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コールセンター運営のポイント 第52回:コールセンターでナレッジマネジメントを活用する具体的手法

その52:ナレッジマネジメントを運用するための手法とは

本コラム「ナレッジマネジメントを活用し、コールセンターとして知識を蓄積する」にて、ナレッジマネジメントがコールセンター運営やCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)施策において有効であることを論じました。本稿では、実際にナレッジマネジメントを運用するにはどのような手法があるかについて、マネジメントの流れとツールに分けてご紹介します。

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ナレッジマネジメントの基本

まずは、ナレッジマネジメントの基本的な内容について簡単にまとめてみます。

ここでいうナレッジ(Knowledge)は「知識」という意味を持ち、企業におけるナレッジは個人の持つスキルやノウハウなどの「暗黙知」、マニュアルなどの形で誰でも閲覧できる「形式知」のふたつに分けられます。かつては暗黙知のほうが重要視されていましたが、暗黙知では従業員間の継承が難しく、企業の資産にすることができる形式知に変換しようという機運が高まりました。この形式知への変換と、形式知を容易に再利用できるようにするのがナレッジマネジメントの基本です。

ナレッジマネジメントは現在もさまざまな手法が試されている段階のマネジメントで、企業に合わせて最適な手法を探していく必要があります。CRMの重要な役割を担うコールセンターでもナレッジマネジメントは効果的で、ナレッジマネジメントを導入することには大きな意義があるといえます。

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ナレッジマネジメントをコールセンターに浸透させるには

浸透することで、業務効率化・研修コストの削減・他部署との連携強化などさまざまな効果が期待できるナレッジマネジメントですが、きちんと浸透させなければ中途半端なまま放置されてしまいます。コールセンター内にナレッジマネジメントをしっかり浸透させるためには、以下のようなフローが効果的です。

まず必要なのは、経営者やコールセンター管理者などによるトップダウンのリーダーシップです。暗黙知から形式知への変換はある種の変革ということができ、トップが意思を示して導入を率先する必要があります。
変革というのは、これまでナレッジマネジメントが運用されてこなかった企業やコールセンターの場合、従業員が暗黙知を形式知に変換するのを嫌がるためです。たとえば、「このような流れで話すと顧客とのやり取りがスムーズになる」というノウハウを経験から学んだ場合、他のオペレーターにそのナレッジを共有すると、自分だけのアドバンテージがなくなってしまいます。また、ナレッジマネジメントでは失敗例についてもナレッジ化することが求められますが、自身の失敗はできるだけ隠しておきたいというのが自然な心理といえます。そもそも自分の知識を共有することが自分の業務のひとつであると従業員一人ひとりの意識を変えるためには、トップダウンによる強いリーダーシップが必要となるのです。

次に必要なのは、ナレッジマネジメントをコールセンターの風土レベルにまで根付かせるための制度の変更です。トップがナレッジマネジメントの意義を説明すれば、最初は面白く感じていろいろなナレッジが集まるかもしれませんが、ナレッジマネジメントは長期的に続けられなければなりません。オペレーターの人事評価の制度を変えることで、自然にナレッジを共有する文化が根付く可能性があります。

上記で述べた「自分だけのアドバンテージを教えたくない」「失敗を報告すると評価が下がるのではないか」といったナレッジマネジメントの壁は、評価制度が整っていないから生じる問題だといえます。以下は単純な例ですが、ナレッジを共有することに対してプラスの評価を設けると、自発的な共有を促せるようになります。また、個人の評価にグループの評価も加えるという方法もあります。こうすれば、ナレッジを共有してグループの業績が上がると自分の評価も上がるので、チームワークの醸成にも役立ちます。

同時に進めたいのが、ナレッジマネジメントを推進するナレッジマネージャーを置くことです。責任を持って進める立場の人員を置くことで、コールセンターに合ったナレッジマネジメントの選定・導入、使いやすいシステムの構築・改良を継続的に進めることができます。

ナレッジマネジメントを浸透させる上で、システムの使いにくさは障害となります。自発的に利用しようというオペレーターが減るだけでなく、義務化した場合にIT格差が大きく出てしまう可能性があるためです。ナレッジを共有しやすく、また再利用しやすいシステムやフローをナレッジマネージャーが中心となって整えていく必要があります。
また、効果測定を行う上でもナレッジマネージャーの役割は大きいといえます。ナレッジマネジメントを行うからには、どのように変わったかをできるだけ定量的に示す必要があります。加えて、どれだけプラスになったかをオペレーターへ周知することができれば、モチベーションの向上にもつながります。

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ナレッジマネジメントを効率よく進めるツール

ナレッジマネジメントには、ナレッジを蓄積していくためのツールが不可欠です。ここでは、特にコールセンターで活用できそうなツールについてご紹介します。

FAQ(Frequently Asked Question:よくある質問)は、コールセンターの要となるナレッジマネジメントツールだといえます。FAQをどんどん整備していくことで、オペレーターが電話応対時に素早く検索して業務の質を上げることが可能となります。FAQには多くのナレッジが蓄積されていることも求められますが、顧客と話しながらも素早く検索できるためには整理が行き届いていることも必要です。また、誰もが簡単に扱える操作性も重要となります。

オペレーター一人ひとりが使うツールの数は、少ないほうが効率的です。このことを考えれば、主に顧客応対中に使用するFAQはCRMシステムに統合されているのが望ましいといえます。たとえば、enjoy.CRMⅢであればFAQによる回答支援機能が付随しており、オペレーターの視認性を高めるコールパレットという独自のインターフェイスにより操作にかかる労力を削減しています。また、enjoy.CRMⅢでは、FAQの内容を回答として実際に引用した回数をカウントし有効度を測る機能や、オペレーターからこの事例をFAQ化したほうがよいと管理者に推薦する機能などが備わっており、コールセンターにおけるナレッジマネジメントとしては有効なツールのひとつといえます。

他には、社内チャット、電子掲示板、会議室機能、ドキュメント管理などさまざまな機能が集約されたグループウェアがあります。コミュニケーションやタスク管理が主な目的とされていますが、カスタマイズ次第でナレッジマネジメントツールとしても強力な機能を発揮することができます。

ナレッジの再利用、つまり各オペレーターが欲しいナレッジを閲覧することに重点を置くなら、エンタープライズサーチがあります。エンタープライズサーチとは、その組織内にあるあらゆるデータを一括で検索するもので、複数のサイトやデータベースなどを横断的に検索することができます。エンタープライズサーチの最大の利点は、ひとつの検索システムを使うだけで組織内にあるすべてのデータにアクセス可能な点にあります。エンタープライズサーチを効率的にカスタマイズすることで、効率のよいナレッジマネジメントを構築することが可能です。

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ナレッジマネジメントを効果的に運用して成長につなげる

ナレッジマネジメントの具体的な流れや、実際に使用するツールについてご紹介しました。ナレッジマネジメントは、ただ導入しただけでは形骸化してしまう可能性があるため、導入するなら継続的で従業員に協力してもらえるような取り組みが必要です。ナレッジマネジメントを効率的に運用して、コールセンターの成長につなげましょう。

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