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コールセンター運営のポイント 第49回:ナレッジマネジメントを活用し、コールセンターとして知識を蓄積する

その49:ナレッジマネジメントの活用とは

CRM(Customer Relationship Management:顧客満足度)の拠点を担うコールセンターの生産性を高める方法として、“ナレッジマネジメント”をご紹介します。ナレッジマネジメントはあらゆる業種において導入する意義があるとされており、コールセンター業務においても高い効果を期待することができます。ここでは、ナレッジマネジメントの概要、コールセンターにおいてナレッジマネジメントで解決することのできる課題についてご紹介します。

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今なお発展を続けるナレッジマネジメント

ナレッジ(Knowledge)には「知識」という意味があり、ナレッジマネジメントは企業の中で個々の従業員が持っているナレッジを企業の資産にしようという管理方法のことを指します。

業務に関わる知識は、主に2つに分けることができます。マニュアルなどの形で明文化されている“形式知”と、ノウハウという形で個々人に蓄積されている“暗黙知”の2つです。多くの実績を残している人やベテランは良質な暗黙知を多く有しており、「技は見て盗め」などと言われることがあるように、この暗黙知が重要視されてきました。しかし、多くの働き方が生まれてきたことにより、企業内で誰にでも共有することのできる形式知が重要視されるようになっています。

暗黙知であれば、その知識を持っている本人しか活用することができず、話を聞けばすぐに継承できるわけでもありません。しかも、暗黙知と形式知の割合は8:2であるといわれることもあり、多くの知識を暗黙知に依存している状態では企業や次の世代へナレッジを受け継がせていくことは難しいといえます。できるだけ多くの暗黙知を形式知へと変換し、蓄積していくことがナレッジマネジメントの目的です。

ナレッジマネジメントを導入する際に意識したいのは、「ナレッジの継承の高速化」、「再利用しやすさ」の2つです。継承の高速化というのは、いかに素早く暗黙知を形式知に変換できるかということ。暗黙知はそのままでも決して受け継がれにくいものではなく、有しているベテラン従業員と後輩従業員が長く仕事をすることで確実に継承されます。しかしこれではスピード感に難があるため、形式知に変換する意義があるのです。いかに効率的な仕組みを導入し、ナレッジの継承を高速化できるかが勝負だといえます。
そして、蓄積したナレッジを現場にスムーズに浸透させるために、再利用のしやすさにも気を配る必要があります。どの従業員も簡単に、自発的にナレッジを再利用できるようにするまでがナレッジマネジメントだといえます。

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コールセンターにおけるナレッジマネジメントの必要性

上記に紹介したナレッジマネジメントは、上手く運用すればどの業種においても高い効果を期待することができ、コールセンターにおいても同様のことがいえます。さらにいえば、コールセンターにおいてはナレッジマネジメント導入の恩恵がより大きく受けられる可能性が考えられます。

まず、コールセンターにおける離職率の高さという課題があげられます。CRMの拠点としてフロントに立つオペレーターはストレスにさらされることが多く、コールセンターはどうしても離職率が高い傾向にあります。つまり、それだけ多くのナレッジが流出していると考えることができます。ナレッジマネジメントを運用することで、個々の暗黙知を随時形式知に変えることができ、ナレッジの流出を抑えることが可能です。それ以前にナレッジマネジメントを活用することはオペレーターに形式知としての情報を提供できるようになるため、オペレーターの負担軽減にもつながり、離職率を低下させることも期待できます。ナレッジマネジメントで扱っている商品の情報があれば問いに対する円滑な回答ができますし、こんな言い方をしたら顧客を怒らせてしまったが、この言い回しならすんなり受けいれてもらえたという経験からの知識を管理すれば、クレームを未然に防ぐことも可能にできるのです。

そして、コールセンターにおけるナレッジマネジメントは初動に高い効果が期待できます。すべてのセンターがそうとは言い切れませんが、コールセンターにおけるコールリーズン(顧客の問い合わせの理由)は、「上位20%の事柄が全事例の80%を占める」というパレートの法則に従います。つまり、全コールリーズンの20%に対処することができれば、全コールの80%は解決されるというわけです。ナレッジマネジメントが上手くいけば、最初の20%で大きな効果が現れるはずです。もちろん、残りのコールリーズンに関しても少しずつにナレッジを蓄積していくことが大切です。

以下では、もう少し具体的にナレッジマネジメントによる改善効果をご紹介します。

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ナレッジマネジメントが解決できる課題

コールセンターにてナレッジマネジメントを導入すると、どのような課題が解決できるでしょうか。以下、3つのケースをご紹介します。

研修コストが高い

多くのコールセンターは企業においてコストセンターの位置づけとなっており、人件費が費用のうちの大きな割合を占めています。従って生産性を考える上では、研修コストが課題になるケースが多いといえます。新人オペレーターが十分な応対ができるようになるまでは一定の期間が必要であり、さらなるスキルアップのためには定期的な研修が不可欠です。また、研修フローが形骸化してしまうと、「同じミス」を防ぐことが難しくなります。

ナレッジマネジメントにより形式知が蓄積すれば、マニュアル化すべき部分を効果的にまとめることができ、研修フローをブラッシュアップすることができます。効率のよい研修は新人オペレーターの素早い・確実な理解を促し、成功事例や失敗事例をスムーズに共有することが可能です。多くのオペレーターが早く成長できれば、その分研修コストは削減されていきます。このとき、蓄積した形式知は再利用しやすく、「ここにナレッジがある」ということをオペレーターに広く認知させることが大切です。そうすることで自発的に形式知を吸収することができ、コールセンター全体の成長を加速させることができます。

同じミスを繰り返してしまう

ここでいう同じミスとは、業務フローに関わるミスではなく、顧客が求めているものを認識できていない状態を指します。
コールセンターはCRM施策の要であり、顧客の満足度を高めるためには最も重要なセクションですが、コールセンターだけでCRM施策を成し遂げることはできません。自社の提供する商品、サービスに潜む課題点を解決することができなければ、同じ問い合わせやクレームが減ることはないといえます。

顧客からいただいた意見はそれに関わるすべてのセクションに共有し、商品やサービスにフィードバックする必要があります。このために役立つのが、ナレッジマネジメントです。蓄積したナレッジをコールセンターだけでなく全社で共有できるように工夫すれば、ミスはどんどん減っていくことが期待できます。

現場とコールセンターとの齟齬

特に専門性を必要とする商品やサービスを取り扱っている場合、コールセンターのオペレーターだけで完結するのではなく、エンジニアなどの専門家に対応を引き継ぐことがあります。この場合、オペレーターが専門家と同等のナレッジを有することは難しく、齟齬が発生することがあります。たとえば、オペレーターが顧客からの話を聞いた際に「専門家による修理が必要」だと判断しても、実際にかけつけてみると専門家が赴くまでもなかった、というケースです。こういった齟齬は効率を著しく悪くするだけでなく、顧客満足度にも大きく影響するといえます。

こういった齟齬を完全に防ぐことはできないとしても、ひとつずつ形式知にしていくことで、オペレーターの判断の精度を高めることが可能です。

CRMのためのナレッジを蓄積

以上のように、ナレッジマネジメントは現代の経営において重要なマネジメントで、コールセンターにおいても高い効果が期待できるものです。ナレッジマネジメントは現在もさまざまな手法が開発されている分野であり、自社・自コールセンターに合った手法やツールを取り入れることが大切です。暗黙知をできるだけ多く形式知に変換するために、ぜひご参考ください。

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