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コールセンター運営のポイント 第24回:増加する高齢者の問い合わせに対応するためには

その24:コールセンターにおける高齢者事情とは

超高齢社会に対応していく必要性

人口の高齢化は世界的に広まっていますが、なかでも日本は飛び抜けて高齢化率が高く、総務省は超高齢社会に突入していると発表しています。平成25年版情報通信白書によると、2015年の高齢化率推計値は26.8%。人口の4人に1人以上が高齢者となっており、この割合は今後も増加していくとみられています。

コールセンターにおいても、高齢者からの問い合わせが増加しています。高齢者への応対はそれ以外の顧客への応対とは異なる部分が多く、対策に苦慮しているコールセンターも少なくありません。現状の生産性を維持したまま高齢者への対策を打っていくことは困難ではありますが、今後も増えていくのであれば必要な対策だといえます。
ここでは、高齢者への応対はどう工夫していけばいいのか、その方法をご紹介します。

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コールセンターにおける高齢者事情

まずは、高齢者からの問い合わせが増えたことによるコールセンターの事情をもう少し詳しく見ていきましょう。

2014年に行われた調査によると、電話での問い合わせを行っている人のうち、実におよそ4割が60歳以上の高齢者であるとされています。この割合は、20代から50代の各世代の割合を大きく上回るものです。また、コールセンターによっては入電の7割弱が高齢者であるというケースもめずらしくありません。これらのことから、人口の高齢化に比べ、コールセンターでは顧客の高齢化がさらに進んでいるといえます。
なお、高齢者からの問い合わせが増えているというだけではなく、高齢者からのクレームも増加しているとされています。具体的には、「こちらの話をなかなか聞いてもらえない」、「途中で突然怒りだしてしまう」などの悩みを多くのオペレーターが感じています。なかには、「不良品が生まれてしまった経緯をまとめ、報告書にして欲しい」という非常識に思えるクレームもあるそうです。

非常識なクレームはどの年齢層にもありうるとしても、高齢者からのクレームは「高齢者だから仕方がない」ものなのでしょうか。
この問題は、一概にそうとはいえないものです。コールセンター側の対策により、大きく改善されることもあります。

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身体面への配慮

コールセンターは、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)施策において重要な拠点だといわれています。CRMとは、顧客の視点に立ち、顧客の気持ちになって考え、商品やサービスを提供すること。つまり、CRM施策を実現していくためには顧客接点の働きが重要となります。コールセンターは代表的な顧客接点のひとつであることから、重要な拠点だとされているのです。
つまり、問い合わせてくる顧客層が高齢者寄りになってきたのであれば、そこに対応していくのが責務だといえます。

コールセンターが行える対策には、まず身体面への配慮が挙げられます。
高齢者の応対をするオペレーターの悩みのひとつに、「聞き返しが多い」というものがあります。身近にいる高齢の方との会話からも容易に想像できるように、これは聴力が衰えてしまったことによる事象だと考えることができます。

聞き返しのほかにも、聴力の衰えによるトラブルはいくつか考えられます。たとえば、前項にて例に挙げた「こちらの話をなかなか聞いてもらえない」は単に聞こえていないだけかもしれませんし、「途中で突然怒りだしてしまう」はこちらの言葉を聞き間違えてしまった結果かもしれません。
もし、声などから相手が高齢者だと分かっているのにその他の顧客と同じように応対しているのであれば、このようなトラブルは発生してしまうものだといえます。

高齢者向けの応対が必要かどうかは、顧客の話す声やスピードなどから判断することができます。上記の「聞き返しが多い」ことに加え、こちらの問いかけからの沈黙が長い、こちらの言葉を聞かずに話を進めてしまうなどが判断基準です。

顧客が聴力に不自由な高齢者だと判断したら、通常よりゆっくりと話す、言葉と言葉をハッキリ区切って話すなどの変化をつけるようにしましょう。そうすることで聞き返しなどのトラブルを防ぐことができ、高齢者からの問い合わせを短時間で終わらせられるばかりか、顧客満足度を高めることにもつながります。まさに急がば回れなのです。
こうした対応は、「ではそうしましょう」とするだけでは難しいといえます。たとえば、高齢者への応対が必要だというマインドセットのための研修を受けてもらうことで、オペレーターの応対品質を高めていくことができます。また、具体的な応対スキルを磨くための研修、高齢者を想定したロールプレイングなども効果的です。

研修内容の一例として、高齢者体験ができるグッズを導入するという方法があります。高齢者の耳の聞こえ方を体験することができれば、オペレーターは高齢者の気持ちに寄り添い、自然と丁寧な応対を心がけるようになるはずです。なお、耳だけでなく目の見え方や体の動き具合も体験できれば、商品の使い方のサポートをする際などに気をつけて説明すべき点が見えてくるようになります。

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気持ちの面への配慮

高齢者からの問い合わせとそれ以外からの問い合わせでは、動機に違いがあります。何か解決して欲しい問題があるから電話をかけてきている、という面は変わりませんが、高齢者の場合は「誰かとお喋りをしたい」という気持ちが含まれていることも多くあります。

コールセンターによっては「どうしても生産性を追わなければならない」という事情があるかもしれませんが、高齢者からの問い合わせに関しては「きちんと話を聞く」ことを基本姿勢にすべきだといえます。
理由は、ふたつあります。ひとつは、顧客の気持ちになって考えるのがCRMなのであれば、高齢者の話にも耳を済ませることが質のよいCRMにつながるからです。きちんと話を聞くことは顧客満足度の向上にもつながるため、企業のブランディングとしても効果があります。
もうひとつは、きちんと話を聞くことが要件の特定につながるからです。他愛のない話をしているように思えても、そこから顧客の要件が読み取れることがあります。要件を急かしてしまっては、かえって顧客の機嫌を損ねてしまい結局通話に時間がかかってしまうかもしれません。

もちろん、顧客が話したいだけ話させるべきということではありません。顧客の話に傾聴しながら状況を察し、適宜質問を投げかけ、顧客の抱える問題をできるだけ素早く特定させることが大切です。

できるだけ素早く要件を特定するには、上記のような研修が必須です。すでに述べた「ゆっくり、ハッキリ話す」というスキルに加え、こちらの言いたいことが伝わりやすい話し方や高齢者の理解しやすい言葉選びを習得することで、要件の特定が素早くなります。また、対話コントロールのスキルを磨くことにより、話の大きな脱線を防げるようになります。このようなスキルを身につけることで、顧客満足度を向上させつつ平均通話時間を短縮することが可能になります。

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コールセンターの担える役割は大きい

IT化が進み、インターネットを用いたサービスが高度化すればするほど、機械に疎い高齢者は置き去りにされてしまうことが懸念されます。そういったとき、顧客に寄り添って電話対応をしてくれるコールセンターは大きな役割を担える存在だといえます。上記のような対策を講じるには手間と時間が必要ですが、これからのコールセンターには必要な施策です。高齢者への応対能力を高めることをご検討ください。

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