コンタクトセンター向けクラウドCRM enjoy.CRMⅢ

コンタクトセンター運営のポイント 第32回:近い将来コールセンターがなくなる説について考えてみた

その32:コールセンターに求められる活動とは

コールセンターがなくなる!?

ある将来予測に、2020年になくなる職業としてコールセンターのオペレーターがあがっていました。
「機器の機能向上によりオペレーター不在で対応可能になる」「コストの安い地方都市や中国などの海外に設置する流れがある」ことが理由として挙げられていました。
確かに、若者が電話をしなくなったと言われており、コールセンターの未来は危ういのではないかと懸念する声もあります。
さて将来、コールセンターのオペレーターは不要になるのでしょうか?

結論から言えば、「ノー」です。
上記の予測はコール対応を機械任せにする、賃金の安い海外にシフトすると言っていますが、コールセンターがなくなるとは言っていません。つまり、『国内コールセンターで』オペレーターの仕事がなくなるのではないかという予測なのです。

また、若者はチャットなどのチャネルに慣れており、確かに電話をしない傾向が出ているようです。
その一方で少子高齢化が進む人口統計の予測では、この先当面は年配の方の比率が増えていきますし、財力と購買力があるのは、年配の方々世代です。
そう考えると2020年ぐらいの近未来であれば、何かの用事で問い合わせをしようと試みるのは電話を苦にしない世代が中心と考えるほうが妥当でしょう。
もちろん20年、30年先には世代交代が進み、電話離れも本気で考慮する必要が出てくるかもしれませんが、わずか5年先の2020年、なくなる職業の予測を真に受けて、コールセンターはなくなっていくと考えるのは早計でしょう。

進む自動化

とはいえ、コールセンターの世界にすでに変化はおきつつあります。
ネット通販に代表される注文や、検索すれば簡単に答えが見つかる質問などは、コンピューターに置き換わってきています。電話をすると、「~の方は1を、~の方は2を…」というガイダンスからオペレーターを振り分ける自動音声受付も、ごく一般的になりました。
これらが、すでに置き換わりつつある理由は、ロジックが作れるからです。
コンピューターは単純作業が得意です。単純な作業であれば人間とは比べ物にならないくらい大量の仕事を間違いなくやってのけます。
しかしながら、弱点もあります。
プログラムでは分岐させられなかったケースに対して、どのように処理するかをあらかじめ定義しておきますが、プログラミングされたこと以外、経験したこと以外はできないのです。
全くの未知の質問、体験に対して、自力で判断して行動することや、臨機応変に対応することはできません。
今後進んでいく自動化において課題となるのは、自動化できるケースを増やすこと、自動化できない処理を減らすまたは無くすことです。

自動化するために

先にかいたとおり、コンピューターはプログラミングされたこと、経験したこと以外はできません。知らないことはできないのです。
逆に言えば、知っていれば対応できるということ。
ここで大事になるのは、応対履歴という膨大なデータです。
過去にどんなケースがあり、どんな対応をすれば解決できたのか、そのデータがあればコンピューターは瞬時に解を探し出し、回答することができます。
こう考えたとき、いま求められるのは、コンピューターが解を探すために必要となる応対内容を蓄積し、データベース化していくことです。
人工知能で回答を試みるケースもあるようですが、それとてベースとなるのは過去の応対記録に代表される膨大なデータです。近い将来コンピューターに与える情報源を、通話録音、テキストマイニングといった技術を使い、確実に蓄積していくことが直近で求められる活動ではないかと思います。

要求レベルの変化

もうひとつ考えておくべきことは、自動化で対応し切れなかったケースは、今後も電話にてオペレーターが対応するということです。
現代は情報が氾濫しており、ネットで検索すればある程度のことはわかります。企業側もコール数を減らすため、製品のマニュアルをダウンロード可能とすることはもちろん、よくあるお問い合わせ(=FAQ)などを公開しています。
ここから考えられることは何か。
それは電話内容の高度化です。
コンピューターが自動で回答を導けなかったために電話してくるのです。
Webなどで情報を見て、解決を試みたものの解決できなかったために電話してくるのです。
いままで以上に難しい質問や未知の質問がくることが想像できます。
昨今コンシェルジュ化とも呼ばれていますが、今以上に、オペレーターに高度な製品知識や対応力が求められていきます。

そもそもコールセンターに電話をする人の目的はなんでしょうか。
そこには明確に欲求があります。

  • どうしても何かをして欲しいから
  • どうしても何かを知りたいから
  • どうしても何かを言いたいから

自力で解決できなければ、もしくは自動対応で完結できなければ、お客様は今後も電話をしてくるでしょう。
そして自動対応を実現するには、まず情報を蓄積していくことが必要です。
コールセンターがなくなるなどとは考えず、時代の進化に備え応対内容を蓄積していくこと、コール内容の高度化に対応すべくオペレーターのスキル向上を目指すことが、いまコールセンターに求められる活動だといえます。

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