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コールセンター運営のポイント 第29回:CS向上とリスクヘッジを同時に行う、マルチサイトとマルチスキル

その29:オペレーターのマルチスキル化とは

コールセンターの対応力を強化するためには

顧客の立場になって考え、顧客視点でビジネスを行っていくCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)において重要なのは、どの顧客にも不満を残さない柔軟な対応です。そのため、CRMの拠点として重要な位置を占めるコールセンターには高い対応力が求められています。

ここでは対応力をBCP(Business Continuity Plan:業務継続計画)とCS(Customer Satisfaction:顧客満足度)向上に分け、これらを実現するための方法として「マルチサイト化」と「マルチスキル化」をご紹介します。

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BCPのために有効なマルチサイト化

BCPとは、自然災害や火災、テロ行為などの緊急事態に見舞われた際、いかにして被害を最小限に留めるか、いかにして業務を継続していくか、いかにして復旧していくかを策定した計画を指します。緊急事態があった際の行動指針に加え、避難訓練など日常的な活動も含まれます。従業員の身の安全や収入、顧客への安定した商品・サービス供給を守るため、特に東日本大震災後に注目を集めるようになったものです。

BCPのために有効な施策のひとつが、マルチサイト化です。マルチサイトとは、複数のサイト(敷地)に拠点を置いて同一の業務を行うというもの。これにより、緊急事態で一方が機能できなくなっても、他方の拠点で業務を継続することが可能となります。
コールセンター業界のなかでもマルチサイト化の潮流があり、年々増加しているというデータもあります。なぜマルチサイト化をしたのかという質問に対しては、「災害時に備えて」という回答が最も多く出されています。
マルチサイト化をする際の第2・第3の拠点は、主に地方から選ばれています。緊急事態に備えてのマルチサイト化であれば距離が離れているほうがよい、というのが理由です。

マルチサイト化は、BCP目的以外に「コールセンターの品質向上」を実現するためにも効果を発揮します。
CTI(Computer Telephony Integration:コンピューターと電話の機能統合)やCRMシステムなどを活用することで、現在は複数のコールセンターを一元管理できるようになっています。たとえば、特定のお問い合わせ内容が殺到した場合、一方のコールセンターだけではスキル保有者が不足するかもしれませんが、別のコールセンター側のスキル保有者で対応することが可能となり、よりよい応対品質を提供できるようになります。また、採用やトレーニングなどのマネジメントを統合することで、コールセンター間の連携を強めることができるようになります。
このように、離れていても同一のコールセンターとして運営することができれば、高い応対品質を維持したまま席数を増加できます。つまり、顧客一人ひとりの満足度をそのままに放棄呼や待ち時間を減らし、CS向上につなげられるということです。業務を効率化できれば、コストカットにもつなげることができます。

コールセンターをマルチサイト化し、どのセンターでも同等の応対品質を提供できるようにするには、システム構築以外にもオペレーター一人ひとりのスキルアップが重要となります。そのために有効な対策のひとつに挙げられるのが、マルチスキル化です。

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CS向上のためのマルチスキル化

CS向上のためには、単純なマルチサイト化だけでは不十分です。上述のように拠点間の連携を強めるシステム構築が必要ですし、実際に顧客と接するオペレーターのスキルが高くなければ机上の空論となります。

ここで、顧客がコールセンターにどのようなサービス品質を求めているのかを見てみます。
顧客がコールセンター全体に求めている品質のなかで、最も多いものは「常に最初の電話でつながること」です。つまり、多くの顧客に不満な気持ちを与えてしまわないためには、応答率をできるだけ100%に近づけていくことが必要となります。
一方、オペレーターに求めている品質では、「商品やサービスについて豊富な知識があり、スムーズに対応してくれること」が最も多く求められています。つまり、そのコールセンターが扱っている商品やサービスについて、オペレーターは専門性を高めていく必要があります。

これらの課題を一度に解決できるのが、オペレーターのマルチスキル化です。
マルチスキル化とは、簡単にいえばひとりのオペレーターが複数の業務をこなせるようになることです。コールセンターにおいては、顧客のコールリーズンに合わせてスキルセットを行い、システムによってそのコールリーズンを解決できるオペレーターへつなぐようにしています。マルチスキル化では、現状だとひとつのスキルセットにのみ対応しているオペレーターをふたつ以上のスキルセットに対応できるように育成していきます。

多くのオペレーターが複数のスキルセットに対応できるようになれば、「そのコールに対応できるオペレーターがいなくて放棄呼を出してしまう」、「担当者へつなぐために待ち時間が発生してしまう」という事態を防ぐことが可能となります。つまり、1回目の電話で対応可能なオペレーターへつながるということです。
そして、マルチスキル化に積極的に取り組んできたオペレーターであれば、商品やサービスについての専門性も高まっていると期待できます。つまり、顧客の疑問や不満を一度のコールで解決に導くことが期待できるのです。

多くのオペレーターがマルチスキル化することができれば、最低限の人的リソースで対応することができます。さらに、特定のスキル保有者へコールが偏った際にのフォローアップが可能になり、応答率が向上しますし、最初の通話で適切な対応・回答ができる確率が高くなり一次案件解決率が向上しますので、CSの底上げへとつながります。

マルチスキル化を進める際には、まずマルチスキル化によってどのような弊害が起こりうるかを把握する必要があります。考えられるのは、主に「一時的なコストの悪化」と「精神的な負担」です。

一時的にコストが悪化する原因には、トレーニングに時間を要することが挙げられます。マルチスキル化を目指すのであればそのトレーニングの時間が必要であり、その間の費用はコールセンターの運営費用に関わってきます。当然トレーニングしている間もコールに対応する必要がありますから、その間は人的リソースが不足し、放棄呼が増えることを防ぐため、増員することになります。
また、負担するスキルセットが増えるということは業務が煩雑になりやすく、ミスを誘発することも考えられます。負担する業務が増えるので、オペレーターには精神的な負担もかかることになります。さらに、もしマルチスキル化を目指す意図が共有されていなければ、不満や不安も生まれてきます。同様に、SVなど管理者へかかる負担も増加します。マルチスキル化にかかるトレーニング中はオペレーターにとって分からないことが発生しやすく、手上げやエスカレーションが増加すると考えられるのです。

このような弊害をできるだけ生まないためには、徹底して効率のよいフローを構築することが大切です。
フローの構築に必要なことには、たとえばコールリーズンの整理が挙げられます。まずどのコールリーズンが多く、どのコールリーズンで解決率が低いかなどを把握・分析することで、強化すべきスキルセット、現状維持でよいスキルセットを明らかにすることができます。そこから、どのオペレーターにどのスキルを身につけさせれば業務の効率化につながるのかが見えてくるはずです。
ほかには、マルチスキルへの段階的移行が挙げられます。大きな混乱を生まないであろうスキルセットの再編を先に行う、新しいスキルの飲み込みが早いオペレーターから先に実施するなどの取り組みにより段階的な移行が可能となります。

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常に高い品質の応対サービスを維持するために

マルチサイト化とマルチスキル化を進めていくことで、緊急事態に対するリスクヘッジができるとともに、応対品質の水準を上げてCSを高めることが可能となります。くわえて、スムーズにマルチサイト化・マルチスキル化を進めることができれば業務効率や人件費のロスを最小限に留めることもでき、ランニングコストの低減にもつながります。コールセンターのリスクヘッジやCS向上をお考えの際は、上記をご参考ください。

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