コンタクトセンター向けクラウドCRM enjoy.CRMⅢ

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コンタクトセンター運営のポイント 第50回:オペレーターがぜひ身につけたい5つのトークテクニック

その50:応対スキルを高めるトークテクニックとは

コールセンターのオペレーターが応対スキルを高めていくには、練習と経験を積んでいく必要がありますが、効率的なスキルアップのためにはある程度確立されたトークテクニックを取り入れることも効果的です。一般的に有効とされているトークテクニックを学ぶことは、練習の質を上げることにつながります。ここでは、代表的な5つのトークテクニックについてご紹介します。

顧客の「分かってほしい」に応える「復唱」

1つ目は、復唱です。CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)施策の重要な役割を担うコールセンターでは、顧客の課題を解決するためにまずは顧客から好感を持っていただく必要があります。復唱はバックトラッキングとも呼びますが、オペレーターが顧客から好感を持っていただくために効果的なトークテクニックです。

復唱するというのは、簡単にいえば相手が口に出した内容をオウム返しのように繰り返すことをいいます。もちろん、本当にオウム返しのようにするのではなく、効果的なタイミングで相手の言葉を繰り返します。そうすることで、相手は「自分のことを分かってもらえている」と感じることができるのです。復唱は、「私はあなたに共感していますよ」ということを伝えるための手法であるといえます。

好感度を高め、顧客との距離を縮めるだけでなく、復唱には相互認識が正しいことを確認する効果もあります。顧客はいつも要望を正しい形で話すというわけではなく、ときには話が分かりづらいこともあります。「このような内容だろうか」と思って繰り返すことで、顧客との認識を合わせることが可能です。

復唱では、ただ言葉を繰り返すだけでなく、顧客の話を要約して返すことでさらに高い効果を発揮します。分かりやすく要約して課題をはっきりさせることで、顧客は要件が相手に正しく伝わったことを認識することができ、心理的に余裕を持つことができるようになるのです。もちろん、はじめからきれいにまとまった要約をするというのは容易ではありません。まずは大切だと思うポイントで言葉を繰り返すだけでも、そうしないのとは大きな違いが感じられるはずです。

相手の話を傾聴するための「豊富な相づち」

復唱へ至るまでの間は、顧客の声を聞くフェーズになります。コールセンターの電話応対において、顧客が話している間は、顧客の意見や要望などに真摯に耳を傾ける「傾聴」が大切です。傾聴の際には相手の話を理解するだけでなく、相手にも「聞いてもらえている」と安心してもらえることが必要です。そのために効果的なのが、相づちのバリエーションを多く持っておくことです。これが2つ目のテクニックです。

極端にいえば、「はい」という相づちを繰り返しているだけだと、「片手間に聞いているのではないか」と相手に不信感を与えることになります。「なるほど」「もっともです」「確かにそうですね」など、単純に相づちのバリエーションを増やすだけでも顧客に「ちゃんと聞いている」ことを伝えることができます。もちろん、話の流れに適切な相づちの選択や、上手く要約して返す復唱を行うことで、その効果はさらに増していきます。

中長期的な付き合いを大切にする「ザイアンスの法則」

CRM施策では、できるだけ多くの顧客を囲い込み、長く付き合いを続けていただけるように努力する必要があります。先に述べた復唱がコール一つひとつにおける短期的なテクニックだとすれば、「ザイアンスの法則」は、顧客との中長期的な関係性を重視した考え方です。

ザイアンスの法則は心理学的な法則のことで、アメリカの社会心理学者が提唱したものです。人は他人と接触を重ねるうちにだんだんと警戒心が解けていき、やがて親近感を感じるようになるというのがザイアンスの法則です。家族や長年の付き合いがある友人に対しては、人は優しく寛容になれますが、出会ったばかりの他人だと同じようにはいきません。

このザイアンスの法則の考え方は、CRM施策に応用することができます。ザイアンスの法則は「単純接触効果」とも呼ばれ、たとえ争っている状態だとしても接触の回数によって好感度は高まっていくとされています。つまり、顧客との接触回数を増やすことが、顧客との距離を縮めるための近道だということです。

もちろん、何事も“過ぎたるは及ばざるが如し”で、闇雲に接触してもよいというわけではありません。顧客の性格や「どんな情報が役に立つか」などを考えながら、折り返しの電話やメールでの案内などを通して接触していくことが大切です。

ザイアンスの法則を営業さんに適用するのであれば適宜訪問することになりますが、コールセンターでは直接顔を合わせるわけではありませんので、トークテクニックへ落とし込む方法を考える必要があります。ここで3つ目のテクニックとして、同じ顧客との2回目以降の接触時に「前にも話した」ことを伝えるというものがあります。コールセンター業務となると顧客と直接顔を合わせる機会はほとんどなく、また、同じオペレーターが応対するとも限りません。しかし、顧客データベースにおける過去の応対履歴を参照することやIVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)により前回対応したオペレーターにつなぐなど、コールセンターシステムを活用することで、2回目以降の接触を演出することができます。企業の代表者として電話口に出なければならないことはオペレーターの負担になることもありますが、ザイアンスの法則においては、接触の回数を積み重ねられるアドバンテージとなるわけです。

親近感を持ってもらうための「自己開示」

電話口での応対であるコールセンター業務では、オペレーターは企業の代表者として認識される傾向にあり、表情を見ることのできる対面に比べて親近感が持たれにくいといえます。そこをカバーするための4つ目のテクニックとして、自己開示することで共感を示すということがあります。

ここでいう自己開示とは、オペレーター個人のバックグラウンドや経験を織り交ぜていくということです。たとえば、自分にもこんなことがあったというようなエピソードを話すことで、顧客からは人間味が一気に増したように感じられるはずです。コールセンターによっては、トークスクリプトやセンター内のルールによってオペレーターの自由度に差がありますが、ある程度柔軟な応対を任せることができればCRM施策として高い成果につなげることが可能となります。

「笑顔で話す」ことで声に表情をつける

コールセンターの電話応対において、顧客に伝わるのは声だけでオペレーターの表情までは伝わりません。しかし、声にもある程度の表情が乗るため、話し方によってはオペレーターの気分が顧客に伝わってしまうことがあります。つまらない顔をしながら応対をしていると、ハキハキ話しているつもりでも顧客に不快感を与えてしまう可能性があるのです。

電話応対においては、笑顔で話すことで声にも「笑顔で話している」ようなニュアンスが宿ります。これが5つ目のテクニックです。そのような声は顧客に安心感を与えることができ、課題の解決をスムーズに進めることも可能となります。 また、人は自分の表情に感情のほうが引っ張られる傾向があるため、作り笑顔を浮かべていることでオペレーター自身のストレス緩和につながる効果も期待できます。

このポイントにおいて他に注意すべきは、話しているときの姿勢です。背中を丸めているときはお腹から声が出ないため、電話口だと聞き取りづらい声になってしまう可能性があります。総じて、実際に顧客を目の前にして応対するような気持ちでコールに臨むことが大切です。

トークテクニックでコールセンターの質を底上げ

CRM施策をスムーズに進めていくためには、オペレーター個々人のスキルアップが必要です。上記のようなトークテクニックを導入することで、ただ経験を積むよりも速くスキルアップを図ることができます。コールセンターの質をさらに上げるために、ぜひコールセンター単位での導入をご検討ください。

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