善する必要が出てきたとき、ロジカルな思考ができるSVは属人的な手法を取らずに体系的な部分を見直す方向へ動くことができます。

また、社外の経験者や社内の別の部署の管理者をSVに採用することもできますが、現場の中からSVとなれる人材を登用するのがおすすめです。オペレーター出身であればコールセンター業務についてよく把握しており、また同じセンター内の人間であればセンター独自のルールや文化にも慣れています。コールセンターや会社への帰属意識という意味でも、外部から即戦力を招くよりも内部から育てるほうが良いSVに育ちやすいと言えます。

働く環境を整備する

SVに能力を存分に発揮してもらうためには、働きやすい環境を整備することが大切です。たとえば、マネージャーやセンター長がSVの相談に乗りやすい体制、負担が多い際の軽減策、相応の給料や手当、分かりやすいキャリアプラン、成長につながる研修の実施などが挙げられます。また、SVにとって働きやすい制度を整えることも重要ですが、個々のSVにきちんと話を聞いて「何を求めているのか」を把握し、その上で環境を整えることが大切です。

他部門との接点を作る

コールセンターの改善とも密接に関わってくるのが、他部門とSVの接点を作ることです。コールセンターに限らず、どの部門も部門内の人間とだけコミュニケーションを取っていると、業務上の連携が上手くいかないことがあります。たとえば、マーケティング部門や商品部門からさまざまな注文があるとき、コールセンターのSVは現場の事情も分からない仕事の投げ方に苛立ちを覚えるかもしれません。しかし他部門と交流会を設けてみると、相手にとっても自分が不親切な対応をしていたり、自分が苛立っていた内容にも意図があったりと、理解するための第一歩となることがあります。お互いの仕事を理解すれば連携がしやすくなり、仕事が回しやすくなるだけでなく、結果的に顧客満足度の向上につながる可能性もあります。

SVが能力を発揮できるコールセンターへ

SVの人数を増やし、単に負担を減らしたとしても、コールセンター全体のパフォーマンスが上がるとは限りません。SVはコールセンターの応対品質を左右する重要な役割を担っているため、教育やサポートを充実させ、適切な人材が十分に能力を発揮できる現場を作る必要があります。そうすればコールセンター全体が活気づき、応対品質が向上するはずです。

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