コンタクトセンター向けクラウドCRM enjoy.CRMⅢ

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コンタクトセンター運営のポイント 第67回:コールセンターの働きやすさを改革し、定着率につなげる5つの施策

その67:働きやすいコールセンターを作るための取り組みとは

コールセンターにとって大きな課題のひとつとして離職率の高さ、そこから派生するオペレーター・SVの育成の難しさがあります。離職率を下げ、多くのオペレーターやSVに長く働いてもらうには働きやすさを改革することが必要です。ここでは、働きやすいコールセンターを作って定着率を上げるための5つの取り組みについてご紹介します。

イキイキと働けるコールセンターに

コールセンターでは長年、離職率が大きな課題として認識されており、2018年も改善の兆しはみえていない状態です。しかし中には、さまざまな取り組みを行った結果、離職率が改善し、高い定着率で安定しているコールセンターもあります。こういったコールセンターでは一様に働きやすい環境が整えられていると考えられ、オペレーターやSVにとって働きやすい環境を作ることが高い定着率につながるのだと考えられます。CRMの最前線であるコールセンターでは顧客のための取り組みだけではなく、従業員に対してもきちんと目を向ける必要があるということです。

働きやすいコールセンターを作るには、抜本的な取り組みを行うことが重要です。取り組みとして部分的・一時的な「改善」にとどまらず、「改革」を推進する必要があります。そうしなければ目先の部分しかよくならず、取り組みの効果が数字に表れにくく、結局は何もしなくなってしまう恐れがあるためです。

働きやすさを改革するためにはさまざまな取り組みがありますが、その中でも金銭面に関わる取り組みは慎重に行わなければなりません。分かりやすい取り組みとして「時給のアップ」や「インセンティブの設定」などは、その効果が一時的なものにとどまる可能性があり、インセンティブの設定方法によっては不公平感を生むなどのリスクもあるからです。一方で、金銭面ではなく働きがいにつながるような取り組みは長期的に効果が持続する可能性が高く、積極的に実践する価値があります。勤続年数の長いオペレーターやSVに、なぜ続けているのか聞いてみるのもいいでしょう。おそらく、給料がいいからなどではなく、何かしらの働きがいを感じているケースが多いはずです。

働きやすさを改革する5つの取り組み

コールセンターの働きやすさを改革するには、「ここで働きたい」と自然に思ってもらえるような働きがい、「自分のペースで伸び伸びと仕事ができる」というような働きやすさに注目しましょう。以下は、ぜひ参考にしてほしい5つの取り組み例です。

多様なシフトを用意する

さまざまなシフトを用意し、オペレーターやSVが選択しやすい体制を作るという方法があります。コールセンターではもともとシフト制が一般的ですが、より従業員側に寄り添った体制を作ることが大切です。

コールセンターのシフトにはいろいろなニーズがあります。週に2日や3日だけと出勤日数を制限したい方、短時間だけ勤務したい方、年収を103万円に抑えたい方、反対にもっと働きたい方、ライフステージの変化によりシフトを変更したい方、シフトではなく固定時間で働きたい方などなどです。できるだけ多くの要望に応えられるような仕組みを用意して選択しやすくすることで、多くの人材が集まるようになり、働きやすくなることで定着率も高まります。キャリアパスも示すことができれば、スキルがあってもっと貢献したいと考えている従業員を積極的にキャリアアップさせることも可能です。

また、そういったシフトの制度については十分な説明を行うことも重要です。情報に格差があってはならず、それぞれのオペレーターやSVが主体的に選択できるようにしましょう。

制度や設備を整える

働きやすさのためには、制度面を充実させることも大切です。たとえば、コールセンターではオペレーターの多くが女性というケースが多く、産休や育休の制度を固め、取得しやすい風土を作ることで大きな効果が見込めます。男性従業員の育休取得を後押しすること、そのコールセンター独自の休暇制度を作ることなども効果があります。

残業時間の長さが課題になっているのであれば、制度を作って根本的な解決を図ることで従業員の満足度を上げることができます。「残業をなくそう」という声かけだけでは大した効果はなく、単に「残業をしてはいけない」ルールにするだけでも不十分です。残業時間を複数人でモニターできる体制を作ったり、残業の原因となっている業務を改善するフローを作ったりするなどの具体的な取り組みの方法があります。

設備面でいえば、保育所の設置、難しければ地域保育所との連携などが代表的な取り組みです。女性にとって働きやすい環境にすることが、多くのコールセンターにとって大きなインパクトを生みます。温度や湿度をコントロールして快適な環境にすることなど、働きやすい施設作りをすることも有効な投資です。

働きがいを作る

仕事を与え、ただこなしてもらうだけの従業員であれば、いくら働きやすい環境でも「ぬるま湯」になってしまいます。オペレーターやSVの意見は積極的に拾い上げ、課題があればそれを解決し、常に業務改善を行うことで「働きがい」を作ることができます。自分にも役割があり、コールセンターのため、企業のため、そして顧客のために役立てているという実感があれば、長く働こうと考えるオペレーターやSVが増えるはずです。

重要なポイントとして、課題を置き去りにしてはいけないことを意識しましょう。とりあえず業務が回っている状態では、オペレーターが感じた些細な課題などは黙殺されがちです。コールセンターの全員が常に課題意識を持って業務改善が行えるよう、仕組みとしてそのための時間を確保するのがおすすめです。また、こういった改善活動は一部の管理者やチームに集約してもよいですが、オペレーターを必ず巻き込むようにしましょう。面談を設けるなどして意見を拾い上げることはもちろん、一人ひとりに対してきちんとフィードバックし、スキルアップを継続することが大切です。

コミュニティを作る

コールセンターが「ただ出勤して、仕事して、帰る」だけの場所であれば、その風土にはすぐさまメスを入れる必要があります。まずは企業、あるいはコールセンターがただの職場ではなく大きなコミュニティとなり、「自分もコミュニティの一員なんだ」と思えるような組織にすることが重要です。

具体的には、仕事において決してひとりにはしないことです。オペレーターの業務は特に、電話応対中や事後処理中はどうしてもひとりの作業となります。なんらかの形で話し合いの場を設けたり、困ったときにはすぐフォローを入れられる体制を作ったりすることで、一人ひとりが主体的に働ける健全なコミュニティが醸成されるはずです。

大きなコミュニティだけでなく、小さなコミュニティをどんどん活性化させることもおすすめです。同じ趣味を持った人たちが集まるような遊びのコミュニティでも問題ありません。そういったコミュニティを作りやすく、また参加しやすい風土を作ることで、仕事へのいい影響も期待できます。

在宅ワークを検討する

多様な働き方を提供するという意味で、在宅ワークは大きな選択肢のひとつです。ただ、IT業界ではだんだんと広がりをみせている在宅ワークですが、コールセンターでは導入が難しいケースが多くあります。セキュリティの問題や、クライアントからの要望とマッチするかどうか、どのようなCRMシステムを使用しているかなどの環境要因があるためです。そのため在宅ワークを導入することが正解というわけではありませんが、オペレーターによっては大きなメリットとなるため、可能性を検討してみることをおすすめします。

働きやすさの改革は高い成果を出すための土台作り

働きやすく、働きがいのあるコールセンターを作るための5つの方法をご紹介しました。改革のためには時間も体力も必要ですが、それ以上に大きな効果が期待できます。オペレーターやSVにとって働きやすい環境になれば、定着率が上がり、ひとり当たりのパフォーマンスも格段に向上するはずです。まずはセンターの課題がどこにあるのかを精査し、必要なところから取り組んでみてください。

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