今年度もOKIソフトウェア新入社員で構成された全8チーム(1チームあたり4~5名で構成されたAチームからHチーム)が「ETロボコン2024 シミュレータ部門 エントリークラス大会」に参加しました。
Fチーム、Hチームがそれぞれ受賞を果たしました。
今回は、惜しくも総合結果や競技部門での受賞はありませんでしたが、Fチーム、Hチームがそれぞれ下記の賞を受賞しましたので、この2つのチームの取り組みや工夫、想いを皆さんにご紹介します。
ETロボコンについては昨年度のコラム記事や公式サイトで詳しく書いてありますので、以下のリンクからご覧ください。
24年度新入社員5名で構成されたFチームは、モデル部門でゴールドモデル賞を受賞しました。
ETロボコンではロボットの走行タイムやボーナスポイントを競うだけではなく、ロボットを動かすソフトウェアをどのように設計したのかを示すモデル図(「機能」や「構造」、「振る舞い」をそれぞれUML図に落とし込んで表現した図)を作成します。
モデル図はゼロから作成するのではなく、あらかじめ提供されたモデル図を「理解」して「変更内容を記述」します。そしてそのプロセスやアウトプットが評価の観点となります。
Fチームの評価結果で、良かった観点とそれに対してどのような取り組みや工夫をしたのかを説明します。
下図の赤枠部分が該当箇所で、「目標を細分化し、提供モデルへ反映する流れが適切」だったことが評価されました。
下図の赤枠部分が該当箇所で、「削除クラスの記載や色と矢印で変更箇所を示す」ことで「変更箇所が明確」になっている、また、昨年度の指摘事項であった「重要ポイント:走行方法の切り替えを詳細に記載」に対応できている点が評価されました。
このような評価をいただくために工夫した点は以下になります。
大変だったことは、チームメンバはそれぞれ本業も抱えているので、業務の都合で、チームの定例会に参加できなかったり、ETロボコンの作業時間がなかなか取れない人もいました。
そんな中でも、チャットを活用して積極的に意見交換や情報共有を行ったり、忙しいメンバーをカバーできるように役割を分担したりと、様々な困難を乗り越える中で「チームの絆」が強まりました。
ETロボコンのような長期的な取り組みの場合、3ヶ月先を見据えて逆算的にスケジュールを設定しました。これは実際の業務やプロジェクトでも活かせています。
24年度新入社員4名で構成されたHチームは、例年には存在せず、今年に急遽作られた賞である実行委員会特別賞を受賞しました。
「モデル図:評価A 走行タイム:16.73秒(23位/44チーム) 総合成績:総合10位/44チーム」であったHチームがなぜ特別賞を受賞できたのか?について説明します。
競技では「走行ポイント」と「ボーナスポイント」の合計である「リザルトポイント」の高さで競います。「ボーナスポイント」の課題の1つである「競技後半に設置されているブロック運搬」で、Hチームは「他のチームには無いオリジナリティ」を出すことができました。
46チーム中、45チームはアームでブロックを押してブロックを運んでいたましたが、Hチームはアームを一切使わずに尻尾で弾き飛ばし、最大点数の25点を獲得しました!
Hチームは本大会に挑むにあたり、シンプルに結果だけを目指すのではなく「ロボコンでできる範囲で最大限、ロマンを追求することで、過程も含めた最高の結果を得る事ができるはず!」と考え、「他のチームには無いオリジナリティに挑戦!」というロマンを追求した目標を掲げていました。
それを実現するために次の2つの走行戦略を固めたうえで、モデル図作成や動作検証を行い、規約に触れないギリギリを攻めました。
①ETロボコンの規約の詳細把握
②規約の範囲内でできる走行方法の模索、動作検証
この想いや戦略が審査員の方にも伝わり、「「ブロックを車体のしっぽで弾き飛ばして運搬を行う」という、課題の中で最大限挑戦するユニークな戦略が良いです」というコメントもいただけました。
他のチームには無いオリジナリティとしては、「尻尾で弾き飛ばし」以外にも「後ろ向き走行」にも挑戦しています。また、結果的に没案になりましたが「アームで持ち上げ投げ飛ばし」や「ゲートの柱でホームラン」のようにアイデアを出しては動作検証するという試行錯誤を繰り返しました。
ETロボコンに出て学んだことは、たくさんありましたが、中でも「楽しむ気持ちを忘れないこと」が大事だと実感しました。何事も楽しんでやる方が柔軟な発想が出て、良い成果が得られるということを、今後の仕事にも活かしていきたいと思います。
当社の24年度新入社員がETロボコン参加を通じて実践した取り組みや工夫、学んだことをご紹介しました。
当社がETロボコンに毎年参加する目的は、下記の3点です。
OKIソフトウェアは今後も新入社員や若手社員の技術力向上と人材育成を推進していきます。