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コンタクトセンター運営のポイント 第82回:ミスマッチを防止し、コールセンターの離職率を減らす8つの対策

その82 コールセンターの離職率を減らす対策とは

どの業界でも人手不足が叫ばれている現代ですが、コールセンターは特に離職率が高い業種だと言われています。クレーム対応を始めとした顧客応対の厳しさ、事前に想像していた内容とのギャップ、本人とコールセンターの適正のミスマッチなどが離職率の高い原因としてよく挙げられますが、これらはどう防止できるでしょうか?ここでは、コールセンターの離職率が高い原因や起こりうる問題、ミスマッチを防いで離職率を下げる対策についてご紹介します。

高すぎるコールセンターの離職率

離職率が高い業種だと言われて久しいコールセンターですが、その数値は依然として上昇を続けています。ある調査では、1年以内の新人オペレーターの離職率が2013年では約2.2%だったのに対し、2018年では約40.5%にまで増えたと報告されています。

離職の原因として重要なのは、個々のオペレーターが感じているギャップです。たとえば、面接で聞いたことと実際の業務内容や職場環境にギャップがあると、モチベーションに影響し会社への帰属意識も落ちます。また、想像していたよりも覚えることが多いということも、よくあるコールセンターのギャップです。研修中トレーナーに言われたことと実務に入ってからSVに言われることにギャップがあると、これも離職の要因として考えられます。

特にギャップが起きやすいのは、採用前から研修期間、新人期間にかけての間だと言えます。初期研修からOJTまでの1~2ヶ月の研修期間が特に重要で、研修内容に注力して離職防止に努めることが大切です。

離職が多いことでどのような問題が考えられるか

離職率が高いことで、さまざまな問題が発生しています。普段、CRMシステムなども駆使した効率の良いフローで運用していると気づきにくいですが、以下のような問題が起きていないかよく確認しましょう。

生産性が落ちる

オペレーター1人の生産性はベテランになるほど良くなるので、離職率が高く新人の割合が多いコールセンターでは生産性が低くなります。離職率が高い状態が長期化していると気づきにくくなりますが、新人オペレーターが早期に離職せずベテランになっていれば、生産性が上がるはずです。コールセンターではさまざまな役割の従業員が効率を求めて動いているため、オペレーターの生産性が低いとSVの手が足りなくなり、放棄呼が増え、管理費用も増幅するなどさまざまな問題に波及する可能性があります。

応対品質が落ち、クレームが増える

顧客の視点に立てば、応対品質が落ちることは重要な問題です。離職率が多いと新人オペレーターの割合が増え、応対品質が落ちる可能性があります。また、コールセンターの応対が不十分なために発生してしまう二次クレームが増加する可能性もあり、そうなるとSVの仕事が増えて新人の教育の質が下がり、さらに応対品質が落ちるという負のスパイラルに陥ることも考えられます。

採用コストが増大する

離職率が高いと抜けた分を新たに雇わなければならず、必然的に採用コストが増大します。コストが増せばコールセンター全体の運用コストも増大するので、会社からはさらに効率化やコストダウンが要求される可能性があります。

コールセンターでできる8つの離職対策

ミスマッチ防止を始めとし、以下のような対策を取ることで離職率を下げることが可能です。

退職理由を本人から聞く

コールセンターごとに離職率が高い原因は異なるため、まずはどこに課題があるのかを知る必要があります。最も確実な手法は、退職した本人から理由を聞くことです。全員には無理でも、退職者個々に電話やメールなどで連絡を取る、退職時に直接話すなどしてコールセンターの課題を探りましょう。こうして顧客の声(VOC)ならぬ従業員の声を集めることで、働きやすくオペレーターが「続けよう」と思えるコールセンターを作れるようになります。

離職コストを計算・可視化して管理者で共有する

離職率が高いと言っても、現状で業務がどうにか回っていれば、抜本的な改善をしようという動きは起きにくいものです。しかし離職によって失う離職コストを金額で算出すると、一気に現実味を帯びてきます。
離職コストはたとえば、採用から1年未満の新人オペレーターを対象とし、離職した人数分の採用や教育にかかったコストを合計することで出せます。大人数のコールセンターでは1,000万円単位で離職コストが膨れ上がっていることもあり、センター長やマネージャー、SVで共有することで各々が危機感をもって行動できるようになります。

初期面接では悪い面もきちんと伝える

面接で会社やコールセンターについて紹介する際、できるだけ採用コストを抑えて人を集めたいがために良い面を強調してしまうことがあります。しかし、これでは採用後のギャップを生み、結果的に離職率を上げる可能性が高くなります。コールセンターで働く上での悪い面もきちんと説明することで、その上で働きたいと思ってくれるオペレーターを採用することが可能です。

応募者への質問を通して人柄や適正を探る

面接では履歴書や応募者が自己アピールのために用意した実績を確認しますが、これらに判断基準を頼ってしまうと人柄が見えず、コールセンターとの適正を判断しにくくなります。長く働いてくれるオペレーターを採用するには、応募者への質問を通し、「これまでやってきたこと」よりも「これから自社やコールセンターで成長できるか、能力を発揮できるか」を重視して判断することが大切です。

面接にSVも同席する

面接は一般的に人事担当や管理者など、現場にはいない方が行いますが、ここに現場をよく知るSVが同席すると採用が上手くいく可能性があります。常に現場でオペレーターを見ているSVは誰よりも適正の判断に長けていると言えるため、その視点を採用にも活かせれば離職率の低下が期待できます。ただしSVは多忙であることが多く、業務量の調整など負担を増やさない対策が必要です。

リファラル採用を行う

今いる従業員に知り合いを紹介してもらうリファラル採用は、コールセンターに限らず、離職率の低い採用方法として注目されています。ただ「誰か良さそうな人がいたら紹介して」と声をかけるだけでも違いますが、紹介してくれた従業員にはインセンティブをつけるなどの制度化がおすすめです。リファラル採用のための専用ツールも数多く出ており、コールセンターでも制度化やスムーズな紹介のために活用できます。

研修期間を充実させる

離職率が高い場合、研修期間に大きな課題が潜んでいることが多くあります。初期研修での業務説明は十分か、新人オペレーターは十分に理解しているか、研修内容は分かりやすいか、帰属意識は高められているかなどをチェックし、足りない箇所を改善しましょう。

定着のための費用を惜しまない上記の研修期間を充実させることも含め、オペレーターの定着のためには費用を惜しまないことも重要です。研修内容の定期的な改善はもちろん、面接官やトレーナーの教育、使いやすいツールや休憩スペースなどの設備投資によっても離職率の低減が期待できます。福利厚生を充実させる、研修期間中の給料を上げるなどの制度面の改善も効果的です。

離職率が低く、応対品質の高いコールセンターへ

離職率が高いコールセンターでは、見た目の印象以上に多くの無駄を発生させています。どこに原因があるかを探り、オペレーターが働きやすくなるよう離職対策を行うことが大切です。離職率が下がればスキルを持ったオペレーターが育ち、応対品質の向上にもつながります。上記にてご紹介した離職対策がコールセンターの課題解決に合致していれば、ぜひ参考にしてください。

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