コンタクトセンター向けクラウドCRM enjoy.CRMⅢ

コンタクトセンター運営のポイント 第16回:コールセンター業務改善のために、SVが担える役割

その16:SVが果たすべき役割とは

コールセンターの中心的存在、SV

コールセンターの質を決める要素とは、なんでしょうか。センターによって規模や業務は異なりますが、どのコールセンターに於いても運営には多くの人が関わっているというように、質を決める要素はさまざまです。真っ先に思い浮かぶのは、各オペレーターの能力です。加えて、優秀なオペレーターを採用するための人事や、設備・システムがしっかり整っているか、などもコールセンターの質を左右します。

このようなさまざまな要素のなかで、最も質に関わってくるのはSV(スーパーバイザー)の役割だといわれています。オペレーターのモニタリング・指導やコールのエスカレーション、スクリプトの見直しなど、SVはコールセンターの現場のあらゆる業務に携わるため、SVの働きがコールセンターの良し悪しに直結するといわれているのです。
では、コールセンター業務改善のため、SVにはどのような役割が担えるでしょうか。ここでは、SVが果たすべき役割に加え、SVが働く環境にも改善が必要であるという点についても紹介していきます。

コールセンターの目指す場所を明確に

業務指示を与え、困難なシーンでは手助けをし、改善活動も行うSVはコールセンターにおいて中心的な存在です。そのためSVはコールセンターや企業の方針を深く理解し、どこを目指すべきかを各オペレーターへ指し示す必要があります。明確な目的がなければ、質を改善しようがないからです。
ところが、方向性や方針を明確には定めずに業務が進められているケースは多く見受けられます。その場合、質の改善が困難なばかりか、成績の不振や離職率の増加などさまざまな問題が噴出する可能性が出てきます。

SVが指し示すべきコールセンターの方針は、コールセンターごとに独自のものが設定されるべきです。基本的には以下の3つのポイントが柱となります。

生産性

これは最も追いやすい指標で、数字として現れやすいことから多くのコールセンターが重要視しています。業務フローやシステムの改善などが、生産性の向上につながります。しかし、生産性だけが全てではないことに注意しなければなりません。いくら多くのコール数をこなしたとしても、企業の利益に結びつかなければ意味がないからです。

収益性

特にアウトバウンド業務を行っているコールセンターで重要になるのが収益性です。センターのプロフィット化を目指しているところであればなおのこと重要になります。企業は最終的には利益を挙げて従業員へ還元していかなければならないので、どれだけ受注できるか、どれだけ商品を購入してもらえるかなどの収益性は必要な要素だといえます。

コールの品質

オペレーターが丁寧な対応をし、顧客が求めている解を適切に提示することができれば、結果的に生産性や収益性にもつながってきます。またコールの品質は、そのコールセンターや企業のブランディングの役割も果たします。「あの会社は電話の対応がいい」と多くの顧客や見込み顧客に思ってもらえれば、企業の成長へつながっていきます。

以上3つのポイントを挙げてきました。この3つ全てを重視しなければならないということではありません。コールセンターの方針を理解し、どのポイントを重視して各オペレーターへ指し示していくのかがSVの役割です。

働きやすい環境を作っていく

オペレーターを統括し、コールの指導やモニタリング、エスカレーションを行うSVができることは業務を改善していくことだけではありません。上記のような業務改善と並んで大切なのが、オペレーターが働きやすい環境を作っていくという点です。

大前提となるのは、話しやすく、発言しやすいセンターです。困ったときに相談したいSVが常にピリピリしていたり、隣の人に簡単なことを聞くこともはばかられる雰囲気だったりすると業務の質にも重大な影響が出てきます。さらに、人間関係に困っているのに誰にも相談できないと、離職率の増加も招いてしまいます。 話しやすいセンターを作る方法はさまざまにあります。たとえば、口にはなかなか出せない意見を書いてもらう意見箱を設置するのは有効な方法のひとつです。休憩時間で雑談をすすめるようなことも、コミュニケーションが生まれて働きやすい職場になることにつながります。SVが直接できることとしては、小まめに話しかけ、褒められるところは褒め、注意すべきところはしっかり注意することが挙げられます。

システム面でセンターの環境改善

システムの面を改善することも、働きやすい環境を作ることにつながります。CTIシステムやCRMシステムは、今やどのコールセンターにも導入されているものです。特にCRMシステムは顧客が求めているものを、そしてそれを提供すべき適切なタイミングを知るために重要なデータベース・オペレーター支援システムとなります。これらシステムを業務の面から改善を主導できるのが、現場を統括するSVです。以下、2つのシステムについて見ていきます。

CTI(Computer Telephony Integration:コンピューターと電話の統合)

たとえばCTIシステムのなかのIVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)の最適化があります。IVRはコンピューターによる音声案内で顧客の目的をある程度絞り込むことができるシステムで、顧客は音声に従ってボタンを押すことで適切なオペレーターや担当者へつながることができます。このIVRシステムの案内(コールフロー)が最適化されていないままだと、最初のオペレーターでは対応できずにたらい回しが発生し、さらに顧客の満足度も下がってしまう可能性があります。

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)

CRMシステムでは、たとえばFAQの充実化があります。CRMシステムのひとつであるenjoy.CRMⅢには素早く検索して画面に表示できるFAQ機能があり、コールリーズンを整理してよくある質問をまとめることでオペレーターのレスポンス速度が飛躍的に向上します。

SVがこれらのシステム改善を主導していくことで、コールセンター全体の成長へとつながります。CTIシステム、CRMシステムの支援が的確であればオペレーターのモチベーションにもつながるので、オペレーターの意見を集めるなどしながら、常に最新の状況に対応できるようにしておくことが理想です。

SVにばかり負担をかけないようにする

上記のようにSVの仕事内容は幅広く、またSVが担うべき役割も重要なものがほとんどです。しかし、業務を何もかもSVに任せてしまうのはよいことではありません。コールセンターのオペレーターは離職率が高いとして問題になっていますが、オペレーターを統括するSVもまた離職率が高いという問題も軽視してはいけません。
SVが離職してしまう原因は多くありますが、主なものには「過剰な量の業務がSVに集中している」、「役割が明確にされておらず、上司と部下の板挟みになっている」、「適切な研修を受けていない」などがあります。

基本的には、オペレーターとしてのスキルが高い人がSVへ昇格します。しかし、コールセンターのマネジメント側がSVをオペレーターの延長線上と考えてしまうと、SVへのフォローが不十分となり、負担がのしかかります。そしてコールセンターの質の低下、優秀なSVやオペレーターの離職などの結果を招く可能性があるのです。コールセンターのためにと身を粉にするSVほど、辞めてから「気が楽になった」と語るといいます。

SVを中心に回るコールセンターを改善していくためには、SV自身が働きやすい必要があります。そのためにはSV自身がさまざまな業務をほかの人に振り分けたり、マネジメント側がSVのフォロー体制を整えたりして業務量を適切にすることが大切です。

SVのあり方がコールセンターの質を決める

以上のように、SVはコールセンターにとって重要な存在です。SVが主導して業務改善、環境やシステムの整備を行っていくことに加え、SVへのフォローも怠らないセンターを作ることで企業全体の大きな利益へつながっていきます。

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