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コールセンター運営のポイント 第63回:AIの時代だからこそできる、プロフェッショナルなオペレーターの仕事

その63:AIの時代にオペレーターが担える役割とは

人手不足が常態化しているコールセンター業界では、昨今AI活用の議論が高まっています。コールセンターではこれまでも、CRMシステムや音声認識、テキストマイニングなど、さまざまなテクノロジーが登場して日々の業務を支えてきました。AIの登場はその延長線上と考えることができます。さらに、技術が発展して将来AIに奪われる職業のひとつが、オペレーター業務だといわれることもあります。しかし実際には、すべてのオペレーター業務がAIに奪われることは考えにくく、共存していくという考え方が現実的です。では、AIの時代にオペレーターはどのような役割を担えるでしょうか。

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AIによる自動化でコールセンターが受ける恩恵

さまざまなAIシステムの登場により、従来はオペレーターが行っていた業務をAIが担うケースが出てきています。コールセンターのオペレーター業務は「AIの発展によって奪われる職業」にあげられており、オペレーターの存続を危惧する声も聞かれます。多様な職業の中で決まった作業の繰り返しの多い業務がAIに取って代わられる可能性があると考えられ、一定の応対スクリプトやコール終了後の定型作業のあるコールセンター業務がそのうちのひとつに数えられています。

ただし、コールセンターは顧客の感情に寄り添い課題を解決に導くCRMの最後の砦であり、オペレーターの業務はプロフェッショナルなものです。AIがすべてのコールセンター業務に取って代わることは考えにくく、オペレーターが雑多なことに気を取られずに顧客に向き合うためのツールとしてAIを活用することがより良い使い方といえます。AIという非常に広範囲な技術の捉え方、そしてAI活用の具体例のひとつについては、当コラムの「第54回:属人的なクレーム対応はAI活用で大きく変わる」にて論じていますので、よろしければこちらもご覧ください。

上記の記事にてご紹介しているクレーム対応の他にも、AI活用の恩恵はさまざまなものが考えられます。AIが得意とする作業は、大量のデータから最適解を導き出す作業や決まった作業の繰り返しなどです。これらは人間には苦手な作業であり、可能な部分はテクノロジーによって自動化することで効率がよくなります。これはAIだけができることではなく、これまでも「FAQの充実による回答時間の短縮」など、さまざまな部分が効率化されてきたということです。本体の目的は、顧客はコールセンターのオペレーターと話したいのではなく問題が解決されることを望んでいるのであって、AIは顧客の求める解決策をできるだけ早く届けるために“これまでのテクノロジーと同様に”活用することができます。

AI技術の発展でコールセンターが受ける恩恵のひとつに、簡単な質問への回答へAIが自動応答するというものがあります。この技術を活用することにより、オペレーターが担当すべきコールが減るだけでなく、コールセンターの稼働が難しい深夜の問い合わせにもある程度対応できるようになります。また、オペレーターのコール中に会話の内容を解析して定型的な回答例をパソコン画面上に自動表示する、というシステムもAIによる恩恵のひとつであり、新人オペレーターとベテランオペレーターの応対品質の差を埋めて新人の早期成長につなげることにも役立ちます。

ただし、これらのAI活用で気をつけなければならないのは効率化を理由に顧客を置き去りにしないこと。コールセンターからみればよいことでも、顧客からすると思いがけず機械に対応されるなど、望まない対応になることもあるためです。本来は対応のスピードアップを目指したはずのIVR(Interactive Voice Response:自動音声応答)も、その操作に抵抗感がある顧客が多いというデータもあります。

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AIの時代にオペレーターができること

これまでも効率化できるところは徹底的に効率化が進められてきたように、AIによってコールセンター業務の効率化や自動化はさらに加速することが考えられます。ただし、顧客との関係性を重視するCRMの根本が変わるわけではなく、人間のオペレーターの役割も変わらずに重要なものです。

ここでひとつ留意しておきたいのは、CRMにおいては顧客視点が最重要なものであるため、顧客の認識が変わればCRMの手法も変わるということです。いずれAIが人々の生活にとって当たり前の存在になると、コールセンターが担うべき役割もそれに沿って変わることになります。

ではAI活用が活発化している現在、オペレーターにはどのような役割があるでしょうか。悩みを持った顧客がそれを解決したいと思ったとき、「大事にされている」「親身な対応をしてもらえている」と感じるのは人対人の応対です。メールの文章よりも直接会って話したほうが気持ちが伝わりやすいことは、いうまでもありません。これはCRMにおいても同様で、人が直接顧客の助けになるほうが満足度は高くなると考えられます。インターネットが普及して人と人のコミュニケーションが減少した現代社会においては、姿は見えずとも、「人の声」で応対ができるコールセンターは貴重な存在です。顧客自身ではよく分からない、WebサイトのFAQを見ても解決できないような問題は、オペレーターこそが解決に導くことができます。

WebサイトやAI、あるいはメールやチャットサポートなども使って顧客の窓口を増やし、自動化できる部分を突き詰めていくと、コールセンターに残るのは主に「難しい応対」だと考えられます。たとえば、クレーム対応がそのひとつです。一人ひとり違う顧客の課題の中でも安易に問題の切り分けができないのがクレームであり、コールセンターのオペレーターには顧客がどんな課題を持っているか・どんな不満があるのかを汲み取り、それを解決に導くスキルが求められます。ただしこれは、これまでのオペレーターにも当然求められていたものです。つまりこれからのオペレーターに特別新しいスキルが求められるわけではなく、AI活用で簡単な作業や繰り返しの作業が削ぎ落とされていった結果、残った部分に注力して応対品質を上げることが求められているのだといえます。

顧客一人ひとりに寄り添い、それぞれのケースに合わせた解決策を提示するオペレーターの仕事はこれまでもプロフェッショナルなものでしたが、これからはより高度なスキルが必要となります。とはいえ、単純に難易度が上昇するというわけではなく、上記にあげたクレーム対応も、AI活用によりオペレーターの負担が軽くなることが期待されています。これまでは非効率で、オペレーター個々人に負担がかかっていた部分が少しずつなくなることにより、オペレーターは「顧客一人ひとりに寄り添う」というCRMの理念に沿った仕事に集中できるようになります。プロフェッショナルな仕事は、それだけやりがいも増していくはずです。

今後もオペレーターの高いスキルが求められる場面としては、他に「VOC(Voice Of Customer:顧客の声)の収集」があげられます。テクノロジーの進化により、企業は顧客のさまざまなデータを収集できるようになりましたが、Webにおけるアクセス履歴やコンバージョン率などのデータのほとんどは「プラスの出来事・顧客がアクションを起こした出来事」を集めたものです。コールセンターに寄せられるVOCには「マイナスの出来事」が起こった理由が多く含まれています。コンバージョンが起こらない、Webページからそのまま離反してしまうなどの理由は、応対している会話の内容からうかがい知ることができ、改善に役立てることが可能です。そして、顧客の本当の悩みや気持ちを反映した良質なVOCを得るにはオペレーターが正確に汲み取る必要があります。ここにも、オペレーターのプロフェッショナルとしての役割があるのです。

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常に顧客の目線を考えられる存在

ここまでご紹介してきたように、AIはオペレーターの仕事をそのまま奪うのではなく、コールセンター業務全体を効率化していくものだと捉えることができます。そこでより鮮明に浮き上がってくるのが、オペレーターのプロフェッショナルとしての仕事です。今後AIのできることが増えてくれば、オペレーターは「人が対応すべき業務」に集中して取り組めるようになります。AIのできること、AIによる影響を正確に知り、オペレーターの担える役割を捉え直すことが大切です。

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