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コールセンター運営のポイント 第12回:クレームを上手に対応するための「要約」と「比較」

その12:クレーム対応の基本とは

「急がば回れ」がクレーム対応の基本

コールセンターではしばしば、多くのコール数をこなすことが求められます。CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)を高いレベルで進めていくためにはいくつかの目標設定の仕方があり、そのなかのひとつに「呼損率を減らすこと」があります。放棄呼をなくすことで電話をかけてきた全ての顧客に対応できることになり、CRMの改善になると考えられているからです。

しかし、一つひとつのコール時間を少なくすることはかえってコールセンターの不利益となる危険性もはらんでいる、という点に気をつけなければなりません。その最たる所以は、クレーム対応です。クレーム対応のシーンでは電話をしてきた顧客が怒っていることが多く、オペレーターとしては萎縮してしまい、とにかく素早く答えを出してしまうということが考えられます。しかし、そうすると顧客が求めているものとは見当違いの回答をしてしまう可能性が高くなります。
急がば回れ、がクレーム対応の基本で、質の高いCRMへの近道です。以下、コールセンターにおけるクレーム対応の基本的な流れ、そしてクレーム対応の際に活用できる2つの話し方について紹介していきます。

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お客様の求めていることに対応する

コールセンター業務のなかでも、たとえば登録の案内などはとてもシンプルです。登録の仕方がわからない顧客が電話で登録方法を尋ね、オペレーターは正しい手順を教えます。
クレーム対応も基本は同じで、お客様がコールセンターに求めていることに対応することが大切です。

クレームの電話をかけてくる顧客は、自分がどう不満に思っているのか「話したい」欲求を持っていると考えられます。そのため、「デジカメが壊れてしまったのですが」とコールセンターへ伝えた直後に「では、新しいものとお取り替えいたします」といきなり話を終わらせられては、気持ちの収まりがつかなくなってしまいます。あるいは、その顧客がコールセンターに求めていることはデジカメの交換ではなく、オペレーターは的外れな対応をしてしまっているかもしれません。そうなるとさらに大きなクレームに発展してしまう可能性もあり、CRMとしては失敗となります。

クレームの電話をいただいたら、まずはお詫びの言葉を述べるのが基本中の基本です。このとき、「大変お困りだったと存じます」など相手の心情に配慮する言葉を添えると、こちらの申し訳ないという気持ちが伝わりやすくなります。顧客の視点に立つのがCRMであるため、相手の気持ちになって考えることが大切なのです。
そして、顧客に話したいことを話してもらいつつ、できるだけ感情に影響されない「事実」を聞き出していきます。どのような原因で不都合があり、どのように困っているのかを知ることができれば、顧客の求めている最適解を提示することが可能となります。お互いが問題を齟齬なく共有することが、CRM戦略においては非常に大切です。
問題が解決されれば、再度お詫びの言葉を述べ、電話をいただいたことに対する感謝の気持ちを伝えます。
以上はあくまで基本的な流れの一例ですが、以上のように丁寧な手順を踏むことによりスムーズなクレーム対応が可能となります。

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顧客の話を「要約」して返す

クレームの電話をかけてきた顧客はその他の顧客と比べ、コールセンターのオペレーターとの心の距離が離れている状態だと考えられます。そのためこちらが誠心誠意対応している「つもり」でも、顧客にわかってもらえない可能性が出てきます。これではCRMに活かすことができません。心の距離を縮めるためには、話を「要約」して返すことが有効だとされています。

顧客の話を要約して返すことができれば、3つの効果が期待できます。ひとつは、こちらが話を理解していることを相手へ伝えられるという点。もうひとつは、顧客とコールセンターの間に認識の齟齬が発生するのを防止できる点。そして最後に、時間を短縮できるという点です。どれもCRM戦略上、大切な効果です。
特にここで取り上げたいのは最初の点で、上手く話の内容をまとめることができれば、「この人はこちらのいいたいことがわかっている」と相手に思ってもらうことができます。そうすると心の距離が縮まり、コールセンターとして伝えたいことも顧客へ伝わりやすくなります。

具体的には、「上位語」と「下位語」の関係性に注目することが効果的です。
下位語は上位語の具体例です。たとえば「ネコ」が下位語であれば、「哺乳類」は上位語となります。また、「哺乳類」が下位語であれば、「動物」は上位語となります。

クレーム対応の際は特に、相手の下位語を上位語で返すことが大切です。たとえば店舗の店員の対応が悪かったというクレームであれば、このような対応をされた、といった話をまとめて「ぶっきらぼうな対応がお気に障られたのですね」と返すのです。このような場合は「ぶっきらぼう」の部分が相手の下位語を上手くまとめた上位語になっている必要があり、クレームの内容によっては「過剰な」、「声の小さい」などが当てはまる場合もあります。こうすることで相手は話を進めやすくなり、CRMは成功しやすくなります。

上位語で返すのとは逆で、相手の抽象的な話を具体的な下位語で返すことも有効です。コールセンターに電話をかけてくる顧客は、伝えたいことがあっても、その内容を上手くまとめることができていないことがあります。なんとなく「店員の対応がこんな感じだった」という主張であれば、「たとえばこのようなことを言われたのですか?」といったように具体例を提示すると、相手は得心できる可能性があります。その具体例が外れだったとしても、それを聞くことによって伝えたい内容がまとまるかもしれません。

以上のように、「つまり何を伝えたいのか」という要約、あるいは「たとえばどんなことがあったのか」という具体例の提示があれば、顧客は「自分のことをわかってくれている」、「自分のために考えてくれている」と感じることができます。こういった話し方が顧客の不満解消につながり、質の高いCRM施策となります。

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クレームと対案を「比較」してわかりやすくする

クレームを受けたときには顧客の要求するとおりに対応できることもありますが、そうはいかずコールセンターや会社側が定めたルールに納得してもらわなければならないこともあります。その場合でも、顧客の視点に立つというCRMの基本に沿い、できるだけわかりやすく説明することが大切です。
その際、同じ内容を説明するのにもより伝わりやすい方法というものがあります。そのうちのひとつが、「比較」して話すことです。

たとえば顧客の要求に添えないとき、「申し訳ありませんが、そのようにすることはできません」といきなり否定してしまうと、たとえ言葉づかいや声のトーンが丁寧だとしても相手には拒絶感が残る可能性があります。そうなると、納得するしかないのだとわかっていてもしぶしぶ引き下がることになり、顧客は「不満納得」の状態になります。クレームが不満納得で終わった顧客の8割以上は二度とその会社の商品やサービスを利用しないといわれており、CRMとしては失敗だといえます。
仕方なく顧客に納得してもらわなければならない場合は、上記のようにいきなり否定するのではなく、比較を行います。顧客の主張や要求をA、コールセンターが提示したい対案をBとし、「おっしゃるとおりだと思いますが、Aだとこうなり、Bだとこうなります。そのためBとなっています」などのように論理的に伝えるのです。どうして自分の要求が通らないのかがわかれば、顧客も納得しやすくなり、CRMとして前向きな結果に落とすことができます。

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CRMは丁寧さが素早さにつながる

コールセンターへ寄せられてくるクレームは、実際に対応するオペレーターからすると厄介なものに思えるかもしれません。しかし、上記のように丁寧に対応することによっていち早く納得してもらえる可能性が高くなります。きちんと納得してもらえればコールセンターや企業への信頼にもなりますし、いただいたクレームを活かして改善活動を行うこともできます。CRM改善のため、上記に紹介した「要約」と「比較」の話し方もぜひご参考にしてください。

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