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コンタクトセンター運営のポイント 第96回:コールセンターが優れた顧客体験を生むために「顧客接点」を理解する

その96 コールセンターが優れた顧客体験を生むための「顧客接点」とは

顧客に寄り添って顧客1人ひとりの課題を素早く確実に解決できるコールセンターを作るには、オペレーターを含めセンターを構成する全員が「顧客接点」の理解を深めることが大切です。そうすることで顔の見えにくい顧客についてより深く想像できるようになり、個々のオペレーターの応対品質向上が期待できます。今回は顧客接点の理解がなぜ重要なのか、さまざまな顧客接点の特徴、コールセンターにとって重要なキーワード「オムニチャネル」「カスタマージャーニー」についてご紹介します。

顧客接点の重要性

顧客接点は「タッチポイント」「チャネル」などとも呼ばれる言葉で、企業と顧客が関わりを持つ場所のことを指します。商品を買ってくれる瞬間はもちろん、テレビCMを見る、公式Webサイトを閲覧する、コールセンターに問い合わせをするなど、それぞれが顧客接点です。

かつては、いかに多くの人に商品やサービスを届けるかというマスマーケティングが主流であり、1つひとつの顧客接点はそれほど重要視されていませんでした。しかしインターネットが広がり、スマートフォンの普及により顧客が多くの情報に簡単に触れられるようになった現在では、顧客接点は多様化し1人ひとりの顧客のニーズを把握することが困難になっています。そこで顧客接点を知ることで、顧客がその前後にどんな行動をしているのか、どんな気持ちで企業に接しているのかが分かるようになります。

さまざまな顧客接点とその特徴

どの顧客接点においても、顧客の行動と感情を知り、それに合わせた対応を行うことが大切です。ここでは、6つの顧客接点について解説します。

実店舗

飲食店や小売業を始め、多くの企業にとって最重要な顧客接点の1つです。店員と顧客が直接顔を合わせる数少ない機会であり、多くの場合、商品やサービスの購入が行われます。実店舗では訪れた顧客にきめ細かい対応をすることはもちろん、近年はWebとの連携も重要視されてきています。BtoB企業の場合は営業部門などが該当します。

この顧客接点で重要となるのは、実店舗を訪れる際、顧客はどのような情報を持ち、どのような気持ちでいるかを想像することです。サービスの内容やセールスについて知っていて目的を持って訪れているのか、特に目的はないがふらりと立ち寄っただけなのかなどの状況により、実店舗での商品や導線の配置や店員の対応内容が変わってきます。

テレビ/ラジオ/広告媒体のCM

マスマーケティングの時代に急成長したテレビなどのマスメディアCMは、現在においても重要な顧客接点の1つです。マスメディアの情報伝達能力は高く、顧客はCMを通じて商品やサービスの存在、その利便性などを自ら探すことをしなくても知ることができます。

現在はインターネットの発達により「最初の情報」がマスメディアのCMではなくなるケースも増えているため、商品を伝えたい対象がどのメディアをみているのかによって効果的なアプローチ方法は変わります。

ECサイト

通販で商品の販売を行っている企業の場合、ECサイトは実店舗と同じくらい重要な顧客接点となります。ECサイトを自社で専用に作るのか、インターネットショップへ出店するのかなど作り方にはさまざまな方法がありますが、顧客接点という意味では顧客の情報を記録し他の接点でも活用できるようにすることが大切です。ECサイトで得られた情報は、実店舗やコールセンターなどで活用できます。

公式Webサイト

インターネットとスマートフォンが浸透している現在において、顧客の好きなタイミングで自ら探して情報を確認できる公式Webサイトの役割は大きなものになっています。正確な情報が載っていることはもちろん、情報の更新性も重要であり、Webサイト内のコンテンツで楽しませることもポイントの1つです。近年は企業のスマホアプリを通じて、企業からの一方通行ではなく、顧客と双方向のコミュニケーションを取れるような顧客接点も増えています。

SNS

企業が運営するSNSアカウントも、近年は活用するケースが増加してきています。不用意な発言や対応による炎上のリスクはあるものの、顧客とのカジュアルなつながりを作ることができ、SNSを通じた販促なども可能です。企業や商品、サービスのブランディングにおいても重要な役割を果たすため、企業内のSNS担当やWeb担当が運用することもあれば、コールセンターで運用することもあります。

コールセンター

顧客満足度を上げる点に関して、コールセンターは非常に重要な役割を果たします。日々コールセンターに寄せられる問い合わせは、クレームも含めてすべて顧客の貴重な意見であり、商品やサービスの改善・開発に大いに役立てることができます。また、顧客の疑問や不満を解決できる最後の砦としての役割もあり、コールセンターの対応次第で長く付き合いを続けてもらえるロイヤルカスタマーを増やすことにもつながります。

コールセンターでは、これまで電話が主要なチャネルでしたが、インターネットが広がった頃から時間の制約がなく問い合わせができる、メールやWebフォームからの問い合わせチャネルが増えました。昨今ではメールよりもリアルタイムで、電話よりカジュアルで場所も選ばないチャットがとても多くなっています。特に若年層の顧客との関係性を築く上で大切な顧客接点です。

それぞれの顧客接点を結びつけるオムニチャネル

上記にご紹介した以外にも商品やサービス、ビジネスの形態が異なれば顧客接点は多くなり、それぞれの顧客接点において顧客のニーズをつかみ適切に応対することが大切です。さらに重要なことは顧客接点間を連携することです。顧客接点が連携し、どの顧客接点でも変わらない体験を提供しようとする考え方を「オムニチャネル」と呼びます。これはBtoB企業で、営業部門と顧客サポート部門のコールセンター、保守サポート部門、品質管理部門などを連携させて顧客対応を行うことと同じ考え方です。

オムニチャネルを実現するには、顧客情報が企業活動の中心になるようにCRMシステムを活用します。顧客接点と対応チャネルをCRMに統合することで、たとえば実店舗で得た情報はCRMシステムを通じてコールセンターにも共有され、問い合わせがあった際の応対に役立てます。また、コールセンターで蓄積された情報も共有され、どの顧客接点でも変わらない体験を提供できるようにします。それぞれの顧客接点で、電話やチャットなどどんなチャネルから顧客と接したか、各顧客接点がどれだけ連携できるかによって、顧客に提供できる体験価値は大きく変わってくるのです。

カスタマージャーニーの重要性

顧客接点を理解し、オムニチャネルを実現する上で欠かせないのが「カスタマージャーニー」です。カスタマージャーニーは直訳すると「顧客の旅」となり、企業と接する中でどのような顧客接点を渡り歩いてきたかを示すものです。

当たり前のことではありますが、顧客はなんの前触れもなく企業と関わるわけではありません。なんらかのきっかけで商品を知り、口コミを調べるなどして評判を調べ、広告を見て後押しされ、実店舗やECショップで購入する……というような流れの上で企業と関わっています。そのため、前にどの顧客接点に触れているか、これまでにどんな情報に触れているかによって顧客の感情や購入へのモチベーションは異なります。できるだけ具体的に、実際にありそうなカスタマージャーニーを描けるかによって、顧客の感情が上向きになるかどうかが左右されるのです。

さまざまな顧客接点を経た顧客から問い合わせを受けるコールセンターでは、このカスタマージャーニーの理解も重要となります。カスタマージャーニーを理解していると、単なるクレームに思える内容でもどういう経緯でクレームに発展したのかを想像しやすくなります。

顧客に寄り添えるコールセンターを作ろう

各顧客接点の特徴を知り、顧客がどの顧客接点をどのように通ってきたかを想像することで、姿の見えない電話やチャットの相手をより正確に捉えることができるようになります。それには各オペレーターが顧客接点を理解することが大切です。ぜひトレーニング内容に組み込むとともに、CRMシステムで統合することを検討されてみてはいかがでしょうか。

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