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コールセンター運営のポイント 第69回:“ペルソナ”の設計がコールセンターの応対品質を大きく変える

その69:コールセンターの応対品質を変える“ペルソナ”とは

マーケティングの広い分野で活用されている施策のひとつが、ペルソナ設計です。ペルソナは商品やサービスを開発するとき、あるいは広めるときなどに代表的なターゲット像として設定する仮想顧客のことであり、ペルソナを設計することがマーケティングを成功させるためには重要となります。このペルソナ設計は通常、マーケティングチームや調査会社などが行いますが、実はコールセンター内で行うことで多大なメリットが期待できるのです。

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ペルソナとはどういうものなのか?

コールセンターにおけるペルソナ設計を考える前に、まずはペルソナとはどういうものなのかについてご紹介します。

冒頭にも記載したように、ペルソナはターゲットをさらに具体化した仮想顧客のこと。代表的なターゲット像とするために、できるだけ詳細な設定をします。たとえば、ターゲットは「20代前半女性、ひとり暮らし」などのように大きなカテゴリーを考えるものですが、ペルソナではさらに深く掘り下げて「24歳女性、家族構成は父・母・兄、埼玉県さいたま市でひとり暮らし、事務職、通勤では電車を使用、休日は主に友達と出かける、……」などなど、実際にどこかで生活していそうな人物像を作り上げます。商品やサービスを届けたい層を初めに設定し、そのターゲット層に商品やサービスを届かせるためにはどうすればいいかを考えるためにペルソナを設計するのです。

ペルソナを設計することで、本当にサービスを届けたいターゲット層に刺さる商品・サービス展開が可能となります。きちんと設計されたペルソナは「実際のユーザー」と非常に近い存在となるため、誰を向いてマーケティングをすればいいのかが明確になるのです。また、その商品やサービスに関わる全員が同じ方向を向くため、方針がブレず、軌道修正もしやすくなります。

このようなペルソナを設計するのはマーケティングの領域です。ではなぜ、コールセンターで設計することで多大なメリットが生まれるのでしょうか?

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なぜコールセンターでペルソナを作るのか?

実際に生活していそうな、商品やサービスが本当に刺さるような良質なペルソナを設計するためには、まずデータが必要です。「なんとなくいそうな人物」を想像して作るだけのペルソナではあまり意味がありません。そのために通常は、グループ・インタビューや市場調査、アンケートなどを行い、ペルソナ設計を行うための材料を集めます。材料となるデータは、どれだけ多く、どれだけ素早く、どれだけ本質を捉えているものを集められるかが重要なのです。

ところが、そのようなデータはいちいち調査会社に依頼してゼロから集めてもらわなくても、CRMの最前線であるコールセンターの中に大量に眠っているのです。オペレーターは日々電話やメール対応、センターによってはチャット対応などを通し、膨大な数の顧客に触れています。顧客についての理解にかけては、オペレーターに勝る者はいないのです。

普通にペルソナ設計をしようとしたら、事前の情報収集や顧客タイプを分けるための調査、調査結果を分析してのタイプ分け、タイプごとのさらなる調査……というフローがありますが、オペレーターをベースにするとその多くの過程をスキップすることも可能。ペルソナ設計について分かっている人物が主導するだけで、マーケティングの知識がないオペレーターでもペルソナ設計は十分に可能なのです。

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コールセンターでペルソナ設計をする際のポイント

コールセンターでペルソナ設計を行う場合、その流れは通常とは大きく異なります。以下のポイントを参考にしてみてください。

進行役を立て、準備をしっかり行う

ペルソナ設計をひとつのプロジェクトとし、進行役をひとり用意します。SVやマネージャーなどが適役と思われます。そして進行役が先導し、ペルソナ設計の準備を行います。進行役などのスタッフはあくまで準備に徹し、ペルソナ設計自体はオペレーターやSVを中心とすることが大切です。準備内容は、ペルソナ設計を行うオペレーターやSVの選出、チーム決め、スケジューリング、でき上がりのサンプルの用意、関係者への根回しなどです。ペルソナ設計に参加するオペレーターやSVにはスケジュールなどをきちんと共有し、これから行うペルソナ設計についても十分な説明をします。難しいものではなく、楽しく取り組めることを伝えるのがおすすめです。

客観的なデータを集めておく

上記の準備の一部ですが、これは非常に重要な準備です。オペレーターは顧客について最も熟知していますが、やはりマーケティングに関しては素人であり、経験だけを頼りにするとペルソナの本質を捉えきれない可能性があるためです。データは、顧客情報、購買情報、VOCなどに加えて、可能であれば世の中の流れを知るための統計データを用意しましょう。

チームを組んで発表会を行う

ペルソナ設計を実施する際には、3人~5人程度のチームに分け、発表会を行うフローがおすすめです。少人数で取り組むことで楽しみながら設計し、発表する場を設けることでやりがいを刺激します。ワークショップやディスカッションを重ね、各チーム2人か3人程度のペルソナを設計したら、関係各所から興味のある人を集めた発表会を行いましょう。発表の場があることで気が引き締まり、チームごとのペルソナを共有することで顧客に対する理解が深まります。チーム分けから発表までの期間は、ペルソナ設計プロジェクトの規模やコールセンターごとの事情にも左右されますが、3カ月程度が目安です。

発表されたペルソナの活用方法はコールセンターや企業によりますが、一例としてそれぞれのぺルソナの内容を壁に張り出すなどして成果を共有するのがおすすめです。

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コールセンターでのペルソナ設計による6つのメリット

コールセンター内でペルソナ設計を行えば、たくさんのいいことがあります。その一部をご紹介します。

良質なペルソナができ上がる

ここまでも述べてきたとおりですが、CRMの最前線で多くの顧客と接しているオペレーターやSVは顧客についてよく知っているため、商品やサービスの代表的なターゲット像としてドンピシャなペルソナを作ることが可能です。

オペレーターのやりがいにつながる

ペルソナを設計するというクリエイティブな作業をやりきり、それが商品やサービス、ひいては顧客のためになれば、オペレーターやSVにとって大きなやりがいにつながります。達成感や役に立てたという誇らしさから、仕事に対する愛着も増すはずです。

応対品質が向上する

良質なCRMの実現を目指すコールセンターにおいては永遠の命題ともいえる応対品質の向上も、ペルソナ設計で加速させることができます。まず、「ペルソナを作りますよ」という周知があった段階でオペレーターはそこへ向けて目的意識を持ちやすくなるため、より積極的な姿勢で顧客応対に臨めるようになります。そしてチームごとの複数のペルソナが完成すれば、それは数多くの顧客の姿の代表となり、どのような顧客が相手でも最適な解決策を見つけやすくなるのです。これは、ペルソナ設計に参加しなかったオペレーターにおいても同様です。

予告でさらに向上する

ターゲットとすべきペルソナは、時代が変われば変化します。1年~2年に一度のペースを目安に、再度ペルソナ設計を行いましょう。その周知をするだけで、オペレーターやSVはやる気を増して応対品質がさらに向上します。前回は参加しなかったオペレーターが、次は自分もと積極的な姿勢を見せるかもしれません。

新人研修に使用できる

完成したペルソナは、新人研修に使用できます。新人は研修で顧客応対の基礎、センターで用意されているスクリプト、商品のマニュアルについて学び、FAQを何度も読み返します。さらにペルソナを見せれば、これから自分が応対するのはこのような感じの人、という具体的なイメージを持てるようになるはずです。

部門を横断した全体最適になる

ペルソナは、コールセンター内だけで作って運用するだけでも十分な効果を発揮しますが、本来は商品やサービスを作って広めるためのもの。コールセンターで作成したペルソナは、商品開発部門やマーケティング部門、営業部門など、あらゆる部門において活用できます。商品やサービスに関わる全部門が同じペルソナを共有できれば、顧客に良質な体験を提供できるようになるはずです。

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よりよい顧客体験のために

ターゲットとすべき顧客像を具体的に想像できるようになるペルソナは、顧客について最も理解しているオペレーターやSVが中心になって設計することで完成度が高くなります。コールセンター内で設計することでオペレーターやSVのやりがいを強く刺激し、応対品質の向上につなげることも可能です。ペルソナ設計は何も難しいことはなく、初めてでもとにかくやってみることが大切。ペルソナ設計により多くのメリットがありますので、ぜひ挑戦してみてください。

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