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コールセンター運営のポイント 第70回:コールセンター業務を効率化するリソース活用施策まとめ

その70:限られたリソースを効率的に活用する方法とは

応対品質を上げてCS(顧客満足度)の向上を目指すにしても、AHTを減らすなどして応答率を上げるにしても、限りあるリソースをどれだけ効率よく活用できるかが重要なポイントとなります。今やどの業界においても人材不足が叫ばれていますが、コールセンターにおいても同様で、限られたリソースで最大限の成果を得る効率化が必須です。

当コラムではこれまで、コールセンター業務を効率化するためのさまざまな施策をご紹介してきました。今回はその中からいくつかの施策をピックアップし、リソース活用を考えるときに参考にできるようまとめています。

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最適な人員配置を実現する“ワークフォース・マネジメント”

限られたリソースを活用しようと思ったとき、真っ先に名前があがるのがワークフォース・マネジメント(WFM)です。WFMはまさに限られたリソースを必要な場所・必要なときに適切に配置するための考え方で、コールセンター業務を効率化するときに大きな効果を発揮するとされています。

コールセンターでは対応するオペレーターの数より入電数が上回り、「つながらない」状態になることは避けるべきです。が、そのためのリソースを確保することで、反対に時間帯によっては入電数が少なくなることも起こります。時期的な要因で特定の入電が増えることもあり、リソースと業務量のバランスを調整するためにはさまざまな要素を考える必要があります。人力ではどうしても限界があるリソースのマネジメントは、WFMのシステムを導入することで大幅な効率化が可能です。

WFMシステムの代表的な機能であるシフト作成機能では、入電数予測とオペレーターのシフト希望を考慮し、最適なシフトを組むことができます。入電数予測も、過去の記録から曜日ごと、時間ごと、時期ごとの予測をコールリーズンごとに出すことが可能で、人力で予測するよりも遥かに速く・正確に計算することが可能です。WFMシステムを活用すれば、リソースの無駄をなくし、効率的なセンター運営が可能となります。

WFMシステムによっては、オペレーターのスキルを登録してコールリーズンごとの最適な配置を決めることも可能です。このような機能を活用すれば、業務が効率化するだけでなく、現在どのスキルセットが足りていないのかを把握することができます。WFMは単に効率化を目指すだけでなく、課題を発見するための手法としても有効です。

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個人の知識を組織の資産にする“ナレッジ・マネジメント”

コールセンターの中で培われてきた知識やノウハウを再利用しやすくするための施策がナレッジ・マネジメントです。ベテランが長年の経験で培ってきた知識やノウハウは貴重で、これを上手く利用すればオペレーターごとのスキルの差を素早く埋められるようになり、変化に強い組織づくりができます。

組織の中にあるナレッジ(知識)には“暗黙知”と“形式知”の2種類があるといわれており、いつでも誰でも閲覧が可能なのが形式知です。それぞれの従業員が自分の中に持っている暗黙知は、たとえば退職すると組織の中から消えてしまうため、暗黙知をできるだけ形式知に変換することが大切だとされています。形式知の多い組織はそのナレッジをトレーニングや業務改善などに役立てることができるため、組織としての基盤を強めることができます。コールセンターにおいても同様で、ベテランオペレーターが持っている応対のコツや成功体験、失敗例などを形式知にすることで組織応対力の強いコールセンターを作ることが可能です。

ナレッジ・マネジメントは、「自分だけのアドバンテージをさらけ出したくない」「失敗例も話すと印象が悪くなるのではないか」「ノウハウを出すのが面倒」など、心理的な壁が高いとされています。そのため、経営陣やセンター長などが強いリーダーシップを発揮して旗振り役となり、組織を改革するつもりで推し進める必要があります。自然と良質のナレッジが集まるようにするには、業務内容に合ったナレッジ・マネジメントツールを選定することはもちろん、評価の仕組みを変えることも有効です。

誰がどのようなナレッジを持っていて、そのナレッジのうちどの内容が業務改善に役立てられるかは、同じコールセンターでもセンターごとに大きく異なります。そのため、ナレッジ・マネジメントを進めるためにはナレッジ・マネージャーを選定し、ツール選びからフロー、評価制度の再設定まで、センターに合った内容をデザインすることが大切です。ナレッジ・マネジメントに使えるツールにもいろいろあり、コールセンターに適しているとされる社内FAQ、さまざまな機能が活用できるグループウェア、社内のデータを横断的に検索できるエンタープライズサーチなどがあります。

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顧客体験を向上させるコンタクトチャネルの統合

業務上の課題を解決しよう、より質の高いサービスにしようと考えたとき、内部的な要因は対処できても外部的な要因はコントロールができません。このとき、外部的な要因を内部の問題にできれば課題解決につなげることができます。コールセンターにおいてこれを可能にするのは、コンタクトチャネルを統合し対応データを活用することです。

コンタクトチャネルを統合することは顧客体験を向上させるために仕組み・体制を作ることで、「顧客がどのチャネルから接触しても同じような体験価値を提供できること」を目指します。店舗や営業・コールセンターなどをシームレスに統合する「オムニチャネル」なども同じ意味合いです。これには企業内の、場合によっては取引企業も巻き込んでの連携が必要です。コンタクトチャネルを統合することは、コールセンターだけではどうにもできなかった問題を解決するチャンスを作ります。

たとえば、商品やサービスに対するフィードバックをコールセンターで拾い上げても、それを上手く製造部門や開発部門などに共有できなければ同じクレームを受け続ける可能性があります。同じ商品やサービスに携わっているのに連携がスムーズでないのは「もったいないこと」です。コンタクトチャネルを統合する仕組みは、これらの部門間の連携もスムーズにします。

このような仕組みができればコールセンターで拾い上げた顧客の声をすぐさま活かすことが可能で、課題解決の精度やスピードが増します。また、すべての部門が連携することでこれまでは無駄があった業務を整理し、より適切な部門に移管できるかもしれません。コンタクトチャネルを統合すれば顧客体験価値が向上するだけでなく、限られたセンターリソースを適切に運用できるようになります。

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CRMシステム、AIの導入

コールセンター業務を効率化することにおいて、コンピューターシステムの活用を切り離して考えることはできません。顧客のデータをマネジメントに活かすためにCRMシステムが生まれ、効率的なオペレーションを実現するためにCTIシステムが生まれたように、これまでコールセンター業務はシステム活用によって支えられてきました。

コールセンターで運用されるシステムの代表といえるCRMシステムも、絶えず進化しています。技術的な面では、クラウドを用いたシステム運用が可能になったことが大きな転換期だといえるでしょう。これによりCRMシステムの導入障壁が下がり、選択肢が増えました。マネジメントの面では、単に顧客の情報を管理するだけでなく一人ひとりに合わせた応対ができるよう、使い勝手の改良が続けられています。上手く効果を発揮できていないと感じたら、そもそも合わないシステムを利用している可能性もあるため、CRMシステムの乗り換えも選択肢のひとつとなります。

近年の潮流では、AIの活用に関する議論が活発です。コールセンター業務のさまざまな部分をAIが支援できることが期待されており、技術の発展によって、あるいは上手く導入することでオペレーターの業務を大幅に効率化できます。顧客情報の入力などの単純な作業や問い合わせ内容の分析などがAIによって行われるようになれば、オペレーターは「顧客一人ひとりに寄り添った対応をする」という本業に集中できるようになります。効率がよくなるだけでなく、応対品質の向上も同時に進められるというわけです。

ただし、どのようなシステムの導入においても「どのような課題を解決するのか」「新しいシステムをどう運用していくか」などをきちんと考えないと、失敗に終わる可能性もあります。トレンドに乗るのではなく、目的に対する手段として各種システムを捉えることが大切です。

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課題に合わせた適切な施策を

限られたリソースを効率的に活用し、コールセンター業務を改善するためのいくつかの施策をご紹介しました。いずれの内容もコールセンター業務を効率化するためには有効な手段だとされていますが、実施する際にはセンターの課題を明確にし、設定した目標に向けた施策を打つことが大切です。

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