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コールセンター運営のポイント 第25回:オペレーターに必要な敬語と、実際に使用するときの塩梅

その25:顧客一人ひとりに合わせた応対とは

覚えればいいというわけではない敬語の難しさ

会社のCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)施策を成功に導くため、CS(Customer Satisfaction:顧客満足度)を高めていくのがコールセンターの主な使命のひとつです。CSを高めていくために、多くのコールセンターでは応対品質の向上を目標に掲げています。

応対品質を左右するさまざまな要素のひとつが、顧客と接するときの言葉遣いです。言葉遣いの良し悪しで顧客に与える印象が大きく変わることもあり、オペレーターは顧客一人ひとりに合わせた応対を求められています。
このような言葉遣いのなかでも、多くのオペレーターを悩ませているのが敬語です。敬語は覚えるだけならまだしも、それだけでは十分な応対品質につながるわけではない厄介なものです。ここでは、敬語の重要性に合わせ、実際に使用するときの塩梅についてご紹介します。

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敬語はオペレーターの必須スキル

コールセンターによって程度の差はあれど、正しい敬語を扱えることはオペレーターに必要なスキルだと考えられています。
なぜ必要なのかについてはさまざまな理由が考えられますが、ひとつには「声のみが顧客との接点だから」という理由が挙げられます。企業のCRMを形作る顧客接点のなかでも、店舗で顧客と顔を合わせるスタッフであれば、表情や仕草なども関わってくるため声の重要度は比較的落ちるといえます。もちろん、重要ではないというわけではありません。この点、コールセンターであれば声だけで顧客へ与える印象が決まってしまうため、正しい敬語がより重要となるのです。

ただ、敬語というのはシーンによって「適度な使い方」が異なります。たとえば、営業先で商談を行うシーンがあれば、そこではミスのない完璧な敬語が求められます。これに対して、コールセンターの場合は営業のケースと異なり、正しいだけの敬語では応対品質が高いとはいえません。

総合的な応対品質を高め、CRM施策の質を高めていくためには、ただ覚えるだけではなく「敬語を上手に使う」ことが必要となってきます。

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敬語一辺倒では不快感を与えることも

顧客と会話をする際に敬語を使うというのは、基本的なことです。とはいえ、就学中に本格的な敬語のトレーニングを受ける機会は少なく、多くのオペレーターはオペレーターになってから研修などを通して敬語の使い方を学んでいくことになります。そうなると、マニュアル的に敬語を使ってしまうケースが考えられます。

多くの応対においては、マニュアル的な敬語でもさほど問題はないといえます。しかし、敬語を話せるだけでは対応しきれないケースが発生することもあります。たとえば、年配の顧客などがフランクな言葉遣いで話しかけてくるケース。このようなとき、相槌に「左様でございますか」と極端に丁寧な言葉を使ってしまうと、相手は自分とオペレーターとの間に温度差を感じてしまうはずです。

もし顧客に温度差を感じさせたとなると、コールセンターに対する信用が得にくくなります。顧客は「他人事だと思われている」と感じるかもしれませんし、場合によっては丁寧すぎる対応に不快感を覚えることも考えられます。
上記のようにある程度フレンドリーに話してくる顧客に対しては、「そうだったんですね」など、臨機応変にくだけた言葉遣いをすることも大切です。そうすることで、親近感を持ってもらえることもあります。

難しいのはクレーム対応のときですが、ある程度見分ける方法はあります。顧客の怒りが冷静さを失っているレベルであれば、くだけた言葉遣いが怒りをさらに煽ってしまう可能性が考えられます。その際は、丁寧な言葉遣いで顧客の話に傾聴することが大切です。一方、顧客の話し方が「自分の気持ちを分かって欲しい」というものであれば、丁寧な言葉遣いでは温度差を感じさせてしまうと考えられます。その際は、くだけた言葉遣いで対応したほうがよいといえます。

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正しい言葉遣いが仇となるケースもある

敬語をきっちり使うにしろ、ケースバイケースでくだけた言葉を使うにしろ、コールセンターのオペレーターは正しい表現を徹底する必要があります。間違えた表現を使って顧客へ応対してしまうと、誤解を与えてしまう可能性があるからです。また、「この会社は言葉遣いがなっていない」と信用を失ってしまうことも考えられます。
なお、正しい言葉遣いをしているはずがかえってマイナスに働いてしまうケースも存在します。

たとえば、「明日」という言葉があります。「あした」、「あす」と読む言葉ですが、多くのコールセンターでは「みょうにち」と読むように指導されています。「みょうにち」のほうが丁寧な表現である、という判断があるからです。
しかし、「みょうにち」という言い方は馴染みが薄い顧客も多く存在するため、意味が判別できずに聞き返してくることが考えられます。「みょうにち」と読むことは知っていても、普段から使っていないとスムーズに聞き取ることが難しいのです。

文化庁が平成25年に公表した「国語に関する世論調査」からも、正しい言葉遣いがマイナスとなってしまう例が伺い知れます。
同調査にて、「世間ずれ」や「やぶさかではない」などの慣用句の調査がなされました。そして調査結果では、約半数の人が前述の2つの慣用句を誤った意味で認識していたと報告されています。また、その他の慣用句でも、誤った認識をしている層が一定以上存在することが確認されています。これらの調査結果から見えるのは、自分は正しい日本語表現をしているつもりでも、相手に勘違いさせてしまう可能性があるということです。

CRMにおいては、顧客の疑問や不満を解決することが大切。相手のほうが間違った認識をしているとはいえ、それで解決にはならなかったという事態は避けなければなりません。
上記のような誤解を与えかねない表現に関しては、できるだけ省いていくべきだといえます。SVなどが中心となり、コールセンター全体で省いたほうがよい表現を探してみてください。

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NG表現が多すぎることでオペレーターが困惑しないように

前項にて「誤解を招く表現は省いていくべき」ということを論じましたが、NG表現が多すぎると不自然な応対になりやすくなるという側面もあります。オペレーターに応対スキルを指導するときは、十分に注意する必要があります。

研修期間のオペレーターは当然ミスをしてしまうので、「この言い方は駄目」、「こんな言葉遣いは避けたほうがいい」というような「ミスを潰していく指導」が中心となりがちです。しかし、このような指導を受け続けると臨機応変の応対が難しくなり、顧客がマニュアルにない話し方をした際に対応できないことが考えられます。

たとえば、話の流れで「娘が子どもを産んだ」ことを話されるようなケースがあります。この場合、顧客のほうは何気ない雑談をちょっと聞いて欲しいという程度の気持ちでも、オペレーターのほうは「プライベートな話に入り込んでいいものか」と躊躇してしまう可能性があります。その結果、言葉に詰まってしまったり、本題のほうを急いでしまったりと、顧客の気持ちにそぐわない対応をしてしまうかもしれません。

とはいえ、コールセンターにおけるNG表現を少なくしていくというのは難しいことだといえます。コールセンターの方針として敬語を徹底していたり、コンプライアンスに厳しくしていたりすると、必然とルールも厳しくなっていくからです。
そこでNG表現が多いせいでオペレーターが困惑するというケースを避けるためには、その真逆、「よいコールやよい表現を褒める」という指導方法をおすすめします。

自分の応対を褒めてもらえればモチベーションが上がりますし、目指すべき言葉遣いや顧客に喜んでもらえる応対がハッキリと分かるようになります。言葉遣いや表現を指導する際は、マイナスを潰すのではなく、プラスを伸ばしオペレーターのスキルアップにつながるような指導を心がけるようにしてみてください。

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敬語を上手に使って顧客に寄り添う

以上のように、敬語を始めとする言葉遣いは「正しく使う」ことよりも「上手に使う」ことが大切です。ただ覚えるのではなく、顧客一人ひとりに寄り添い、問題の解決につながるような話し方をコールセンター全体で模索してみてください。そうすれば、必然的に高いレベルのCRMを実現できるようになるはずです。

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