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コールセンター運営のポイント 第41回:顧客の「ライフタイムバリュー」を高めるこれからのコールセンター

その41:ライフタイムバリューを高めていくためには

2015年の国勢調査にて、日本の総人口が初めて減少に転じたことが発表されました。このことが意味するのは、経済全体の市場もまた減少に転じたということです。つまり、それぞれの市場・業界によって度合いは異なりますが、これからは減っていく顧客を競合他社と取り合うことになります。ここで大切になってくるのはライフタイムバリューという概念であり、ライフタイムバリューを高めていくためにコールセンターは重要な立ち位置にあります。ここでは、ライフタイムバリューの概要や、どう高めていくべきか、これからのコールセンターはどうあるべきかについてご紹介します。

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CRMの根底にある“ライフタイムバリュー”

ライフタイムバリューを日本語に訳せば、“生涯価値”となります。つまり、ライフタイムバリューとはひとりの顧客が生涯のうちにどのくらい商品・サービスを利用してくれるかという指標のことを指します。企業や商品、サービスの価値を高めていくためにはより多くの顧客に選んでもらうことが大切ですが、その顧客の数が減っていく今後は、ひとりの顧客により多く・繰り返し・長く利用してもらうことも大切になってくるというわけです。

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の概念は今やとても広いものになっていますが、顧客との関係性をよりよいものにしていこうという根底があってさまざまな施策があります。CRM施策においては顧客のことを“個客”と称することもあり、そういう意味では、ライフタイムバリューはCRMの中心にあるといえます。

ライフタイムバリューを高めるためには、顧客がどういう動向を示しているのかを知らなければなりません。経済産業省は「消費者購買動向調査」の中で、消費者は企業のどのようなサービスを重視しているかを調査しています。この調査では、お客様電話相談窓口の常設を重視するという回答が74.5%にも上りました。ほかにも、連絡をすれば商品の修理や交換、設置に対応してくれることを重視するという回答が78.9%、購買履歴を一元管理していつでも相談に乗ってくれることを重視するという回答が50.7%になるなど、コールセンターおよびCRMに関わるサービスが広く重視されていることが分かります。つまり、顧客の声が企業にしっかり伝わる仕組みが求められているのであり、そこに占めるコールセンターの役割はとても大きいというわけです。

業界によって電話応対がどれくらい必要かは異なり、時代が推移するごとによっても変わっていきます。しかし顧客が何かしらの声を伝えてきたとき、満足してもらえる体験を提供できれば、ライフタイムバリューが高まると期待できます。そして、さまざまな顧客のライフタイムバリューを高めることができれば、CRMとしても大きな前進になるはずです。

ただし、どの業界・どの企業においてもライフタイムバリューを最重要視しなければならないというわけではありません。ライフタイムバリューを高めることはCRMの基本ですが、市場の成熟具合によってどれくらい重視すべきかは変わります。

結論からいえば、ライフタイムバリューが最も重要になるのは高いレベルで成熟した市場です。業界として今以上の大きな発展は見込めず、どの企業のサービスも横並びで突出するのが難しいという場合、生き残っていくためにライフタイムバリューが重要となります。一方、市場が黎明期であれば、商品やサービスに不備の多い段階のためクレーム処理による不満解消が大きな焦点です。成長過程にある市場なら、顧客満足度を高めつつ効果的に顧客を増やしていく施策に比重が置かれます。ただし、黎明期から成長期にかけてもライフタイムバリューを軽視していいというわけではありません。成長期から行われることの多い顧客の囲い込み、ロイヤルカスタマーの育成などはライフタイムバリューを高める施策だということができます。

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ライフタイムバリューを高めるための具体的な考え方

CRM施策のためにライフタイムバリューが重要な役割を果たします。では、具体的にどのような対策を行えばライフタイムバリューを高めることができるでしょうか。

まず、商品・サービスがよいものである必要があります。黎明期には不備を避けることができないとしても、それを残したままライフタイムバリューを高めることはできません。これをよくしていくためには、企業、ときにはパートナー企業も含めて一丸となって改善に取り組む必要があります。その中でコールセンターが担える役割は、顧客から直接いただいた意見をフィードバックとして製品部門などにしっかり伝えること。コールセンターシステムを整備するなどして情報の共有がしやすい仕組みを作り、常に改善のきっかけを作っていくことが大切です。

商品・サービスの仕組みの面でいえば、商品を扱う企業だとしてもサービス面の充実が重要となってきます。分かりやすい例として、定期購入コースが挙げられます。その商品やサービスを気に入ってくれたのなら、顧客にとって定期購入コースの存在はありがたく感じるものです。また、定期購入の仕組みが簡単であればあるほど、顧客にとって優しいサービスといえます。定期購入コースに入ってくれれば、ライフタイムバリューは大きく増加することになります。

定期購入コースにうまく誘導するためにはさまざまなチャネルがありますが、その中でもコールセンターは大きな役割を担うことができます。具体的な施策として挙げられるのが、プラスワンのご提案です。

受電業務がメインとなるインバウンドのコールセンターでは、売り込みという行為はあまり行われません。それはどちらかというとアウトバウンドの領域だといえます。しかし、インバウンドでもセールスを行うことは可能です。たとえば、顧客の問題や不安を解消する方法として別のサービスをおすすめする、追加のオプションをご提案する、というアプローチを取ることができます。

ここでいうサービスとは、定期購入コースに限りません。別の商品を組み合わせておすすめする“クロスセル”や、価格は上がるが品質もワンランク上となる商品をおすすめする“アップセル”などもライフタイムバリューを高める上で基本となる考え方で、自社商品・サービスにマッチしたセールスのアプローチを作ることができます。顧客満足度を上げるCRMの観点では、逆にワンランク下の商品・サービスをおすすめする、いわばダウンセルが有効であることもあります。顧客の生活においてその商品・サービスが身に余るものであれば、価格・品質を下げることがよりよい解決になるというわけです。それが顧客満足につながれば、その顧客はロイヤルカスタマーとなる可能性が高く、ライフタイムバリューの増加が期待できます。

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これからのコールセンターに必要なこと

成熟した市場は特に、その他すべての市場においても、今後はライフタイムバリューを考えたコールセンター運営がより重要となります。その上で、これからのコールセンターには素早さが求められます。一つひとつのコールを手早く終わらせる技術は常に求められてきたものですが、これからの社会においては時間をかけてしまうことがより大きなロスへとつながるのです。

IVR(interactive Voice Response:自動音声応答)の最適化は、必須事項といえます。最短時間で顧客の求める回答を提示できることが大切なだけでなく、IVRの不備により起きる「たらい回し」をゼロに近づけることが必要です。
そして、今後必ず必要となるのが能動的な応対です。あらゆるモノがインターネットにつながる“IoT”の社会が実現していくにつれ、顧客について得られる情報は圧倒的に増えます。そうなると可能なのが、顧客が何か聞いてくる前に用件を予測するということ。これができれば、圧倒的に素早い対応が可能となります。その仕組みの構築は、今は無理でも、中長期的に考えておく必要があるといえます。

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顧客一人ひとりを大切に

ライフタイムバリューがCRMの中心となる考え方であれば、それは真新しいものではないといえます。しかし、今後のCRM施策やコールセンター運営においてより重要度を増してくるものです。顧客のライフタイムバリューを高めるために何ができるか、ぜひ上記の内容をご参考ください。

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