CX向上を実現するコンタクトセンター向けCRMソリューション
更新日:2024年9月17日
CX(Customer Experience※顧客経験)とは、商品やサービスの機能・性能・価格などの価値だけでなく、購入から使用する過程、購入後のフォローアップまでを含めた経験の価値を高める企業活動のことを指します。今回は、CX向上に必要な具体的な施策の他、おすすめの導入ツールについてご紹介します。
1-1. CXとは?
1-2. UX・CSとの違いは?
1-3. CXが重要視される背景は?
2-1. どうなればCX向上になる?
2-2. DCXとは?
2-3. CX向上による具体的な効果
3-1. CX向上の3つのステップ
3-2. CX向上の施策で重視したいポイントは?
4-1. CX向上に適したツール
4-2. OKIソフトウェアのコンタクトセンター向けCRM「enjoy.CRM」の事例
まずは、CXの概要について解説します。
CXとは、顧客が企業やブランドと接触する全ての経験を指します。具体的には、製品やサービスの認知から購入、使用、アフターサポートに至るまでの全ての過程で顧客が感じる印象や感情を高めるための施策を指します。CXは顧客満足度やロイヤリティに直結し、企業の成功に大きな影響を与えるため、全体的な顧客体験の向上を目指すことが重要です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)とCS(カスタマーサポート)は、CXと関連しつつも異なる概念です。UXは主に製品やサービスの使用中の体験に焦点を当て、ユーザーインターフェースの使いやすさやデザイン、機能性を重視します。一方、CSは顧客が製品やサービスに関して問題を抱えた際のサポート体験を指します。CXはこれらを含む広範な概念で、顧客が企業と接触する全てのタッチポイントでの経験を包括的に捉えます。
CXが注目を集める理由としては、商品やサービスの機能・性能・価格が均一化し、競合との差別化を図るのが難しくなっているという市場の背景があります。また、現代の消費者は単なる製品やサービスの提供以上の体験を求める傾向があり、CXで個別化されたサービスや、迅速で親切なサポート、ストレスのない購入体験などを提供することで、製品やサービス、企業に対しての愛着や信頼を高めることができます。
このようなCXの流れを加速させているのは、AI、ビッグデータ、IoTなどの技術進化です。このような技術を用いることで、企業は顧客の行動や嗜好をより詳細に把握し、パーソナライズされた体験を提供することが可能になりました。
CX向上とは、顧客が商品やサービスを利用する際の全体的な体験を向上させることを指します。顧客が感じる満足度や感情的なつながりを強化し、より良い印象を持ってもらうことが目的です。
CXが目指す顧客の意識変容はとてもシンプルで、あらゆるタッチポイントで顧客が満足し、ポジティブな感情を抱くことです。さまざまな施策を通して、顧客にポジティブな感情を持ってもらうことを目指しましょう。そのうえで重要になるのが、以下のCX向上の3つの指標です。
LTVは、顧客が企業と取引を始めてから終了するまでの期間にわたって、その顧客が企業にもたらす総収益を指します。顧客がもたらす利益の総額を把握することで、マーケティングやCXの効果を確認することができます。
NPSとは、顧客が企業やブランドを他人にすすめるかどうかを測定する指標です。顧客満足度やロイヤルティを定量的に評価するために用いられます。NPSの数値が高いと、CXが向上したと判断できます。
リテンションレートは、Webサービスやアプリなどの新規顧客が一定期間内に再訪した割合を示す数値です。デジタル領域でのCX施策の効果測定に利用することができ、数値が高いほどCXが向上していると判断できます。
DCX(Digital Customer Experience)は、デジタルチャネルを通じて顧客が体験する全ての接点やインタラクションを指します。具体的には、Webサイト・モバイルアプリ・ソーシャルメディア・チャットボットなどのデジタルプラットフォーム上での顧客とのやり取りが含まれます。DCXは、オンライン環境での顧客満足度を高めるために重要です。
CXが向上することで以下のような効果が期待できます。
優れたCXは顧客の満足度を高め、企業に対するロイヤリティを育むため、顧客が他のブランドに乗り換えることを防ぎます。たとえば、迅速な対応や問題解決、パーソナライズされたサービスは、顧客が満足し続ける理由となります。
ポジティブな顧客体験は、顧客が再度サービスを利用する意欲を高めます。特に、定期的なフィードバックの収集と改善を通じて、顧客の期待に応えることで、リピーター客の獲得が可能になります。
顧客体験が優れていると、顧客はブランドに対して良い印象を持ち、信頼感が高まります。この結果、ブランドの評判が向上し、新規顧客の獲得にもつながります。
市場が競争激化する中、優れた顧客体験は他社との差別化要因となります。特に、独自のサービスやサポートを提供することで、顧客が競合他社ではなく自社を選ぶ理由を作り出します。
満足した顧客は、SNSや口コミを通じて自社の製品やサービスを他人に勧める可能性が高まります。これにより、低コストで新規顧客を獲得することができ、顧客基盤の拡大に貢献します。
次に、CX向上の3つのステップと重視したいポイントについてご紹介します。
まずは、顧客の典型的なプロフィール(ペルソナ)を詳細に描くことで、ターゲット顧客のニーズや行動パターンを理解します。年齢・職業・趣味・購買動機などを具体的に設定することが重要です。また、カスタマージャーニーマップを作成し、顧客が製品やサービスに出会い、利用し、最終的にリピートするまでの全てのステップを視覚化します。各タッチポイントでの顧客の感情や課題を明確にすることで、改善すべきポイントを特定できます。
顧客体験を向上させるための具体的な戦略を立てます。ペルソナとカスタマージャーニーマップを基に、どのポイントでどのような施策を講じるべきかを決定します。施策の実施後は、現在のCXの状態を評価し、課題や強みを明らかにします。顧客からのフィードバックやデータ分析を活用して、改善の余地がある箇所を洗い出します。
CX向上の効果を測定するために、具体的な数値目標(LTV・NPS・リテンションプレート)を設定します。定期的に目標達成の進捗をモニタリングし、必要に応じて戦略を見直します。KPIを設定し、効果的な評価体制を整えることが重要です。
どのチャネルでも一貫したブランドメッセージと体験を提供することで、顧客との信頼関係を構築します。また、顧客がどのタッチポイントにおいても、同じ高品質の体験を得られるよう、プロセスにも一貫性を持たせるようにしましょう。
各タッチポイント(Webサイト・店舗・カスタマーサポートなど)に応じた最適な体験を提供します。たとえば、WebサイトではユーザーフレンドリーなUI、店舗では個人に合わせた接客などが考えられます。また、顧客の過去の行動データやフィードバックを活用して、各タッチポイントでの体験をパーソナライズしましょう。
常に顧客の立場に立ち、顧客が何を求めているのか、どのように感じているのかを施策の改善に活用します。顧客からのフィードバックに合わせて、適切なツールやテクノロジーの導入も検討しましょう。
最後にCX向上に適したツールやテクノロジーの他、具体的な活用事例についてご紹介します。
ビデオ通話ツールは、顧客と直接顔を合わせてコミュニケーションをとることができるため、パーソナライズされたサービスを提供するのに役立ちます。特に、複雑な製品やサービスの説明が必要な場合や、顧客サポートを強化したい場合に有効です。
Web接客ツールは、ウェブサイト上で訪問者に対してリアルタイムでサポートやガイダンスを提供するためのツールです。これにより、顧客のオンライン体験を向上させ、個人個人に合わせたより丁寧な接客をリモートで行えるようになります。
AIツールは、大量のデータを分析し、顧客の行動や嗜好を予測することで、パーソナライズされたサービスを提供するのに役立ちます。また、チャットボットや音声アシスタントとして顧客対応の効率化も図れます。
CXの向上のためにツールを導入した事例としては以下があります。ここでは、OKIソフトウェアのコンタクトセンター向けCRM「enjoy.CRM」を例にご紹介します。より詳しい内容はこちらからご確認ください。
応対履歴の均質化、ACW(後処理時間)短縮を目的に、enjoy.CRMの「生成AIによる支援機能」を導入。導入によって、ナレッジ更新のサイクルが回しやすくなり、ACWの15%削減を達成。また、オペレーターのストレス緩和も実現。
CXの向上は、「顧客離れの減少」「リピーターの増加」「ブランドイメージの向上」など、企業にさまざまな効果をもたらす施策です。CX向上に興味がある方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。