CX向上を実現するコンタクトセンター向けCRMソリューション
更新日:2024年9月17日
コールセンターの生産性を測る指標にはさまざまですが、中でも重要視されるのが稼働率です。そこで今回は、コールセンターの稼働率の重要性や適正値を保つためのポイントについて解説します。
まずは、コールセンターの稼働率の概要や重要性についてご紹介します。
稼働率とは、コールセンターのオペレーターが実際に電話を受けたりかけたりしている時間の割合を示す指標です。具体的には、オペレーターが実働している時間を総勤務時間で割ったもので、通常はパーセンテージで表されます。たとえば、オペレーターが8時間勤務し、そのうち6時間を実際に通話していた場合の稼働率は75%になります。
稼働率は、コールセンターのオペレーション効率を評価する重要な指標です。高い稼働率は、オペレーターが無駄なく働いていることを示し、リソースの有効活用を意味します。また、稼働率のデータを基に、ピーク時と閑散時の人員配置を最適化できます。これにより、オペレーターの過負荷や過少勤務を防ぎ、コスト効率を向上させることができます。そして、適切な稼働率を維持することで、顧客の待ち時間を短縮し、顧客満足度を向上させることができます。
コールセンターの生産性の指標として、占有率と応答率があります。
オペレーターが通話以外の業務も含めてどれだけ忙しいかを示す指標です。通話時間に加えて、事務処理やデータ入力などの付随業務も考慮します。たとえば、オペレーターが8時間の勤務のうち、4時間を通話に、2時間を事務処理に費やした場合、占有率は75%になります。占有率が高すぎると、オペレーターが過労になる可能性があり、低すぎるとリソースの無駄が発生します。適切なバランスを取ることが重要です。
コールセンターが受けた電話に対してどれだけ迅速に応答できているかを示す指標です。受信した電話のうち、実際にオペレーターが応答した割合を示します。たとえば、100件の電話を受信し、そのうち90件に応答した場合、応答率は90%になります。高い応答率は、顧客が迅速に対応されることを示し、顧客満足度の向上に繋がります。一方、低い応答率は、顧客が待たされる時間が長くなることを意味し、満足度低下の原因となります。
次に、コールセンターの稼働率の適正値についてご紹介します。
コールセンターの稼働率の適正値は、業界やビジネスモデルによって異なりますが、一般的には以下の範囲とされています。
この範囲の稼働率は、オペレーターが効率的に働いていることを示しますが、過度な負担はかかっていないことを意味します。
稼働率が80%を超える場合、オペレーターが過度に忙しく、ストレスや疲労の原因となる可能性があります。この状態が続くと、サービスの質が低下するリスクも高まります。
稼働率が低すぎる場合、オペレーターの稼働が効率的でないことを示し、リソースの無駄が発生している可能性があります。
適正な稼働率を維持することで、オペレーターの効率と顧客満足度のバランスを取ることができます。
稼働率を正確に測定するためには、オペレーターが実際に通話に費やしている時間と休憩時間を正確に測定することが大切です。また、稼働率はオペレーターに対して定期的にフィードバックし、業務改善に活かしたり、異常値の原因などを特定したりすることが大切です。
最後に、コールセンターの稼働率を適正値に保つ方法についてご紹介します。ここでは、稼働率と占有率のバランスを考慮して、それぞれのケースでとるべき対策を解説します。
オペレーターが常に忙しく、通話や付随業務に追われているため、過労やサービス品質の低下が懸念されます。新たにオペレーターを採用し、負担を分散させます。また、ピーク時間帯に合わせてシフトを調整し、適切な人数配置を行います。
受電要員が多いのに待機時間が長く、効率的な業務運営ができていない状態です。待機時間にトレーニングやスキルアップのための活動を行うか、事務作業やデータ入力などの業務を割り当てます。また、業務プロセスを見直し、無駄な時間を削減することが大切です。自動化ツールを導入して、オペレーターの生産性を向上させる方法もあります。
受電要員が少ないことが原因で、応答率が低下している状態です。研修等の時間を減らして、受電に費やす時間を増やすことが大切です。また、受電要員が足りない場合は採用を検討しましょう。
これは、単純に人が余っている状態です。応答率もその他の業務に割り当てる時間も十分ですが、人件費がムダになっている可能性があります。コールセンターでできる業務を増やすか、人員の異動を検討しましょう。
適正な人数配置を維持するために、シフト管理やリアルタイムモニタリングを行います。オペレーターのステータス(待機中、通話中、休憩中など)を把握し、効率的な運営を図ります。
待機時間にトレーニング、スキルアップ活動、事務作業などのタスクを割り当てることで、無駄な時間を削減します。
オペレーターのメンタルヘルスをサポートするための施策を導入します。リラクゼーションスペースの設置、定期的なカウンセリング、ストレスマネジメント研修などを行ってみてもよいでしょう。
コールセンターシステムCTIの導入やアップデートなどで、業務の自動化・効率化をしましょう。また、コールセンターの業務効率化ツールとしてCRMを導入する企業が増えています。既存のCTIと連携できる製品も多いので、ツール導入を検討している方はぜひCRMもチェックしてみてください。
稼働率は、コールセンターの生産性やパフォーマンスを評価するための重要な指標です。稼働率や占有率などの指標を組み合わせて業務を確認することで、コールセンターの状況を可視化することができ、解決すべき課題も見つけることができます。コールセンターの生産性に問題を抱えている方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。