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コンタクトセンター運営のポイント 第86回:“解決”できるFAQサイトを作るには?改善ポイントをご紹介

その86 FAQサイトの役割と改善する際のポイントとは

コールセンターは顧客の課題を解決するために重要な役割を果たしますが、顧客の課題解決の手段はコールセンターがすべてではありません。近年はインターネットが広く普及したことから、Webサイトやその中のFAQサイトも重要性を増しています。しかし、FAQサイトの多くは顧客の課題を解決しきれていないという問題があります。今回は、FAQサイトが担うべき役割と改善する際のポイントについてご紹介します。

FAQは重要なタッチポイント(顧客接点)

企業が顧客と良好な関係を築こうと考えたとき、まず考えるべきは「どのようなタッチポイントがあるか」です。企業と顧客が接するタッチポイントはどこにあるのか、それはどんな性質を持つのかを把握することで、顧客のニーズに応じた商品やサービスを展開できるようになります。特に近年はタッチポイントが増え、それぞれのタッチポイントで変わらない体験を提供しようとする「オムニチャネル」が重要視されるようになっています。コールセンターもタッチポイントのひとつであり、顧客が何かしらの問題に困ったとき、最終的にそれを解決するための砦の役割を果たしています。

そんなタッチポイントのひとつとして近年ますます重要度を増しているのが、FAQサイトです。FAQはFrequently Asked Questionの頭文字を取った言葉で、「よくある質問」と訳されます。インターネットやスマホが普及し、手軽に情報を入手できるようになった現代では、FAQサイトを整備しておくことで顧客に情報を取りに来てもらう、という施策が有効です。FAQサイトで課題が解決されれば、顧客満足度は向上します。また、顧客が自分で解決することでコールセンターへの問い合わせが減るというメリットもあります。

しかし、多くのFAQサイトでは顧客にとって使いやすい設計になっておらず、課題解決のチャンスを逃しているのが現状です。コールセンターへ問い合わせをした顧客の約70%が、事前にFAQサイトを見たものの解決に至っていなかった、というデータもあります。では、FAQサイトには主にどのような課題があり、どのように改善すれば良いでしょうか?

FAQサイト6つの改善ポイント

サイトの検索性を高める

多くのFAQサイトは企業の公式Webサイトの内部に作成されています。顧客がなんらかの手段でWebサイトを訪問した場合、できるだけ早く目的のページへ辿り着くような導線を設計する必要があります。その際にポイントのひとつとなるのが、どのページからも検索ができる設計です。FAQが載っているページにのみ検索フォームが設置してあると、そこに辿り着かなければ検索ができないため、できればすべてのページの分かりやすい位置に検索フォームを設置するのがおすすめです。

FAQの項目をカテゴライズする

上記では検索性を高めることが重要と説明しましたが、「何が分からない」のかがよく分かっていない顧客は検索で求める答えに辿り着くことは難しく、また調べたいことが明確だとしてもミスタイプなどで上手く検索結果にヒットしない可能性もあります。そのため、「そもそも検索の必要ない」サイト改善として、FAQの項目を分かりやすくカテゴライズしましょう。ページのどこに何があるのかが一目で分かれば、顧客は自分で問題を解決できるようになります。

カテゴライズが本当に分かりやすいものになっているかどうかは、カードソートと呼ばれる調査を行うことで検証できます。カードソートは各項目を記したカードを相手にカテゴライズしてもらうというシンプルな調査で、これを顧客に該当するような知識の人にやってもらうことで分かりやすいカテゴリーの認識を合わせることができます。

本当によくある質問は一番分かりやすい位置に配置する

FAQの中でも、特に問い合わせ件数の多い質問は一部に集中することが多くあります。そのような質問に関しては、Webサイトの中でも特に分かりやすい位置に配置し、素早く解決できるよう導くことが大切です。配置の例としては、トップページのファーストビュー(ページを開いたときに最初に見える範囲)のすぐ下や、サイドカラムの一番上などが挙げられます。

FAQの項目を充実させる

FAQサイトの情報量が少なければ、それだけ多くの課題解決の機会を損失していることになります。今のFAQの項目で本当に十分か、古い情報が記載されていないかなどをチェックしましょう。時期的な要素の強いFAQはそのときにきちんと表示できているかなども重要なチェックポイントです。

なお、FAQの項目を充実させるにあたっては、コールセンターに蓄積されたVOC(Voice of Customer:顧客の声)が鍵となります。この点については、以下にて詳しくご紹介しています。

質問と回答を分かりやすく作る

知りたいFAQに辿り着いたとしても、その回答内容が分かりにくかったら顧客の課題解決にはつながりにくいと言えます。難しい専門用語は使わずに平易な言葉で説明しているか、必要があれば絵や図を使用しているかなど、分かりやすい内容を意識しましょう。なお、本当にそのFAQが分かりやすく作られているかどうかは、実際に顧客に聞いてみて判断するのがおすすめです。一般的には、「このページは役に立ちましたか?」などの質問をページ最後に設ける手法が取られています。

常に更新・分析できる体制を整える

FAQは一度整えたら終わりではなく、常に更新していく必要があります。季節性のあるFAQを素早く更新することはもちろん、最初はほとんど気にされなかった項目が後からよく検索されるようになるケースもあるため、検索キーワードやヒットした件数など顧客のニーズを常に拾い上げてFAQサイトを最新の状態に保つことが大切です。コールセンターへの問い合わせは業種によっては時期によって大きなバラつきがありますが、FAQサイトを念入りに更新した結果、問い合わせ件数の増減が少なくなったという例もあります。

FAQサイト充実の鍵はコールセンターのVOCにあり

使いやすいFAQサイトを整備するためには、的確な質問と回答を作成する必要があります。探している質問がなかなか見つからないことはもちろん、ほとんど読まれない質問をずっと置いておくこともFAQサイトの利便性を損ないます。コールセンターに蓄積されているVOCを活用することで、顧客の役に立つFAQサイトを作ることが可能になります。

コールセンターがFAQサイト改善の鍵となるのは、顧客の課題を解決したという成功体験を持っていることが大きな理由として挙げられます。コールセンターでは電話やメール、チャットで日々多くの顧客の声を聞いており、どんな質問が多いか、最近はどんな話題が増えてきたか、どう回答すれば解決されるかというノウハウを多く持っています。数の多いコールリーズンを抽出することはもちろん、個々人のオペレーターから意見を吸い上げることで、コールセンターに問い合せる前に課題を解決できるFAQサイトを整備することが可能となります。

コールセンターが持っているVOCをFAQサイトに存分に活かすには、FAQサイトの運用をコールセンター側で担当するという方法がおすすめです。FAQサイトの運用をたとえばマーケティング部門が担当していたとしたら、VOCをFAQに反映させるまでにある程度の手間を要し、いずれ連携しなくなってしまう可能性も考えられます。コールセンターがFAQサイトの運用を担当することで、VOCのちょっとした変化をすぐさま反映させる運用も可能になります。

顧客のためになるタッチポイントを作ろう

コールセンターと同じように顧客との重要なタッチポイントであるFAQサイトは、顧客が課題を解決する際に大きな役割を担います。顧客視点でページを設計し、充実したFAQサイトに仕上げることで、顧客満足度を向上させることが可能です。
さらに良いFAQサイトはコールセンターへの問い合わせ件数を減らすことができるため、リソース不足で十分な対応ができていないなどコールセンターの課題を改善することにもつながります。FAQサイトの改善でコールセンターに余裕が生まれると、顧客に寄り添うというオペレーター本来の業務に集中できるようになります。

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