コラム

育児休職と人財確保について私が伝えたいこと

総務部の竹本です。育休後シニアアドバイザー、キャリアコンサルタントとして、社内外で活動しています。
仕事である採用関係で学生さんと接すると、ワーク・ライフ・バランスを大切にして、育児休職を取得しても、働き続けたいと考える若者が男女問わず増えたと実感しています。

WLBシナジー

特に男子学生も、育児休職を取りたいと考えている割合が女性と変わらなくなってきています。
マイナビキャリアリサーチラボの調査によれば、「育児休職を取って子育てしたいと考える」の回答は、女子学生63.2%、男子学生61.3%という結果が出ています。(調査対象:24年卒学生)
既に学生のうちから、「育児休職を取って子育てしたいと考える」人が多数派であることが分かります。

また、先日私は当社の育児休職経験者(男女の若手社員)と座談会をする機会がありました。話を聞くと男性側の育児や家事への「当事者意識」が、非常に向上していると実感しました。
今回は、特に男性育児休職をテーマにお話します。

会社側のメリット

現在、少子高齢化が進行中のわが国では、今後の人口減少に伴う労働力不足を視野に、人財の取り合いとなっています。
ワーク・ライフ・バランスや育児休職の取りやすさ、子育てや介護などに対応できるよう、多様な考え方を受け入れ、柔軟な働き方を整備する事は、優秀人財の流出を防ぎ(離職率の低下)、企業存続の礎(人財確保)に繋がると考えています。

否定的な管理職?!

残念ながら今の時代においても、世の中には(特に男性の)育児休職に関して自分の経験がない為に共感できない、もしくは否定的な見方をする管理職の方がいるようです。
前出の調査結果で分かるように、若い世代の男性の育児に対する考え方が変化しています。
子育てに関する社会の価値観も、「男性は仕事で、女性は家事育児」から、「夫婦で子育て」という風に変化しています。
もし、育児休職を応援しない職場に見切りをつけて、大切な社員が退職した場合を考えてみましょう。
競争の激しい転職市場から新たに人を採用しようとしても、自社に見合うような人財を即座に見つけるのは簡単ではありません。また、自走させるまでの期間、教育や費用も必要です。

一定期間が過ぎれば、(絶対ではありませんが)育児休職者は再び職場に戻ってきて、業務に対して自身の強みや力を存分に発揮することでしょう。
それらを考慮すると、簡単な事ではないとは思いますが、仕事内容の精査、分担の見直し、チームメンバーへの理解促進(法や制度の理解、お互い様精神)等、社内を調整するのがマネジメント層の役割ではないでしょうか。
また、日ごろからチーム内で風通しよくコミュニケーションを取り、部下が人生設計についてどんな風に考えているのかを知るのも、大切な事だと思います。

育児休職を取得する側のメリット

愛らしい新生児のお世話は、幸福感を感じることができます。お世話はとても大変ですが、それを超えて余りあるものが得られるはずです。乳幼児期というのは本当に一瞬で、その間の成長を間近で見られる機会はそうそうありません。
男性の場合は、育児に参画する事で当事者意識が芽生え、家事スキルが向上するでしょう。
また、男女問わず自身の仕事の棚卸し・整理ができる、時間あたりの生産性の意識が格段に向上する等のメリットが挙げられます。
さらには、同僚への感謝の念や、会社への帰属意識も高まるでしょう。
復職後については、限られた時間で仕事をこなす可能性があるため、マルチタスクや時間調整力も鍛えられます。

OKIソフトウェアの場合

当社では、ここ1~2年の間に男性の育児休職が増えており、取得期間は概ね1か月~6か月程度が多いように思います。

  • 2022年度のOKIグループ(国内)の男性育休取得率は84%
  • 男性育休取得率:2022年度に子供が生まれたOKIグループ(国内)の男性社員を母数とした、育児休職および育児目的の休暇の取得率。なお、取得者には2021年度以前に子供が生まれ、2022年度に休職・休暇を取得した社員も含まれます。

当社の社員数の男女比率は2023年度現在、男性8:女性2です。
従来から、女性社員の育児休職取得・復職率は100%でしたが、男性社員の取得は稀でした。

なぜ、男性の育児休職が増えているのでしょうか?

それは、2022年10月に実施された改正育児介護休業法の影響により、男性の育児休職が多少利用しやすくなった事が追い風となっているのでは?と考えています。(正確な理由は、はっきり分かっていません。)
合わせて当社で従来からコツコツと活動してきた以下の施策も、影響を与えていると考えています。

(育児休職関連の施策)
  • 育休後パパ・ママセミナーのオンデマンド視聴(講師:竹本) ※社内イントラHPに通年掲載
  • 改正育児・介護休業法関係のコンプライアンス教育(全体版、上司版、当事者版)
  • 男性育休経験者のコラムの発信 ※社内イントラHPに通年掲載
  • 認定マークの取得(厚生労働省「子育てサポート企業」くるみん、埼玉県「多様な働き方実践企業」プラチナ)
  • 育休復帰後の上司面談(希望者のみ:復職前、1か月後、3か月後)
  • くるみん
    厚生労働省「子育てサポート企業」くるみん
  • 多様な働き方実践企業
    埼玉県「多様な働き方実践企業」プラチナ

このようにOKIソフトウェアでは社員の皆さんに対して積極的に働き方に関連する情報発信を行い、男女問わず「働き続ける事」を応援するスタンスを表明しています。

さいごに

現在共働き家庭が50%を超え、妻が肉体的にも精神的にも一番大変な産後の一定期間、自身が育児休職を取得したい、できれば取得したいと考える夫が増えたのは、自然な事かもしれません。
夫婦二馬力で働くご家庭にとっては、妻のスムーズな職場復職を支える意味合いもあるでしょう。
また、妻の産後うつ病の防止の為には、夫の精神的なサポートが大きな心の支えになります。
いずれにしても、大切な社員の仕事と家庭の両立を応援し、キャリア形成が中長期的に可能な企業であることは、経営戦略の1つと考えられます。

  • YouTube

お問い合わせ

お問い合わせ