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コールセンター運営のポイント 第58回:顧客の心をつかむラストチャンス“クロージング”を工夫するには

その58:顧客の心をつかむ“クロージング”とは

顧客一人ひとりとの関係を重視し、顧客満足度を上げていくことを目的とするCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)においては、コールセンターが大きな役割を果たします。コールセンターがCRMに寄与するためには、ひとつのコールも手を抜かずに真摯に向き合うことが大切です。そのためにはオープニングからクロージングまで、どの一瞬も重要だといえますが、クロージングを工夫することで顧客の反応が大きく変わることがあります。顧客の態度変容を期待できるラストチャンスであるクロージングは、どのように工夫できるでしょうか。

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確認の質問を有効活用する

クロージングは本題が終わって電話を切るための段階で、なんとなくで終わらせているオペレーターや、いつも同じパターンで終わらせているオペレーターも多くいます。
アメリカのある調査では、クロージングのよさが顧客満足度の高さに影響を与えるという結果が出ており、本題が終わった後だとしてもさらに工夫を重ねる意義があります。クロージングの中で工夫できるポイントのひとつが、確認のための質問の時間です。

ほとんどのコールセンターにおいて、本題が終わった後には不明点が残っていないかを確認するようオペレーターに指導します。不明点を残したままコールを終わらせてしまうと顧客の課題を解決したといえないためですが、これが形式的になっていないか注意が必要です。不明点の確認は簡単な定型文でできてしまうため、「確認の質問をする」ことが目的となってしまっているケースが考えられるのです。もしもそうなっているなら、顧客は不明点があってもうまく質問ができなかったり、質問があってもそれとはズレた案内をしてしまったりなどのすれ違いが起きる可能性があります。

オペレーター側から不明点の確認をする際にはセリフがスクリプトなどで決まっているかもしれませんが、ある程度はスクリプトの内容で対応しつつ、臨機応変に投げかけ方を変えることが大切です。たとえば、それまでのコール内容を踏まえて質問をする方法があります。ただ「不明な点はありませんか?」などと聞くのではなく、「◯◯の件について不明な点はありませんか?」というように少しだけ具体的な言葉を入れるだけでも顧客の受け取り方は変わるはずです。

より細かく不明点がないかの確認をすると、顧客からの質問が増えてしまい、通話時間が延びてしまうことが懸念されます。ですが一回の通話で納得してもらえれば顧客から再質問の電話が減ることになり一次案件解決率が向上します。結果的にコールセンター側の負担が減り、顧客満足度の向上も期待できます。

また不明点確認の量や内容の妥当性を判断するには、再質問の電話の量を分析することで知ることができますし、どのような質問が返ってきたかによっても判断できます。これまで説明した内容に対して再び確認されたなら、こちらの説明の仕方に不備があったということです。のちに説明方法を見直し、今後のトークに活かす必要があります。逆にこれまで話した内容とは違う話に進んだ場合は、他の部分にも興味を持っていただけた、この人にならと別の相談も話していただけたのだと考えられます。その結果通話時間は増えることになりますが、顧客満足度が向上し、アップセルやクロスセルにつなげられる可能性が高くなるので喜ばしいことだといえます。

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いくつかのパターンを用意しておく

クロージングを有効活用するには確認の質問が形式的にならないよう注意することが有効ですが、顧客から必要な質問を引き出せただけでは少し足りません。その質問に的確に答えられてこそ、顧客満足度を上げることができるのです。

ただ、質問への回答を瞬時に用意するのは現実的に難しいといえます。顧客が最初に電話をかけてくる理由である「コールリーズン」は想定することが可能ですが、クロージングの際に質問して、これに対する顧客の回答はコールリーズンと同じようにきれいに分類することが困難です。それでも的確な回答を提供するためには、ある程度顧客の回答を想定し、対応パターンをいくつか用意しておく方法が有効です。

パターンを用意すると話し方によっては形式的になってしまう可能性も考えられますが、不明点の確認とは違い、まず納得してもらえる答えを出すことが重要です。慣れてきてから、オペレーター個々人で臨機応変な回答を心掛けるようにしましょう。それまではコールセンター側である程度のパターンを用意しておくのがよいといえます。

パターンを用意しておくことは、解約の手続きなどネガティブな話題のときに特に有効です。なぜ解約するのか理由を尋ねると、顧客は契約について正確な情報を把握できておらず、継続したほうが顧客のためになるはずなのにというケースが考えられます。そのときは引き止めのトークを開始するわけですが、このようなカウンタートークは経験の浅いオペレーターにはなかなか難しいものです。ベテランオペレーターを中心にそのコールセンターで使えるパターンを作成しておけば、有用なノウハウとして活用することができます。

いくつかのパターンを用意しておくというのは、クロージングの最後、電話を切るときの締めの言葉でも同様のことがいえます。ひとつのマニュアルをどのコールでも使うよりは、場合に合わせて使い分けられるよう複数用意しておくのが理想です。

また、締めの言葉はポジティブな言葉で統一するようにしましょう。顧客の時間を割いたことを謝るような締め方などは、一見すると誠実に思えますが、印象としてはネガティブに残ってしまいます。「ありがとうございます」「心よりお祈りしています」など、ポジティブな言葉を使うことでポジティブな印象を残すことが可能です。

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やってほしいことは正確に

クロージングでもうひとつ大切なポイントとして、顧客に行ってほしい内容があるなら、できるだけ正確に案内するというものがあります。それまでの会話の流れである程度伝えていたとしても、手順を細かく振り返って説明することが大切です。そうしなければ、顧客はこちらの指示を正確に理解することができないためです。

オペレーターは指示を出す側なので、その内容の細かい部分を省いても理解ができてしまいます。しかし顧客はオペレーターに指示された内容しか把握できないため、少しでも情報を省いてしまうと誤って伝わってしまう可能性があるのです。1回説明を受けると「納得した気」になってしまうので一度は電話を切りますが、オペレーターがきちんと説明できていないといざというときに迷ってしまい、顧客に不便をかけることになります。日付や必要な資料、記入する場所、宛先、その他その行動に必要な情報は網羅するようにしましょう。説明が本当に長くなりそうなら、あらかじめそのことを断ってから説明に入る方法があります。

ただ、必要な説明とはいえ話が長くなってしまうのは多くの顧客にとって望ましくないことです。できるだけ簡潔に要点を伝え、話を素早く終わらせる努力も同時に必要となります。

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クロージングで顧客満足度を上げよう

オープニングからクロージングの中でも、クロージングは顧客の心をつかむことのできる最後のチャンスです。今回ご紹介したように、不明点の確認やその回答を工夫するなどして最後の最後まで顧客のためになる応対を心掛けましょう。そうすることで顧客満足度は少しずつ向上し、コールセンターはCRMの拠点として成果を出せるようになります。

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