コンタクトセンター向けクラウドCRM enjoy.CRMⅢ

顧客を中心にコンタクトセンターからDXを実現

コンタクトセンター運営のポイント 第47回:社内コミュニケーションの活性化が、CRM拠点の強い地盤を作る

その47:社内コミュニケーションを活性化するには

顧客との関係を重視し、CS(Customer Satisfaction:顧客満足)の向上に日々努めているコールセンター。CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の重要な拠点ですが、コールセンターだけでCSを高めるには限界があります。真に顧客のためのCRM施策を打ち出すのであれば、社内コミュニケーションを活性化し、部署を横断した連携を取ることが必要です。ここでは、コールセンター内と部署間においてコミュニケーションを活性化させる方法をご紹介します。

まずはコールセンター内で活性化を

顧客の問い合わせを受けるオペレーターの業務は、基本的にはひとりで行うもので、孤独な作業だといえます。だからこそ、それ以外の部分で積極的にコミュニケーションの時間を設けることが大切です。コールセンター内での積極的なコミュニケーションは、オペレーター同士の情報共有を促し、応対の精度を上げたり課題点を解決したりするメリットが期待できます。また、仲間とのコミュニケーションでモチベーションの維持が図れるというメリットもあります。

コミュニケーションを活性化させ、オペレーター個々のスキルも向上させる方法のひとつに、コールセンター内勉強会があげられます。ここでいう勉強会とは、外部の講師による講義のようなものではなく、オペレーターが自分の知識や勉強してきたことをお互いに発表し共有する場です。オペレーター各自が発表することで自然とコミュニケーションが生まれ、互いに知識を身につけることができます。テーマさえ事前に決めれば、大きなコストもなく開催できるという点も魅力のひとつです。特定のテーマを設定するのが難しいという場合には、お互いの業務でよかった点・悪かった点を報告し合う場にしても同様の効果が期待できます。

オペレーター同士で教え合う、あるいは報告し合う勉強会は、各自が発表する際に「要約して伝えるスキル」を身につける上でも役に立ちます。英語のことわざで『To know is one thing、to teach is another.』(知ることと教えることは別物)とも言いますが、理解したと思ってもその知識は意外に曖昧なものです。自分の中に取り込んだ知識を周りの人にアウトプットすることは、自身の知識をさらに定着させるために効果的です。また、周りの人に発表するとなると内容を要約して伝えることになるので、その機会を設けることで自然とそのスキルを身につけることができます。もちろん、「分かりやすい要約」を意識しながらまとめることで、さらなるスキルアップを図ることができます。

こうして身につけた要約して伝えるスキルは、実際の応対時に重宝します。コールを受電すると、まずは顧客から要件を聞くことになります。その内容は、顧客が持つ本来の課題を正確に表したものだとは限りません。伺った内容を聞き返すことで認識が合っているかどうかを確認することができますが、ここで上手に要約して聞き返すことができると、コミュニケーションがスムーズに進みやすくなります。きちんと的を射ていれば「このオペレーターは話しやすい、私のことを理解してくれている」という信頼感を得やすくなり、それが本来の課題と違っていた場合でも、お互いに要件の内容を整理できるようになるのです。
こうした要約して伝えるスキルは、応対経験を積んで磨くこともできますが、実務だと業務を進めることに集中してスキルとして吸収するのは難しい面もあります。コールセンター内勉強会は、スキルアップのよい機会となるはずです。

部署を横断する4つのコミュニケーション方法

コールセンターがCRMの拠点として高い成果を出すには、社内の他部署との連携が欠かせません。ここのコミュニケーションが希薄だと、さまざまな不都合が考えられます。たとえば、製品を作っている・あるいは管理している部署との連携ができていないと、コールセンターやオペレーターに製品の正確な情報が伝わらず、困ったことがあって電話してきた顧客にさらなる混乱を招く説明をしてしまう可能性があります。このような齟齬をなくすためのコミュニケーション方法として、4つの例を以下にご紹介します。

1つ目は、問い合わせ内容の専門家とコールセンターを近づけるというもの。分かりやすいのは、テクニカルサポートを提供しているコールセンターのケースです。コールセンターのオペレーターは顧客からの問い合わせをサポートするために、自社取り扱いの製品やサービスについて理解を深めているはず。しかし、技術的な問題となると限界があり、応対品質はよくても問題の本質には上手く切り込めない可能性があります。こうなると、製品について熟知しているエンジニアの存在が重要となります。

ただし、オペレーターとエンジニアのコミュニケーションラインがしっかりしていなければ、応対にまごついてしまうことはいうまでもありません。社内の業務フローを改善し、オペレーターがすぐさまエンジニアのヘルプを受けられる体制を作ることが大切です。
こういった体制は、たとえばコールセンターシステムにより作ることができます。CRMシステムのenjoy.CRMⅢは情報連携機能が充実しており、たとえばオペレーターが顧客から受けた要件を担当者へメールで自動送信する機能を使えば、シームレスな連携が可能です。
他に専門家とコールセンターを近づける方法としては、「物理的な距離を近づけてしまう」、「ひとつの製品に関わる各部署の人員でプロダクトチームを作る」などの方法も考えられます。

2つ目は、コールセンターに寄せられた問い合わせ内容を社内に適宜共有するというもの。そうすることで、直に顧客の声を聞いているオペレーター以外の従業員も顧客の声を聞くことができます。もちろん、情報をただ流すだけではなく、本当に必要な情報をまとめたり定期的に確認してもらう仕組みを作ったりと工夫する必要があります。

さらに、コミュニケーションを活性化させるためには、他部署の従業員同士で定期的に話し合いの機会を設けるのが効果的です。顔と顔を合わせることで、時間は使いますが共有の精度は増します。このような取り組みが上手くいけば、オペレーターは製品・サービスについてより深い理解を得ることができ、他部署の従業員は利用している顧客の声を聞いて製品づくりに反映させるといったことができるようになります。

3つ目は、CS向上のためのミーティングをコールセンター内やコールセンター関係者だけで行うのではなく、関連する部署全体で行うというもの。CSを戦略的に向上させるためにはコールセンターだけが奮闘するのでは不十分で、部署間で戦略的な動きができるとこれまでにないCRM効果が期待できます。また、あらゆる顧客接点において同じような顧客体験を提供する“オムニチャネル”の体制を敷くのであれば、さらに緊密な連携が必要となります。

4つ目は、部署間を横断した交流イベントを開くというものです。2つ目の方法とも少し関わってきますが、業務上の関わりだけでなく、従業員同士が仲間意識を持てるようになることが大切。具体的には、飲み会などのイベントを開く、サークル活動を積極的に推奨するなどの方法があります。ただし、業務外に関する社内イベントは強制的にならないよう注意が必要です。あくまで従業員同士のコミュニケーションを活性化させるためであり、意に反して参加させるのは逆効果だといえます。こうした交流イベントが功を奏せば、いざというときの連携がスムーズにいくような企業風土を醸成することが可能です。

自社に合ったコミュニケーション活性化を

コールセンターがCRMの拠点として高い成果を出していくためには、企業全体が連携し、顧客のためになる施策を打っていくことが大切です。上記のコミュニケーション活性化の方法を参考に、自社に合ったコミュニケーションの機会を増やすよう心がけましょう。

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