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コンタクトセンター運営のポイント 第79回:コールセンターにおけるQAの役割と価値の最大化

その79 QAが担当する主な役割と求められる資質・能力とは

QA(Quality Administrator)とは、コールセンターの現場で顧客応対の品質を担保する担当者個人や部署のことです。QAの主な業務やSV、クオリティ・アシュアランスとの違い、優秀なQAを育成するためのポイントを紹介します。

  • 本コラム内ではQAをクオリティ・アドミニストレーターの意味で使用します。

QAがコールセンターの品質を左右する

QAはオペレーターの業務の品質を管理する重要な職種ですが、具体的にはどのような業務を行っているのでしょうか。QAが担当する主な業務と、業務の遂行に求められる資質や能力を確認しましょう。

QAが担当する役割

QAの主な役割はオペレーターの応対をモニタリングして、その品質を評価することです。顧客側の視点に立ち、話し方の丁寧さやスピード、敬語の使い方の正誤などをチェックし、顧客が満足できる応対だったかどうかを客観的に判断します。
さらに、評価をして終わりではなく、オペレーターに改善点をフィードバックすることもQAの仕事です。

オペレーターの応対品質は顧客満足度を大きく左右する要素であり、日々の業務の中で修正と向上が求められます。オペレーターの品質管理を行うQAはコールセンターの現場を支える重要な役割だと言えるでしょう。

QAに求められる資質・能力

1. モニタリングの性質を理解する

QAには顧客満足度を第一に考え、顧客にとって理想的な品質とは何か総合的に判断する能力が求められます。

QAがオペレーターの応対品質を評価する際は、チェックシートなどを使います。このとき、チェック項目にそって、ただ表面的に評価するだけでは不十分です。
たとえば、回答の仕方が丁寧だったとしても、あまりにもマニュアル通りすぎて心がこもっていないように感じる、といったこともあります。この場合、顧客は表面的に納得することができても、「コールセンターに電話して良かった」という満足感を得ることができません。

オペレーターの応対品質を評価するときは、チェックシートの評価点数だけでなく、「心がこもっているか」といった目に見えて評価しづらい箇所にも目を向ける必要があります。ときにはチェック項目自体に問題がないかどうか判断し、議題に上げることも必要です。

2. オペレーターと信頼関係を結ぶ

オペレーターのモチベーションを保つこともQAの大切な役割です。モニタリングやフィードバックといった業務は、オペレーターに過度な緊張を与えてしまう恐れがあります。オペレーターの緊張を解きほぐし、ベストコンディションで対応に当たらせるためには、オペレーターとQAの間に信頼関係を育まなければなりません。信頼関係を結ぶためには、モニタリングの意義をQAとオペレーターの双方が十分に認識することが大切です。適度な緊張と安心感を維持するために、問題点を発見したときに叱るのではなく、解決の糸口を一緒に探す姿勢を示すこともQAには求められます。また信頼関係が重要となるのは、オペレーターだけではありません。オペレーターへの指示が食い違ってしまわないように、SVや現場リーダーなど他の役割と評価基準を共有・調整できる能力も重要です。こうした評価基準の修正に必要なすり合わせのことをカリブレーションと呼びます。

SVやクオリティ・アシュアランスとは何が違うのか

QAと似たような役割として、SVとクオリティ・アシュアランスが挙げられます。それぞれどのような相違があるのか確認しましょう。

SVとの違い

SV(Super Visor)はコールセンターの現場責任者であり、主にオペレーターのマネージメントを行います。対応する業務は多岐に渡り、オペレーターのシフト管理や進捗管理、オペレーターでは対応しきれない案件のサポートや引継ぎなどです。 企業によってはSVがQAの業務を兼任することもありますが、SVの業務はコールセンターの全般的なマネジメント、QAの業務はオペレーターの品質マネジメントというように区別することができます。

クオリティ・アシュアランスとの違い

SV以上にQAとよく似た役割として、クオリティ・アシュアランス(Quality Assurance)が挙げられます。どちらもQAと略され、オペレーターの応対品質を管理する点も同じです。クオリティ・アドミニストレーターが現場レベルの品質担当であるのに対し、クオリティ・アシュアランスはコールセンターだけにとどまらず、商品やサービス、営業といった企業の全般的な品質を管理します。

どちらも品質管理担当で略称も同じであるためSV以上に境界が曖昧になりがちです。企業によってはクオリティ・アシュアランスがクオリティ・アドミニストレータとしての業務に多くの工数を割くこともあります。

優秀なQAを育成するにはどうすればよいか

優秀なQAを育成することは、オペレーターの応対品質を上げることにつながります。QAを採用・育成するための、3つのポイントを押さえましょう。

1. オペレーター経験は必要か

QAの採用は基本的に、オペレーターやSVの経験者が優遇される傾向があります。しかし、必ず経験が必要というわけではありません。最低限の現場対応に関する知識は必要なので、QAとしての研修の他に短期間のオペレーター研修も行うことが一般的です。

2. 何を目指すべきか基準を示す

優秀なQAを育成するためには、QAに対して何が良い品質なのか、目標の数値はどれだけなのかといった基準を示す必要があります。この基準が明確でなければ、それぞれの担当者の方針がぶれてしまい、結果的にオペレーターへの指導がズレてしまいます。

他にも、SVやクオリティ・アシュアランスといった他の職種との業務分担の違いを、十分に浸透させる必要があります。コールセンター全体で生産性と品質のバランスはどのように取るのか、QAはその中でどのような役割を果たすべきなのか、これらを明確に定めて基準を示すことで、自分の業務に集中してもらいましょう。

3. QAのキャリアアッププランを構築する

磨いた能力をどのように発揮すればよいのか、キャリアプランを示すことも重要です。企業からの積極的なキャリア支援がないと、モチベーションが低下して退職に繋がることがあります。

オペレーターとの距離が近いQAを失うと、オペレーターのモチベーションが低下し、最悪の場合は退職者が増えるということになりかねません。そのため企業は明確なキャリアパスを提示して、QAの業務がマンネリ化しないように対策する必要があります。キャリアアッププランは企業によっても違いますが、主に考えられるケースは以下の3つです。

  1. 現場での応対品質の評価や改善に特化した専門家を目指す
  2. 他のQAを統括するマネージャー職を目指す
  3. コールセンター全体の品質管理を担当するクオリティ・アシュアランスを目指す

QAの仕事を見直すことがコールセンターの価値向上に繋がる

コールセンターの業務を円滑に進めるためには、業務の生産性だけではなく、品質の向上にも努めなければなりません。そしてQAはオペレーターの応対を評価し、品質向上を担保するための重要な職種です。QAをしっかり育てて、オペレーターの退職を防ぎ顧客満足度を向上させましょう。

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