CX向上を実現するコンタクトセンター向けCRMソリューション
更新日:2024年9月17日
コールセンターが抱えるさまざまな課題の中でも、特に深刻なのが離職率の高さです。コールセンターはなぜ離職率が高いのでしょうか?今回は、離職率が高くなってしまう理由の他、その対処方法について詳しくご紹介します。
1-1. コールセンターの離職率は30%
1-2. 高い離職率が企業に与える影響
2-1. クレーム対応によるストレス
2-2. 非正規雇用が多く給料が低い
2-3. 知識のアップデートが大変
2-4. キャリアアップがしづらい
2-5. 騒音などの職場環境
2-6. ノルマや目標がシビア
3-1. 定期的にオペレーターへのヒアリングを行う
3-2. ノルマや目標、評価指標を見直す
3-3. 職場環境を見直す
3-4. コールセンター研修を実施する
4-1. DX・システム化の効果
4-2. コールセンターのDX・システム化に導入されるツールとは?
まずは、コールセンターの離職率はどの程度なのか?離職率は企業にどのような悪影響を与えるのかについてご紹介します。
コールセンターの離職率は、一般に30%程度といわれています。およそ3人に1人が離職していることになり、この数値は一般的な業種と比較しても非常に高いといえます。
高い離職率は、企業に以下のような悪影響を与えてしまいます。
経験豊富なオペレーターが離職すると、新しいスタッフがその穴を埋めるまでに時間がかかります。新しいオペレーターが十分に訓練されていない場合、サービスの品質が低下し、顧客満足度に影響を与えることがあります。また、オペレーターが頻繁に入れ替わると、顧客が期待する一貫したサービスが提供されなくなり、顧客の信頼が損なわれることがあります。
新しいオペレーターが業務に慣れるまでの期間は、生産性が低下する傾向があります。経験豊富なスタッフが離職すると、その知識やスキルを補うために新しいスタッフが教育を受ける必要があり、その間の生産性が低下します。また、頻繁な離職により、業務が中断されることが増え、チーム全体の生産性に悪影響を与えることも。
チームメンバーが次々と辞めていくと、残ったスタッフは不安やストレスを感じやすくなります。さらに、離職者の穴を埋めるために残ったオペレーターに業務負荷がかかり、労働環境が悪化。更なる離職を招く悪循環を招いてしまいます。
新しいオペレーターを採用するために広告費や人材紹介会社の手数料などがかかります。また、面接や採用プロセスに時間とリソースがさらにかかってしまうことになり、採用・教育コストが膨らんでいきます。
コールセンターの離職率が高い理由には、以下のような要因があります。
コールセンターのオペレーターは、しばしば顧客からの厳しいクレームや不満の声に直面します。これにより、精神的なストレスが蓄積しやすくなります。感情的に激しいやり取りや不満をぶつけられる状況が続くと、オペレーターの精神的な健康に悪影響を及ぼし、離職につながります。
コールセンターでは、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用が多くを占めています。安定した収入や福利厚生が保証されにくく、離職が増える原因になっています。
コールセンターで扱う製品やサービスは、頻繁に更新や変更が行われます。これに伴い、オペレーターは常に最新の知識を習得する必要があります。
コールセンターは上述したように、非正規雇用が多くを占めています。正社員へのステップアップが可能な場合もありますが、昇進やキャリアアップの機会が限られていることが多いです。
コールセンターの職場では、多くのオペレーターが一斉に通話を行うため、職場が常に騒がしい環境となります。騒音により集中力が低下し、ストレスが増加。離職につながるケースがあります。
コールセンターでは、一定のノルマや目標を達成することが求められます。このようなノルマや目標によるプレッシャーが、離職につながるケースも散見されます。
コールセンターの離職率を下げるためには、オペレーターが働きやすい環境を整え、モチベーションを維持するための具体的な対策が必要です。以下の方法を活用することで、離職率を低下させることが可能です。
定期的なヒアリングを通じて、オペレーターが感じている問題点や改善点を直接聞き取ります。ヒアリングで得たフィードバックを元に、具体的な改善策を講じることで、オペレーターの不満を解消し、働きやすい環境を作ります。
過度に高いノルマや目標を設定すると、オペレーターに過大なプレッシャーがかかり、離職の原因となります。現実的で達成可能な目標を設定することが重要です。数値目標だけでなく、顧客満足度や対応の質など、さまざまな指標を評価に取り入れて、オペレーターが不満を感じにくいように工夫しましょう。
職場の騒音対策や作業スペースの改善を行い、オペレーターが快適に働ける環境を整えましょう。静音マシンの導入や防音パネルの設置などが有効です。
定期的な研修を通じて、オペレーターのスキルを向上させましょう。クレーム対応の技術やストレスマネジメントの方法などを伝えることで、自信を持って業務に取り組めるようになっていきます。また、もし可能であればキャリアアップの道筋を示し、長期的な視点でオペレーターの成長を支援しましょう。将来的なリーダーシップ研修やマネジメント研修を提供することも有効かもしれません。
上述した対策の他、離職率対策に有効なのが、DX・システム化の推進です。DX・システム化の効果やコールセンターにおすすめのツールをご紹介します。
DXにより、顧客対応の一部を自動化することで、オペレーターの負担を軽減できます。よくある質問への回答をチャットボットやIVR(自動音声応答)で処理することで、オペレーターは複雑な対応に専念できるようになる他、ストレスの軽減効果が期待できます。
DXにより、オンライン研修プログラムやシミュレーションツールを導入することで、新人オペレーターの教育コストを削減できます。これにより、一貫したトレーニングが可能になり、教育期間を短縮することが可能。CRMで、過去の対応履歴やナレッジベースを共有できるようにしておくのもおすすめです。
DXツールを活用してリアルタイムのデータ分析やレポート作成を自動化することで、マネジメントの負担を軽減します。これにより、迅速な意思決定が可能になります。また、システム化により、業務プロセスを標準化・最適化し、運営効率を向上させます。
CRMを通じて収集された顧客データを分析することで、顧客のニーズを把握し、改善施策に役立てることができます。また、オペレーターのパフォーマンスデータを分析し、個人の能力に合わせたトレーニングメニューを組んだり、マニュアルの改善に活かしたりすることも可能です。
コールセンターのDX・システム化に導入される代表的なツールとしては以下の3つがあります。
CTIは、電話システムとコンピューターシステムを統合する技術。顧客の情報を自動的に画面表示することで、迅速かつ個別対応を可能にするツールです。オペレーターが顧客の情報を即座に確認できるため、対応時間が短縮され、顧客満足度が向上します。
IVRは、自動音声応答システムで、顧客が音声メニューを選択して必要な情報を得たり、適切な部門に転送されたりすることを可能にします。簡単な問い合わせは自動処理されるため、オペレーターの負担が軽減され、顧客の待ち時間が短縮されます。
CRMシステムは、顧客の全履歴(購入履歴、問い合わせ履歴、フィードバックなど)を一元管理するシステムです。CTIやIVRの他、生成AIなどのツールと連携できる製品もあり、オペレーターの業務を大幅に改善することができます。また、顧客のニーズやトレンドを分析して、サービス改善やマーケティング施策に役立てることができます。コールセンターのさまざまな悩みを解決する総合的なソリューションといえます。
コールセンターは平均の離職率が30%といわれるほど、離職率の高い職種のひとつです。このような離職率の高さは企業にさまざまな悪影響を及ぼすため、できるだけ早めに対策をすることが大切です。オペレーターのマネジメントにお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。また、同時にDX・システム化による大幅な業務効率化にも取り組んでみてください。