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コールセンター運営のポイント 第17回:パレート図を活用してコールセンターの対応能力を高める

その17:コールセンター全体の対応能力を高めるための方法とは

対応能力を高めるためのシステム改善

コールセンターで全体的な対応能力を高めていくためには、オペレーター個々の能力を高めていくことが大切です。それに加えてコール以外の部分で改善を行っていくことも、もちろん必要となります。オペレーターの能力を上げ、コール数を増やしたり顧客の満足度につながる対応を身につけさせたりすることは、ある程度の時間を要します。一方そのほかの部分であれば、すぐにでも改善できるポイントが見つかるはずです。

たとえばIVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)の最適化は、コールセンター全体の対応能力を高めるための方法のひとつです。顧客が適切なオペレーターと話せるようにするためのIVRシステムは、実際は顧客のためになっていないことがあり、適切に組み直すことで大幅な対応能力の強化になります。しかし、現状の分析をせずに組み直しても十分な改善効果は見込めません。IVRシステムの最適化によるコールセンターの対応能力改善は、「パレート図」を活用することが早道となります。

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上位20%のコールリーズンが全体の80%を占める

IVRシステムの具体的な見直し方法を紹介する前に、パレート図について紹介していきます。
1897年、イタリアの経済学者ヴィルフレート・パレートが提唱した所得分布の法則が、提唱者の名前にちなんで「パレートの法則」と呼ばれています。パレートの法則では、社会全体の総所得を見てみると、その実に80%は上位20%の人々の所得で占められていると示しています。
パレートの法則は上記にある所得の例のように、全体を構成する一部分が大部分の結果に相当することを説明しています。ほかには、全顧客のうち20%のお得意様が売り上げの80%を占めている、セールスマンのうち20%の人数が業績の80%を占めている、などがパレートの法則の具体例です。

コールセンターの業務内容においても、「コールリーズン」がパレートの法則を活用して説明できます。コールリーズン、すなわち顧客が電話をかけてくる理由を分類して集計すると、そのうち20%が全体の80%を占めていることがわかります。

このことは、棒グラフと折れ線グラフを組み合わせた「パレート図」を作成することで確認できます。まず、コールリーズンを集計し、多い順から棒グラフで並べていきます。次に、件数の多いコールリーズンから順序よく足していき、全体に占める百分率を割り出し、折れ線グラフにして重ねます。たとえば最初のコールリーズンが全体の40%であれば最初は40%、次のコールリーズンが全体の20%であれば次は60%というふうに増えていき、一番少ないコールリーズンまで足したら100%になります。そうすると、棒グラフは右肩下がりに、折れ線グラフは右肩上がりになっているはずです。
完成したパレート図を見てみると、折れ線グラフが80%に達した辺りがおおむねコールリーズン上位20%となっています。


パレート図例

パレート図を作成する意義は、対応すべき事柄の優先順位を決めることにあります。パレートの法則に則れば、問題の20%に対応できるようになると全体の80%を解決できることになるため、効率的に業務改善を行うことが可能となります。

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IVRシステム最適化でコールセンターの対応能力アップ

パレート図を活用して件数の多いコールリーズンを知ることができれば、IVRシステムを効果的に改善し、大幅な効率アップを図ることが可能となります。
まずは、IVRシステムが十分に働いていない状況というものを確認しておきます。IVRは問い合わせの電話を、機械音声の案内によって複数のスキルセット(窓口)へコールを振り分け、最初から顧客の求める担当者とつなぐことができるシステムです。IVRシステムを導入することで顧客の、そしてコールセンター側の時間と手間を節約できるわけですが、適切なスキルセットへ案内できなければ会話は始めた後に転送の手間が発生してしまいます。この転送が多発している事は、IVRシステムが十分に働いていない状況といえます。

IVRシステムを最適化するためには、まず音声案内の分岐が顧客にとってわかりやすいかどうかの見直しが必要となります。案内の分岐は、基本的に回数が少なくあるべきです。回数が増えれば顧客の手間が雑多になり、適切なスキルセットへ辿りつけない可能性が高くなります。コールリーズンの分析を定期的に行っていればほとんど必要のないスキルセットが出てくる可能性もあるので、そういったスキルセットは廃止や統合をして分岐を簡略化することができます。

また、パレート図を作成すれば優先すべきコールリーズンが可視化されます。問い合わせの多いコールリーズンはIVRシステムにおいて最優先し、特に少ない分岐回数でオペレーターにつながる、ボタンプッシュの1や2に設定するなどのように対策をします。そうすることで多くの顧客は短い時間でオペレーターと電話をつなぐことができ、コールセンターとしては大幅な効率化となります。

オペレーター対応ではなくセルフサービスに転換することも、対応能力強化の方法のひとつです。パレート図の上位に入るコールリーズンが簡単に解決できるものであれば、IVRシステムの案内だけで解決できることがあります。そうなるとオペレーターが対応すべきコールが減り、他のコールに丁寧に対応できるようになります。
ただしこの方法は、二面性があることに気をつけなければなりません。IVRシステムの案内だけで解決することはコールセンターにとっては大きな利点ですが、顧客側には無機質な印象を持たせてしまう可能性があります。簡単なことでも、人の声で解決してもらったほうが「ありがとう」の気持ちを感じやすくなって企業への信頼が高まることもあるので、IVRシステムだけで完結させるときは慎重な判断が必要です。

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IVRシステム以外の改善点

コールリーズンを分析し、パレート図を作成すると、IVR以外にもコールセンターで改善できるところは多くあります。
たとえば、スクリプトやFAQの作成や見直しです。パレート図にて優先して対策すべきコールリーズンが見えれば、そのコールリーズンにどのオペレーターもしっかりと対応できるようにスクリプトが作成できます。そのコールリーズンに対して高い評価を受けているオペレーターがいれば、そのコールを分析して各オペレーターへ共有し、対応能力の底上げを行うこともできます。FAQの見直しを行うことも、コールセンター全体でさらなる対応精度の向上につながります。

また、コールリーズン分析を行うと、同じコールリーズンなのに特定のオペレーターがやけに時間をかけている、といったケースが見つかることがあります。その場合、単にそのオペレーターの能力が低いということではなくスキルセットが合っていないということが考えられるので、配置変えを行うことで対応の質が上がる可能性があります。コールリーズンの分析はパレート図の活用に始まり、コールセンター業務改善のさまざまな方法に活かすことができるのです。

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顧客に満足を届けるコールセンター

以上のようにコールセンターの対応能力を高めていくことで、コールセンターとしての成績を効率的に上げていけます。どのスキルセットに何人のオペレーターを配置すればいいのか、などの戦略的な取り組みにも幅が広がり、余裕が生まれてくることにより新たな取り組みへ着手できる時間を作ることも可能です。
そして、このような対応能力を上げていくことは顧客の満足にもつながります。CRMの拠点としてのコールセンターの役割を果たすためにも、以上のような取り組みをご参考にしてください。

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