コンタクトセンター向けクラウドCRM enjoy.CRMⅢ

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コンタクトセンター運営のポイント 第37回:コールセンターの生産性を左右する「休憩時間」について

その37:休憩時間と生産性の具体的な関係性とは

仕事の生産量を高めるためには、休憩時間を削ったり残業したりして作業時間を増やすのではなく、十分な休憩を取って生産性を高めることが重要であると一般的にいわれています。これは、コールセンターについても同じことがいえます。では、休憩時間と生産性には具体的にどのような関係性があるのでしょうか。ここでは、なぜ休憩が大切なのかという理由に併せて、休憩時間の目安やどのように休憩を取ればいいのか、あるいは従業員に取らせればいいのかという点についてご紹介します。

進む「休憩時間」の見直し

同じ時間内でどれだけの結果(または利益)を生み出せるかという生産性は、多くの仕事において重視されます。コールセンターにおいても同様で、生産性向上の指標としてAHT(Average Handling Time:平均処理時間)の短縮を求められるシーンが多くあります。CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)のためには電話を短く終わらせるのではなく、顧客の悩みに徹底的に付き合うことも大切とされますが、限られたオペレーター数で効率よく対応し、一定時間内の処理数を増やし放棄呼を出さないこともまたCRMのためには大切なことです。

生産性が高ければ同じオペレーター数でも放棄呼を出す心配が少なくなり、余力が生じればCRM施策改善のために充てることもできます。
とはいえ、がむしゃらに生産性の向上に取り組めばいいというわけではなく、適度な休憩を上手に取ることが重要です。

近年では日本でも休憩時間に関する研究が盛んで、休憩時間を改善しようという企業や組織が増え始めているといいます。同じ拘束時間でも、働き詰めより適度な休憩を取ったほうが生産性は高くなるという報告もあるほどです。

生産性の向上において、休憩時間が重要な要素となります。それでは、よい休憩とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

休憩はどれくらい取ればいいのか

CRMの拠点であるコールセンターにおいては、顧客応対の一つひとつを手短に済ませるにも、一人ひとりの満足度を十分に高めるにも集中力が必要です。高い集中力を生み出すためには、まず「仕事をしている時間」と「休憩時間」の繰り返しを意識することが大切です。

人間の集中力は、ずっと持続させることはできません。具体的な持続時間については諸説あり、人によっても異なりますが50分や90分が限界だといわれています。これは学校の授業のサイクルにも通じるものがあります。また、集中力の仕組みは筋肉にたとえられることもあります。筋肉は長時間使い続けると疲弊してパフォーマンスを落としますが、しばらく休憩すればある程度のパフォーマンスを取り戻します。集中力についても、同様のことがいえるというわけです。

休憩を取るタイミングについては、定説があるというわけではありません。
ある研究によれば、90分の仕事と15分の休憩を繰り返すことが人の生活リズムにマッチしているといいます。また90分、15分というクオーター単位であれば、勤務時間管理との相性がよいというメリットもあります。
大切なのは、時間をある程度決めて仕事に集中し、そのあと確実に休憩を取ること。そうすることで、コールセンターでは一つひとつの電話応対にしっかり集中できると期待できます。

高い集中力を出す方法として、次に昼寝についてご紹介します。
ナポレオンに代表されますが、偉人たちの中には昼寝の達人とさえ言われる人たちがおり、昼寝の効果はあなどれません。 実際、昼寝が仕事の集中力を高めることはよく知られており、日本でも近年では昼寝を推奨する動きが増えてきています。厚生労働省は2014年、「健康づくりのための睡眠指針2014」を発表し、短い昼寝が作業能率を向上させると説明しています。ほかにも多くの研究者が、仕事の生産性を高めるために昼寝が効果的であるとしています。

昼寝に最適な時間は、15~20分程度だといわれています。この時間にわたって昼寝をしてから目覚めるとほどよい覚醒感があり、午後の眠気が軽減されるのです。反対に、30分を越えての昼寝は推奨されていません。この時間を超えると脳が熟眠を始めてしまうため、逆に目覚めの悪さにつながってしまいます。目覚めが悪くなると、起きた直後に仕事を再開することができず、かえって生産性を落としてしまうことになります。

昼寝のタイミングとしては、昼食後がよいようです。昼食後は眠気に襲われやすい時間帯になるので、その眠気を利用することがスムーズな睡眠導入となるためです。
昼寝の際には理想を言えば、体を横にできるスペースがあればよりリフレッシュ効果が高まります。実際に従業員向けに仮眠できるスペースを提供している企業もあるようです。それが難しいのであれば、自分のデスクで腕を枕にしたり椅子の背にもたれたりするだけでも効果的です。

以上のように、集中力を切らさぬよう細かく休憩を取り、昼寝を効果的に取り入れることでオペレーター個々人の生産性は向上してくるはずです。そうなれば、コールセンターはCRMの拠点として高い成果を出せるようになります。

休憩時間の改善はコールセンターが率先

生産性の向上に昼寝が効果的だということは、前項にてご紹介したとおりです。「よりよい休憩時間を過ごすことが大切」ということがいえますが、オペレーター個々人だけの力で休憩時間をよくしていくのは難しいといえます。コールセンター側が組織的に動き、オペレーターにしっかり休憩時間を取らせることが大切です。

具体的には、ランチスペースを用意するという方法があります。コールセンターの規模が小さいと、オペレーションのスペースしか確保できておらず、オペレーターは自席で休むか外に出るしかないという状況が考えられます。席の周辺では同僚が電話応対をしている状況があるため、十分な休憩は難しいかもしれません。ランチスペースがあれば休憩時間はそちらへ行き、ひとときだけでも仕事から離れてリフレッシュすることができます。また、ある研究によれば、休憩時間にはスマートフォンなどで暇つぶしをするより同僚とお喋りをするなどしたほうがリフレッシュ効果が高いといいます。十分なランチスペースは、この点においても重要です。

余裕があるのであれば、昼寝をすることのできるリフレッシュルームを設けることができればよりよいといえます。リフレッシュルームがあれば、昼寝のしやすさは段違いであり、オペレーター個々人できちんと休憩を取るような文化を醸成することも可能です。

休憩時間の良し悪しが生産性を左右し、CRMとしての成否に関わってくるのなら、コールセンター全体での取り組みが必須といえます。センターに合った改善策を模索することが大切です。

高い生産性のためにはきちんと休むこと

CRM施策の成功に大きな役割を果たすコールセンターは、顧客の声を直接聞くことになるため、ストレスフルな職場だといわれることもあります。だからこそ、適度な休憩や昼寝によって高い集中力を発揮することが大切です。休憩時間をしっかり取れていないという場合には、上記の内容をご参考ください。

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