CX向上を実現するコンタクトセンター向けCRMソリューション
更新日:2024年9月17日
統合CRMツールとは、コンタクトセンターだけに特化した機能で顧客管理するのでなく、全社のさまざまな業務を一元化することに特化したCRMシステムのことです。今回は、そんな統合CRMツールの機能や導入メリットの他、具体的な活用シーンについてもご紹介します。
1-1. CRMとは?背景と役割
1-2. 統合CRMツールとは?
1-3. 統合CRMとその他のツールの違い
2-1. 顧客の基本情報・応対記録の管理・共有機能
2-2. 顧客情報の集約・分析機能
2-3. CTIとの連携機能
2-4. ワークフロー機能
3-1. 統合CRMツールを導入のメリット
3-2. 統合CRMツールを導入するデメリット
4-1. 統合CRMツールを選ぶポイント
4-2. 統合CRMツールの活用シーン
統合CRMツールの概要や似たツールとの違いについてご紹介します。
CRM(Customer Relationship Management)は、「顧客関係管理」の略で、企業が顧客との関係を最適化し、顧客満足度を向上させるための戦略およびシステムを指します。CRMの主な目的としては、顧客情報の一元管理・顧客対応の効率化・データ分析と予測などがあります。
統合CRMツールは、CRM機能を中心に、他の業務ツール(たとえばMAツール、SFAツール、ERPツールなど)と連携・統合されたシステムのことです。統合CRMツールを導入することで、顧客管理だけでなく、営業支援、マーケティング活動、業務管理などのさまざまな機能を一つのプラットフォーム上で実行することができるようになり、全社すべての顧客接点を管理できます。
MA(Marketing Automation)ツールは、マーケティング活動の自動化を支援するツールです。リード管理・キャンペーン管理・分析機能などマーケティングに特化した機能を持っています。
SFA(Sales Force Automation)ツールは、営業活動を支援するためのツールです。営業支援・商談管理・レポーティング機能など、営業活動の効率化に必要な機能を搭載しています。
ERP(Enterprise Resource Planning)ツールは、企業のリソース管理を統合するシステムです。財務管理・在庫管理・生産管理など、企業の内部資源を効率化するの機能を搭載しています。
ここでは、統合CRMツールの中でも、コールセンターに必要な機能を中心にご紹介します。
コールセンターに問い合わせをした顧客の名前・連絡先・住所・契約内容などの基本情報を一元管理する機能。各オペレーターが行った通話内容・対応結果・解決状況などの情報を保存し、共有できる機能もあります。
顧客の問い合わせ履歴・購買履歴・フィードバックなどのデータを集約し、顧客の行動パターンや傾向を把握する機能です。この機能があることで、顧客の満足度の問題点やニーズなどを分析し、サービス改善やターゲティング戦略に役立てることができます。
CTI(Computer Telephony Integration)は、コンピューターと電話システムを統合する技術です。コールセンターのCRMには、このCTIと連携する機能が欠かせません。CTIとの連携機能があることで、オペレーターは通話開始時に顧客情報を確認することができ、スムーズな対応が可能となります。
顧客からの問い合わせ内容に応じて、適切な対応フローを自動的に案内する機能のことです。たとえば、特定のキーワードが含まれる問い合わせには自動で関連するFAQや対応手順を表示するなど、業務プロセスの効率化を図るのに欠かせない機能です。オペレーターが行うべきタスクやフォローアップのスケジュールを管理し、リマインダー機能を設定することも可能。タスクの漏れや遅延を防ぎ、業務の円滑な進行をサポートします。
では、統合CRMツールを導入することでどのようなデメリットが得られるのでしょうか?具体的なメリットとデメリットについてご紹介します。
統合CRMツールを導入するメリットとしては以下があります。
統合CRMツールを導入することで、顧客情報や案件情報を一元管理できるようになります。情報化が可視化され、顧客の基本情報・取引履歴・サポート履歴など、すべての情報が一つのシステムで集約できるようになる他、異なるシステムで管理されていたデータを統合することで、重複入力やデータの不一致を防ぎ、作業効率が向上します。
統合CRMツールは、コールセンター・営業・マーケティングなど、異なる部署間での情報共有をスムーズにします。各部署が同じデータベースを利用することで、情報の一貫性が保たれ、協力体制が強化される他、情報のリアルタイム共有により、部署間のコミュニケーションが円滑になり、問題解決のスピードが速くなります。
顧客体験(Customer Experience、CX)の向上も、統合CRMツール導入の大きなメリットのひとつです。顧客の過去の取引履歴や好み、問い合わせ履歴を元に、個別にカスタマイズされた対応ができるようになる他、問い合わせへの対応が迅速かつ的確になり、顧客満足度の向上が期待できます。
統合CRMツールは、蓄積されたデータを分析し、業務の効率化と改善に役立てる機能を持っています。顧客の行動パターンや購買履歴などのデータを分析し、マーケティング戦略や営業活動の改善に活用できる他、業務の進捗や成果をリアルタイムで把握できるようになります。
統合CRMツールの導入には以下のようなデメリットがあります。
導入のための初期費用の他、運用に必要なランニングコストがかかります。コストに見合った成果を出すためには、事前にしっかりシミュレーションをすることが重要です。
統合CRMツールにはさまざまな種類があるため、ツール選定にしっかり時間をかける必要があります。各ツールの機能・特長・費用などを比較検討し、自社に合ったものを選ぶことが大切です。
統合CRMツールの効果を最大化するためには、自社に合った製品を選ぶことが重要です。ここでは、統合CRMツールを選ぶポイントと具体的な活用シーンについてご紹介します。
ツール導入によって、何を達成したいのかを明確にすることが重要です。たとえば、顧客情報の一元管理、営業活動の効率化、マーケティングの自動化など、具体的な目標を設定します。また、現在のシステムやプロセスで何が問題なのか、どんな改善が必要なのかを洗い出します。目標と課題を明確にすることで、自社に合ったツールを選びやすくなります。
導入目的と課題が明確になったら、それに合った機能が搭載されたものを選びましょう。また、CTIなどのシステムの他、他部署との連携や共有が可能な、カスタマイズ性が優れたツールを選ぶことも大切です。
どれだけ機能が充実していても、UIがわかりづらいと、教育コストが高くなってしまう他、使うのがストレスになり、機能を十分に活かすことができなくなります。オペレーターや作業者が簡単に使い方を覚えることができ、ストレスなく操作できるものを選びましょう。
ECサイトの顧客管理にCRMツールを導入することで、顧客への個別のフォローアップやプランの提案が可能になり、売上アップや継続購入率の向上などにつなげることができます。
企業のLINE公式アカウントとCRMを連携させる活用方法もあります。顧客のメール開封率やWEBサイトの閲覧履歴といった顧客情報をベースに顧客をセグメントし、セグメントに合わせたDMを作成。エンゲージメントや売上アップにつなげることができます。
チャットボットなどの多様なチャネルに対応できる統合CRMツールはコールセンターの業務改善に役立てることができます。オペレーターの業務の一部をチャットボットなどに任せることで、オペレーターの業務負荷軽減、人手不足の問題を改善できます。また、蓄積したデータの活用・社内外とのシステム連携によって、コールセンターの付加価値を高めることも可能です。
OKIソフトウェアのCRMソリューション「enjoy.CRMⅢ」は統合CRMの要素だけでなく、コンタクトセンターに特化した機能を備えたCRMです。オペレーターの業務シーンに合わせたUI、営業・保守部門とのスムーズな情報連携、業務に合わせたセルフカスタマイズも可能です。CRM製品を選択するポイントとOKIソフトウェアのenjoy.CRMⅢを以下のホワイトペーパーで紹介していますので、そちらも参照ください。
統合CRMツールは、複数の機能を統合し顧客管理だけでなくさまざまな業務を一元化することに特化したシステムです。さまざまなシーンの業務効率化に役立てることができますが、特にコールセンターと相性が良いことでも知られています。人手不足の解消やコールセンターのサービス品質の向上を検討されている方は、ぜひ統合CRMツールの導入を検討してみてください。