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CRMソリューション/コールセンター

コールセンター運営のポイント 第64回:変化する時代にコールセンターが担える新たな役割

その64:変化する時代の新しいコールセンターの形とは

時代は常に変化し、それに合わせてビジネスの形も変化していきます。同じように、コールセンターができることにも変化が現れています。変化に伴って、これまでは顧みられていなかった領域をコールセンターが掘り起こすことも可能です。CRMにおいて重要な役割を持つコールセンターは、新たにどのような役割を担えるでしょうか。

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変化する時代のコールセンター

時代が変化すると顧客が求めるものも変わり、高度な情報社会の中でそのニーズも多様化しています。顧客の声を拾い上げ、改善に活かし、顧客の課題を解決するためのコールセンターもまた、できることが変わってきています。コールセンターがどのような領域に切り込んでいけるかを考えたとき、考慮するべきは「顧客の課題を解決する」というコールセンターの本質です。これまではなかった変化や新しいビジネスに対応すると、それによって悩みを抱える顧客が出てきます。コールセンターは、そういった顧客が課題を解決するための手段となることができるのです。

もちろん、そういった課題があるところに切り込むことができれば、ビジネスチャンスにつながります。以下にご紹介するのは、近年活発になりつつあるコールセンターの新しい形の例です。

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今後もニーズが増加する多言語コールセンター

近年は外国人観光客が増えており、その変化を肌で感じているという方も多いはず。数字にも顕著に表れており、2017年の訪日外国人数は約2,870万人と、2014年の約1,340万人から2倍以上に増えています。そうなると発生するのが、違う言語を話す人々とどうコミュニケーションを取るか、という問題です。ある程度はジェスチャーなども駆使してコミュニケーションを取ることは可能ですが、少し複雑なやり取りになると途端に意思の疎通が難しくなるというのは、訪日外国人と現地の私たちに共通の課題です。

その間を埋めることができるのが、外国語を話せるオペレーターを配した多言語コールセンターです。コールセンターに電話することで英語や韓国語、中国語などに通訳できるというサービスがいくつも登場しており、訪日外国人と現地の日本人をつなげる役割を果たしています。単純に「電話をすればつながる」というサービス以外にも、宿泊施設への問い合わせや特定の商業施設での問い合わせに特化したサービスもあります。こういった通訳サービスは日本を訪れた外国人が不安なく過ごすための助けとなり、ホテルや商業施設にとっては損失していた機会を回収できるメリットがあるのです。中には運用の難しさから期間限定で実施するケースもありますが、今後も訪日外国人数が増えていく状況では多言語コールセンターの需要はますます増していくものとみられています。

多言語コールセンターを運用する際に注意しなければならないのは、単なる通訳サービスになってはいけないという点です。多言語コールセンターに電話をかけてくる方は直接的には「言語が伝わらないので通訳をしてほしい」という欲求を持っていますが、その後ろには「話が相手に伝わらない」「体調が悪いがどの病院に行けばいいか分からない」などの不安な気持ちを抱えています。顧客の悩みを解決するのがコールセンターですから、電話をかけてきた方がどのような不安を持ち、何を解決すれば安心できるかを汲み取ることが大切です。

実際に多言語コールセンターを運用しているセンターでは、通話時間などのKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)は特に設定していないといいます。効率化を目指すよりは不安を抱えて電話をかけてきた方の悩みを解決するのが優先であり、異国の地で右も左も分からない不安を考慮して、あえて世間話で話を脱線させることもあるようです。このケースでは自治体が主体となっているため、すべてのコールセンターで同じことができるわけではありませんが、多言語コールセンターの運用としては理想的なモデルケースのひとつだといえます。

また一部の消防では、外国人からの119番通報があったとき、多言語コールセンターを挟んで詳細な状況を聞ける体制を整えています。このように、多言語コールセンターの活用方法にはさまざまなものがあり、外国人の悩みを解決しつつ新たなビジネスチャンスを模索することが可能となっています。

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バリアフリーに貢献する手話通訳

多言語コールセンターと似たようなコンセプトで、これまでは置き去りにされてきた領域に切り込んだのが手話通訳です。ビデオ通話機能が広く普及したことで映像によるやり取りが一般的になり、耳の聞こえない人々に対するこのようなサービスが登場しています。

コールセンターはどの顧客も普遍的に利用できるサービスですが、耳の聞こえない方々はこれまで置き去りにされてきました。聴覚障がい者にとっては企業とのチャネルがひとつ丸ごと閉ざされていることになり、不満や不安があっても泣き寝入りせざるをえません。バリアフリーの観点からいえば、大きなバリアだといえます。

手話通訳コールセンターの登場により、聴覚障がい者と企業の間で映像を介した通訳をすることが可能となり、これまで損失していた機会を掘り起こせるようになっています。聴覚障がい者にとっては製品の使い方が分からないといったときにサポートを受けることができ、企業側は障がい者ならではの意見を吸い上げて今後の改善に活かせるといったメリットがあります。保険会社と提携して手話通訳コールセンターを設置するケースもあり、活用次第で聴覚障がい者と企業の双方にとってよい橋渡し役になることが可能です。

また、「手話通訳」という形で手話をビジネス展開することで、手話それ自体が広がる効果も期待されています。聴者の手話習得は基本的にボランティア活動で成り立っており、それはすばらしい活動だといえますが、ボランティアでは普及のスピードに限界があります。その点ビジネスでは、収益が成り立つという前提で、普及スピードを拡大させることが可能です。手話通訳者が専門職として十分な収入を得られるようになると、手話の習得がこれまで以上に進む可能性があるのです。

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利便性を高める落とし物コールセンター

愛知県警が取り組んでいる試みとして、遺失物の受け付けをコールセンターで一元管理するというものがあります。大きな駅や繁華街を抱え、遺失物や拾得物の届け出が多い地域で先行して行われているものです。

一定の地域では、遺失物や拾得物の数が増えているといいます。新設されたコールセンターで取り扱うのは遺失物のほうで、受理の手続きを効率化するなどして利便性の向上を期待しています。落とし物の受け付けをコールセンターで行うのは初めての試みで、効果は未知数とのこと。警察が署内に設けたコールセンターということで、特殊例ではありますが、コールセンターが担える役割に新たな幅が生まれたといえそうです。

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コールセンターができることは多い

電話という非常に身近なツールを扱うコールセンターには、解決できる課題がまだまだあります。時代が変化するごとに、新たな悩みや課題が生まれてくるためです。ここでご紹介した3つの事例はそういった「これまではなかった課題」、あるいは「これまで認識されていなかった課題」に切り込んだものであり、今後も拡大していくことが予想できます。課題の解決はビジネスチャンスにもつながるため、今後はコールセンターの新しい形が増えていくのかもしれません。

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