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コールセンター運営のポイント 第27回:ESの向上を目指すことでCSも相乗的に向上していく

その27:CSの向上につなげるためには

ESの向上が重要

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の視点に立ってビジネスを展開していく際、顧客との重要な接点であるコールセンターは大きな役割を担います。そのため、コールセンターでは高いCS(Customer Satisfaction:顧客満足度)を得ることが重視されています。これはスタンダードな考え方であり、多くのコールセンターでCSの向上が目指されています。しかし、ES(Employee Satisfaction:従業員満足度)については十分な施策を講じられていないコールセンターが多くあるのが現状です。

CSを向上させるために大切な考え方のひとつが、「ESなくしてCSなし」というもの。いくらCS改善のための施策を行っても、働くオペレーターのモチベーションが上がらなければ十分な効果を得ることはできない、ということです。
ここでは、ESを向上させることでどのような効果が得られるのか、具体的にはどのような施策を行えばいいのかについてご紹介します。

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ES向上で離職率が下がり、応対品質が上がる

多くのコールセンターを悩ませているのは、離職率の問題です。コールセンターは全体的に離職率の高い業界といわれており、オペレーターだけでなくSVの離職率も高いとされています。
従業員の入れ替えが激しいと、当然、オペレーターの高い応対スキルの醸成はできません。さらに、新規にオペレーターを採用すればトレーニングの費用もそれだけかかってしまうため、余計にトレーニング費用が必要な状況も生みやすくなります。

コールセンターの離職率が高い原因は、その業務のハードさにあるとされています。顧客の応対、とりわけクレーム対応においては精神的な負担が大きく、それを理由に辞めていくオペレーターは少なくありません。
しかし、理由はそれだけではありません。たとえば、コールセンターに対する不満が募って辞めていくパターン、仕事に対するやりがいが感じられなくて辞めていくパターンなどが考えられます。業務がハードなのはある程度仕方がないにしても、その他の部分でフォローができればESが向上し、多くのオペレーターが働き続けてくれると期待できるのです。

また、ESを高めることは応対品質の向上にもつながります。働く環境に満足していれば、オペレーターは顧客の応対業務に前向きに取り組めるようになります。嫌々ながら取り組む場合と率先して取り組む場合を比べたとき、仕事の質に差が出てくるのは自明のことです。
これらの理由から、ESの向上がコールセンターにとって重要であることが分かります。

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ES向上がどうしてCS向上につながるのか

ESの向上を考えるとき、真っ先に福利厚生を充実させることを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。確かに、福利厚生を充実させることもESの向上には大切なことですが、CSの向上につなげるという観点から見れば直接的なものではありません。
CSの向上につなげるためには、働きがいの部分でESを高めていくことが大切です。

なぜ自分たちはオペレーティング業務を行っているのか、この業務をこなすことでどのような人たちにどのような影響を与えられるのかといったことが理解できれば、オペレーターは自らの仕事に誇りを持ち、積極的に取り組んでいけるようになります。
ESの高いコールセンターのなかには、SVなどの管理者がすべての施策を取り仕切るのではなく、オペレーターが率先して「CSを上げるためにはどうすればいいか」というミーティングを開くところもあるといいます。業務改善のために自分たちで動くことのできる、自己解決力のあるオペレーターがいるコールセンターは、CSも自ずと高くなることが考えられます。

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ES向上のための具体的な施策例

ESを高めることでCS向上をも見込めることは、上記のとおりです。では、ESを高めるには具体的にどのような施策が効果的でしょうか。以下に、いくつかの例をまとめています。

正しく評価されること

コールセンターに限らず、自分の仕事が正しく評価されないことは不満につながります。オペレーターを正しく評価し、それに見合った報酬・処遇を与えることが、ESの向上に大切なことのひとつです。
そのためには、誰から見ても分かりやすい評価基準を設けることが大切です。また、評価の流れに透明性を持たせ、どういうふうに評価されているかが見えやすくすることも重要なことだといえます。
評価に応じて明確なキャリアパスを設定することも、ES向上のためには有効です。

自社の商品やサービスを知ってもらう

コールセンターで問い合わせを受けるためには、その商品やサービスについてのプロフェッショナルである必要があります。そのため、初期研修にてその説明があるのが一般的ですが、あくまで説明に留まっているのが多くのコールセンターの現状です。これではプロフェッショナルとはいえず、オペレーターは自信をもって業務に取り組みづらいといえます。

オペレーターの意欲を増すために、コールセンターによっては、割引したうえで自社商品を購入できるという制度を設けています。その商品を実際に自分で使い、使い心地を実感することで、オペレーターは顧客の気持ちを理解しやすくなるというわけです。実際の応対ではより具体的な説明が可能となり、顧客に満足してもらえるようになるので、職務に対する責任感や充実度が増していきます。
このように、自社の商品やサービスをオペレーターが体験できる仕組みがあれば、ES向上につながるといえます。

施設面

設備面を改善することも、ES向上につながるといえます。
ここで注意したいポイントは、設備投資をしたからESが向上する、という比例関係は考えにくいということです。たとえば、多くのオペレーターが求める施設面への要望に、休憩室を設けることがあります。そのため休憩室があればオペレーターのモチベーションも上がることが予想されますが、意見を聞かずにただ用意しただけでは形だけの休憩室になってしまう可能性があります。オペレーター個々人の要望が反映されていなければきちんと休めるスペースにはならず、片手落ちに終わってしまうというわけです。オペレーターからヒアリングした内容が反映されていれば、ブースの近くにささやかながらも休憩スペースが設けられるほうがES向上につながることもあります。

施設面の充実では、ほかに駐車場や託児室の設置などが挙げられます。こうすることで、車通勤を希望するオペレーターや子どものいるオペレーターが働きやすい環境にすることができます。
いずれにしても、「これがあればきっと嬉しいだろう」という考えではなく、働いているオペレーターの要望を汲みとっていくことが大切です。
要望を汲み取った対応を施すことで雇用側に対する信頼感が生まれますし、働きやすい職場環境を作ればオペレーターの定着化が期待でき、スキル向上からCS向上へつながる期待ができます。

適切なES調査を行う

「施設面」の項目でも少し触れたことですが、定期的にES調査を行うこともESの向上には大切なことです。ESを向上させようにも、どこを改善すればいいのか分からない状態では手がつけられません。現場の声をどのくらい正確に反映できるかが、ES向上の鍵となります。

ES調査の際に気をつけるべきポイントは、「満足度」だけではなく、その項目の「重要度」についてもスコアリングし測定することです。
満足度を測定すると同時に、重要度で該当項目の改善が早急の問題かそうでないかを問いかけます。たとえば、ES調査の際に満足度が低く重要度が低いもの、満足度が中程度で重要度が高いものがあったとします。
このとき従業員が不満に思っているのは満足度の低い前者ですが、では前者の改善から着手すべきなのかというとそうではありません。前者は重要度も低く、従業員は早急な改善を求めているわけではないことがわかるためです。つまり、この場合に優先すべきは重要度が高く改善の余地がある後者で、前者は後回しにするべきだといえるのです。

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一人ひとりがコールセンターの品質を上げていく

会社のCRM拠点としてコールセンターが機能するためには、CSを上げていくことが大切です。CSを向上させるためには、上記に紹介したようにESの向上が必要です。ESがしっかり向上していけば、管理側が「CSを上げよう」と声高に叫ばなくても、従業員が主体となってCSを向上させていきます。そういった流れができているコールセンターは、非常に優秀なセンターだといえます。

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