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コールセンター運営のポイント 第34回:顧客の気持ちに寄り添うために意識したいこと

その34:顧客の抱える問題を解決するには

コールセンターのオペレーターは、顧客の抱える問題を解決することが仕事です。オペレーターによってはマニュアル頼りにならず、自ら考えて解決に臨みます。そのような積み重ねがCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)施策の成功へつながっていくわけですが、きちんと考えて顧客へ回答しているはずが、うまくいかないこともあります。
その場合、真に顧客の立場になって考えられているとはいえない状態かもしれません。顧客の気持ちに寄り添うためには、具体的にどのような点を意識すればよいでしょうか。ここでは、いくつかあるポイントの中から3つをご紹介します。

経験の差や知識量の差を考慮する

コールセンターはCRM施策の要であり、顧客との関係を良好に保っていくためには、コールセンターにて顧客の抱える問題をうまく解決してみせることが大切です。そのためには、顧客の立場になって考えることが大切ですが、これはかなり難しいといえます。なぜなら、顧客とオペレーターには“経験の差”、そして“知識量の差”があるからです。

顧客の抱える問題を聞いたとき、オペレーターはその重要度をどのように判断するでしょうか。オペレーター個々人、あるいはコールセンターの方針や風土によっても異なりますが、「よくある問題は重要度を低く考えてしまう」ということが可能性としてひとつ考えられます。頻繁に耳にする問題であれば、オペレーターはその問題に対して慣れがあり、無意識のうちに対応が淡白になってしまう可能性があるわけです。

しかし、それでもし対応が淡白になってしまうと、顧客はどう感じるでしょうか。不安な気持ちでいっぱいなのに、悩んだ末にコールセンターへ電話することを決めたのに、数ある問題のひとつとして処理された……と感じれば、よい気持ちにはなりません。また、自分の抱えている問題が多くの人もまた抱えているものだということは、顧客にとっては分からないことです。
自分の経験をベースに顧客へ応対していないか、オペレーターは常に考えておくべきだといえます。

そして、知識量の差についても注意をする必要があります。オペレーターはその会社が扱っている商品、サービスについてある程度の知識があるわけですから、すぐに解決されるような簡単な問題を軽視してしまう可能性があります。これもまた、顧客にとっては簡単な問題ではないわけです。すぐに終わることだと気を抜かず、顧客の不安な気持ち、あるいは怒りの気持ちなどをくみ取る姿勢がオペレーターには求められます。

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相手の背景を想像して質問を投げかける

顧客との関係をよくしていくためのCRM施策では、顧客一人ひとりに対する最適な応対を模索していくことになります。すなわち、“個客”の考え方です。顧客は一人ひとり、違った背景を持っているわけですから、オペレーターがその背景を読み取ることがCRMの実現に欠かせないといえます。

とはいえ、コールセンターにおける応対は難しい上に、ブレがなく画一されたクオリティーが求められる側面もあります。そのためにマニュアルやトークスクリプトがあり、誰が電話を取っても似たような印象を持たれることが求められます。
しかしながら応対内容が明確になっていると、オペレーターは質問内容で顧客を分類してしまう可能性が考えられます。同じ内容の質問をしてきた2人の顧客がいたとしたら、2人に同じ応対をしてしまうというわけです。
これでは、顧客の疑問が解消され、よいCRMにつながる可能性は低いといえます。

同じ内容の質問があったとしても、その顧客が本当に困っているポイントは違うことがあります。
たとえば、PCでソフトウェアの操作が分からないという内容の相談があった場合。最初に相談を一通り聞いただけでは、ソフトウェアの機能面が分からずにつまずいているのか、そもそもPCの操作に不慣れでつまずいているのかは分かりません。前者の場合はある程度マニュアルな対応が可能ですが、後者の場合はそれでは解決につながらず、こちらがより詳細な質問をして顧客の抱えている問題を見極める必要があります。

ただ、頭で考えながら応対をしていても、このような見極めは難しいといえます。やみくもに考えるのではなく、グループディスカッションで意見を出し合うトレーニングがおすすめです。
このグループディスカッションでは、お題をひとつ決め、自分がその点に困っているとしたらどのような点かを想像しながら意見を出し合います。ちょうど、ブレーンストーミングのような形です。こうすることで、自分だけでは想像できなかった背景を想像できるようになり、顧客の抱えている問題を見極めるのに役立ってくれるはずです。

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心理学的な考え方“認知的不協和”を利用して顧客の気持ちを考える

CRM施策の要であるコールセンター業務においては、顧客の立場を理解し寄り添うことが大切ではありますが、声のみの相手の感情を推し量るというのは難しいものです。そこで利用したいのが、心理学的な考え方です。ここでは、アメリカの心理学者フェスティンガーが提唱した“認知的不協和”をクローズアップしてみます。

認知的不協和とは、自身の中に矛盾する2つの感情が生まれたとき、そのストレスを抑えるために納得できる安心材料を探す感情の動きをいいます。
有名な例として、自動車の購入があります。悩み抜いて選んで購入した自動車でも、人は「もっと安い・あるいは性能のいい車があったのではないか」などと考えてしまうものです。ここで、「この車を買ってよかった」と「ほかの車がよかったのではないか」という真逆の感情が生まれ、心の中で不協和を起こします。このままではストレスになってしまうので、人は無意識のうちに自分のものと同型の車を目で追い、「ほかの人も乗っているのだから自分の判断は正しかったのだ」と安心材料を得るのです。自動車の購入直後に「自分と同型の車が増えた」と感じた経験のある方がいれば、そこには認知的不協和が働いていたといえます。

では、この認知的不協和をどのようにコールセンター業務へ活かしていけばよいでしょうか。
そのコールセンターがどのようなタイプの応対をしているかにもよりますが、商品の購入者やサービスの利用者へのサポートであれば、電話をかけてきた顧客は認知的不協和のさなかにあると考えられます。たとえば商品であれば顧客はその商品がいいと思って購入したわけですが、その後なんらかの不安や不満点があり、「買ってよかったのか悪かったのか」の間で揺れているわけです。

もし自分の「買った選択」が悪かったものだと結論づいてしまうと、当然ですが顧客はがっかりしてしまいます。しかし、始めは欲しいと思って購入したわけですから、その気持ちを後押ししてあげることができるはずです。「大丈夫ですよ、その商品はきちんと直ります」「こうすることでしっかり使うことができますよ」などの声かけや姿勢が、顧客に安心感を与え、スムーズなコミュニケーションにつながっていきます。

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顧客に寄り添う気持ちがCRMを形作る

顧客のためにと考えているつもりでも、経験を重ねていくと、その経験に基づいた判断をしてしまいがちです。そうなると、目の前の顧客を無意識のうちに「大勢のうちの1人」と認識してしまうかもしれません。そうならないために、上記の3つのポイントを顧客に寄り添うための参考にしてみてください。こういった顧客の立場に立った応対の積み重ねが、よいCRMの実現につながっていくといえます。

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